【発達障害】中学生の頃に現れる特徴6選【ADHD・ASD】

発達障害のある中学生に見られる特徴と困りごと

発達障害のある中学生に見られる特徴と困りごと

思春期という節目に直面する課題とは?

思春期は、子どもが大人へと移行していく重要な時期です。身体的な変化に加え、思考や感情、人間関係にも大きな変化が生じ、社会的な期待も増していきます。中学生という年代は、まさにその「過渡期」にあたりますが、発達障害を抱える子どもたちにとっては、その変化がより一層大きな壁となって立ちはだかることがあります。

ここでは、発達障害のある中学生が直面しやすい「困りごと」について、人間関係の面と自己管理の面から具体的に解説し、どう支えていくかを考えていきます。

人間関係における困りごと

距離感の難しさと社会的な複雑化

中学生になると、友人関係は急速に複雑化します。小学生のころは「一緒に遊べば友だち」だった関係性が、「グループ」「上下関係」「異性との関わり」など、多層的になります。

この時期の生徒は、性への関心が芽生えたり、異性に対する振る舞い方を学んだりする時期でもあります。また、先輩には敬語を使うといった“縦社会”的なルールも学校生活に組み込まれ、急に求められるようになります。

しかし、ASD(自閉スペクトラム症)傾向のある生徒にとって、「距離感」や「曖昧な人間関係」はとても理解しにくいものです。親しさの度合いや場面ごとの適切な振る舞いをうまくつかめず、無意識に相手との関係を損ねてしまうこともあります。これがトラブルの原因となり、本人にとっては「なぜうまくいかないのか分からない」という混乱に繋がります。

身だしなみへの関心と周囲とのギャップ

中学生になると、身だしなみやファッションへの関心が急激に高まります。制服の着こなしや髪型、持ち物などを通して、自分らしさを表現しようとする子が増えてくるのです。

しかし、発達障害のある生徒の中には、感覚過敏の影響などで服装や髪型への関心が薄かったり、そもそも他者の目を気にするという意識が育ちにくい子もいます。その結果、「浮いてしまう」「からかわれる」など、本人が意図しない形で人間関係に影響を及ぼしてしまうことがあります。

「なぜみんながそんなに見た目を気にするのか分からない」という戸惑いと、「自分はなんだか違う」という孤独感。この2つが重なって、対人不安や自己否定感につながることもあります。

協調性と集団行動の壁

中学生になると、部活動、体育祭、文化祭など、大規模な集団行動に参加する機会が増えます。これらの活動では、「空気を読む力」や「他者との調整力」が求められます。

しかし、発達障害のある生徒は、こうした「場の流れ」に乗ることが難しいことがあります。自分の考えややり方を貫いてしまいがちで、集団全体の進行を妨げてしまったり、与えられた役割以上のことに手を出してしまうことも。

特に女子生徒の場合、情緒的な会話、いわゆる「女子トーク」にうまく溶け込めないことに悩むケースが少なくありません。「共感」や「空気を読む」ことが重要視される中で、会話の輪に入れず孤立してしまうケースもあります。

自立と自己管理における困りごと

計画的な学習が難しい

中学生になると、定期テストや宿題の量が増え、「自分で計画を立てて勉強する力」が求められます。高校受験を意識し始める時期でもあり、勉強の内容も量も一気に増加します。

しかし、発達障害のある生徒、とりわけADHD(注意欠如・多動症)傾向のある生徒は、「計画を立て、それを実行する」という行為自体が大きなハードルとなります。やる気があっても、何から始めていいか分からず、手が止まってしまう。結果として、学力不振や評価の低下が起こり、ますます自信を失ってしまう悪循環に陥ることもあります。

予定を忘れる/遅刻が増える

この時期になると、部活、塾、習い事、家の手伝いなど、日々のスケジュールが複雑になります。ところが、ADHD傾向が強い場合、スケジュール管理そのものが困難で、「予定を忘れる」「時間に間に合わない」といったトラブルが頻発します。

こうした問題は、単なる不注意ではなく「ワーキングメモリの弱さ」「時間感覚のズレ」など、脳の特性に由来するものであることが多くあります。そのため、何度注意しても改善しにくく、本人のストレスや対人関係の摩擦の原因になります。

指示の理解・記憶の難しさ

中学生になると、教師や大人からの指示は口頭で伝えられることが増えます。紙での配布や掲示が減り、「一度しか言われない」ような場面が増えてくるのです。

しかし、発達障害のある生徒は、口頭の指示を正確に聞き取ることが苦手だったり、聞いたそばから忘れてしまったりします。また、「どの指示が大事か」「どの順番でこなすべきか」といった優先順位の判断が難しいことも多く、結果的に「指示に従えていない」「ルールを守れていない」と誤解されることもあります。

大人の入り口で現れる“生きづらさ”

中学生の時期は、身体的にも思考的にも大人に近づいていく準備段階です。この時期には、小学生のころには見えなかった“生きづらさ”が表面化してくることがあります。

周囲と「同じようにできない」「何となくなじめない」という感覚は、子どもにとって非常に苦しいものです。しかし、そこで適切なサポートや理解があれば、それは将来につながる「気づき」となる可能性もあります。

例えば、スケジュール管理や自己管理といったスキルは、大人になってからも必要とされる重要な力です。社会人になってから困るのではなく、「中学生のうちに表面化させて、少しずつ練習していく」ことこそが、長期的な支援の鍵となります。

まとめ

困りごと 』は成長のチャンス

『 困りごと 』は成長のチャンス

発達障害のある中学生にとって、思春期のさまざまな変化は決して容易なものではありません。ですが、そこには「困りごと」を通じて、自分自身を知り、必要なサポートを受けながら成長していく機会も含まれています。

本人の特性に応じた支援や環境調整がなされれば、「できないこと」ではなく「できる方法を探す」ことができます。そしてそれは、本人が自信を持って未来を歩んでいくための大きな力になるのです。

子どもたちの「生きづらさ」を否定せず、むしろそれを理解し、支える環境が整うことで、中学生という重要な時期を豊かな成長のステップへと変えていけるのではないでしょうか。