【睡眠】小さい子どもの無呼吸 手術は必要?【無呼吸】

【睡眠】小さい子どもの無呼吸 手術は必要?【無呼吸】

今回は、「2歳の子どもが扁桃腺肥大で睡眠時無呼吸症候群を発症してしまった」というご相談をいただきました。
担当医からは「低年齢であるため、しばらく待ってから切除手術を」と説明を受けたものの、「全身麻酔までして手術を受けさせるべきか、大変悩んでいる」とのお声です。

非常に繊細で悩ましいテーマだと思います。
ここでは、一般的な考え方や注意点について詳しく解説します。

睡眠時無呼吸症候群と扁桃腺・アデノイドの関係

睡眠時無呼吸症候群と扁桃腺・アデノイドの関係

まず、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、大人と子どもで原因や治療法に違いがあります。

特に小さなお子さんの場合は、扁桃腺や鼻の奥にあるアデノイドというリンパ組織が大きくなり、気道を物理的に塞いでしまうことで、睡眠中に呼吸が止まる・弱まることが多いのです。

鼻呼吸が難しくなる → 口呼吸が増える → 睡眠中にさらに気道が塞がりやすくなる
このような悪循環が起こりやすく、結果として睡眠時無呼吸症候群の症状が現れます。

子どもの場合、手術は効果的?

子どもの場合、手術は効果的?

結論から言うと、お子さんで「ある程度以上に重症な睡眠時無呼吸症候群」がある場合には、手術療法は効果が高いと考えられています。

具体的には、1時間に10回、15回と呼吸が止まってしまうほど重度の場合や、夜間のいびきがひどい、昼間に強い眠気や集中力の低下がみられるなど、生活や発達に影響が出ている場合は、扁桃腺やアデノイドを切除することで約8割程度の子どもで症状が大きく改善するという報告もあります。

大人の場合、扁桃腺を切除しても再発するケースが多く、治療効果は限定的とされますが、子どもの場合は原因が「構造的に大きすぎる扁桃腺・アデノイド」であることが多いため、手術で気道を広げると効果が得やすいのです。

手術の時期について

ただし、手術を行うタイミングには注意が必要です。

術後に呼吸が一時的にしにくくなる「術後呼吸不全」という合併症があり、特に3歳未満の小さなお子さんではそのリスクが高いとされています。

そのため、2歳という年齢を考えると、担当医が「少し待ちましょう」と話すのは、合併症のリスクを十分に考慮した上での判断だと考えられます。

多くの場合は、3歳を過ぎてからでも睡眠時無呼吸症候群の症状が続いている、重症度が高いという場合に、全身麻酔を使った扁桃腺・アデノイド切除を検討するという流れになります。

肥満がある場合の注意点

肥満がある場合の注意点

もう一つ大事なポイントは「肥満」の有無です。

もしお子さんにすでに強い肥満がある場合は、扁桃腺・アデノイドの切除だけでは十分に治療効果が得られないことがあります。

その場合は、大人でも使う「CPAP(シーパップ)」という治療を追加で行うこともあります。これは寝ている間に鼻に小さなマスクを着け、空気を送り込むことで気道を広げる治療です。

小さいお子さんには装着の難しさなど課題もありますが、重症の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には選択肢の一つとして検討されます。

お子さんの発育・発達への影響

睡眠時無呼吸症候群は単に夜間の呼吸の問題にとどまりません。

夜間に何度も呼吸が止まることで、睡眠の質が低下し、十分に成長ホルモンが分泌されにくくなったり、昼間の集中力低下、行動面の問題、発育の遅れなどに影響を及ぼす可能性があります。

そのため、特に重症の場合は「待つ」リスクと「手術」のリスクを天秤にかけて、どのタイミングで手術を行うか慎重に判断することが大切です。

最善策として考えられること

整理すると、

  • お子さんの睡眠時無呼吸症候群がどの程度重症か(検査結果や症状)
  • 年齢(3歳未満は合併症リスクが高い)
  • 肥満の有無
  • 睡眠や発達への影響の程度

これらを総合的に考え、主治医としっかり話し合いながら、手術を行うか、時期を待つかを決めていくことが大切です。

親としてできること

・夜間の様子を動画で記録して主治医に見せる
・昼間の眠気や集中力の様子をメモにまとめる
・体重管理や生活習慣の見直しを進める

こうした日常の工夫は診療の際に非常に役立ち、正確な判断材料となります。

まとめ

  • 子どもの睡眠時無呼吸症候群は、扁桃腺・アデノイドの肥大が原因であれば、手術によって高い効果が期待できます
  • ただし、2歳など低年齢の場合は合併症のリスクもあり、多くの場合は3歳以降での手術が検討されます
  • 肥満がある場合は手術のみで改善が難しいこともあり、追加治療が必要になる可能性があります
  • 症状の重症度や生活への影響をしっかり記録し、主治医と繰り返し相談することが最善の策です

今回のご相談はとても大切な内容であり、多くの保護者の方が同じように悩まれる問題です。
どうか一人で抱え込まず、納得がいくまで医師と話し合い、お子さんにとって最も良い選択ができるよう応援しています。