
・「悪口を言われる」と感じるときに考えられる3つのパターン
「悪口を言われている」と感じるときには、大きく分けて「本当に言われている場合」「敏感になりすぎて受け取ってしまう場合」、そして「精神的な症状として感じてしまう場合」の3つの可能性があります。それぞれ背景や対応の仕方が異なるため、注意が必要です。

・本当に悪口を言われている場合
・敏感になりすぎている場合(被害念慮)
・実際には言われていないのに確信してしまう場合(被害妄想)
・実際に悪口を言われているときの背景と対応

悪口を言われるというのは、精神疾患の有無にかかわらず起こりうることです。面と向かって言われる、噂話として陰で言われる、SNSなどの匿名空間で言われるなど、さまざまな形があります。
悪口を言う側の背景としては、嫉妬心やストレスのはけ口として言う場合、あるいは周囲の雰囲気が「言っても大丈夫」という空気になっている場合などが考えられます。
また、自閉スペクトラム症による独特の行動、ADHDの失言、不安障害によって「この人なら言っても反撃されない」と思われてしまうなど、精神疾患が関わっていることもあります。ただし、これらはあくまで要素の一つです。
対応として最も気をつけるべきは、衝動的な暴力でやり返すことと、ひたすら我慢して心身を追い込むことです。暴力に訴えると、自分が加害者になってしまう恐れがあり、ため込みすぎると不眠やうつなど深刻なメンタル不調に発展するリスクがあります。
現実的な対策としては、まず一歩引いて冷静になること。そして可能なら相手と話し合い、誤解を解くこと。ただし話し合いにはリスクもあるため、状況を見極めて判断する必要があります。さらに、どうすべきかを客観的に検討し、必要なら断固とした態度をとる覚悟も大切です。
・被害念慮が起きる背景とリスク、対処法
被害念慮は、実際にはそこまでの悪意がない言動を、自分への攻撃と感じ取ってしまう状態です。ただし、一歩引いて冷静になることで「言われていない」と気づける点が特徴です。
リスクとしては、事実を誤って解釈してしまうこと、そして強く反応してしまいトラブルに発展することが挙げられます。
背景には統合失調症や妄想性障害だけでなく、うつ病や躁うつ病の躁状態、不安障害、パーソナリティ障害なども関わる場合があります。また、精神疾患がなくても、強いストレス、睡眠不足、体調不良などで一時的に敏感になることもあります。
対策としては、まず冷静さを取り戻し、極端な感情に飲み込まれないようにすること。そして体調の改善に努めること。もし背景にうつ病などがある場合は、その治療も大切です。
・被害妄想の特徴、原因、対策
被害妄想は、「言われている」と確信してしまい、他者からの説明や訂正が通じないのが特徴です。「監視されている」「追われている」「悪口を言われている」など、さまざまな形で現れます。
原因としては、統合失調症、急性一過性精神病(強いストレスを背景に一時的に起こる)、妄想性障害などが代表的です。また、重度のうつ病や躁うつ病、てんかん、甲状腺疾患など身体的な原因でも起こることがあります。
被害妄想が続くと、他者への加害行為、自分自身への危害、社会生活への悪影響といった深刻な問題につながる可能性があります。対策としては、できるだけ早めに受診し、治療を始めることが最も大切です。
今回は「悪口を言われる」と感じる背景とその違いについて解説しました。「本当に言われている」「敏感になりすぎている(被害念慮)」「実際には言われていない(被害妄想)」の3つの可能性があります。
重要なのは、衝動的に行動することや思い詰めすぎることを避け、まずは冷静に対応策を考えることです。「被害念慮」であれば体調の管理と必要に応じた治療を、「被害妄想」であれば早期受診と治療が鍵となります。