発達障害のやりがちなナイトルーティンとおすすめの過ごし方【ADHDASD】

発達障害の人がやりがちなナイトルーティンとおすすめの夜の過ごし方【ADHD・ASD】

夜の過ごし方は、日中の生活の質や体調に大きく影響します。特に発達障害(ADHDやASD)の特性を持つ人にとっては、夜の時間の過ごし方に注意しないと、睡眠不足や生活リズムの乱れを引き起こしやすく、それが仕事や健康、心の安定にまで悪影響を及ぼすことがあります。

今回は、発達障害の人がやりがちなナイトルーティンを整理しつつ、睡眠不足によって起きやすい問題点、そしておすすめの夜の過ごし方や改善策について解説していきます。

発達障害の人がやりがちな夜の過ごし方

発達障害の人たちには、夜に特有の行動パターンが見られることがあります。以下に代表的な3つをご紹介します。

1. 寝る前のだらだらスマホ

SNSのチェックや動画視聴、ネットサーフィンなど、スマートフォンを使った「だらだら時間」を夜に過ごしてしまうことは、非常に多くの人が経験することかもしれませんが、特にADHD傾向のある方にとってはこれが深刻になりがちです。

ADHDの特性には「先延ばし癖」や「衝動性」があるため、「やらなければならないこと」を後回しにしがちで、つい夜になってから現実逃避的にスマホにのめり込んでしまいます。その結果、睡眠時間が削られ、翌日に悪影響を及ぼしてしまうのです。

2. 過集中で作業やゲームに没頭してしまう

2. 過集中で作業やゲームに没頭してしまう

ASDやADHDの方には「過集中」と呼ばれる状態がよく見られます。一度何かに集中してしまうと、他のことが全く目に入らず、時間の感覚すら忘れてしまうことがあります。

たとえば仕事の続きを夜遅くまでしてしまったり、ゲームや趣味に没頭して気づけば深夜になっていた…という経験がある人も多いでしょう。この「オンとオフの切り替えの難しさ」は、特に疲労感に鈍感な方にとっては睡眠時間を削ってまで続いてしまうため、健康を損ねやすいのです。

3. 深夜の衝動的な食事

ADHDの人は衝動性が強いため、「今、食べたい」という気持ちを抑えるのが難しい傾向があります。夜中にコンビニへ行ったり、気の済むまで食べてしまうことが珍しくありません。「何か食べていないと落ち着かない」という気持ちが強くなり、つい食べ過ぎてしまうこともあります。

また、ASDの人は「感覚の鈍さ」があり、満腹感が得にくいことがあります。しっかりと食べていても脳が「満腹」と感じにくいため、深夜にさらに食べてしまうという悪循環に陥ることもあります。

睡眠不足がもたらす仕事・健康・生活への悪影響

このようなナイトルーティンが続くことで、睡眠不足が慢性化し、さまざまな悪影響が生じます。ここでは主な3つのリスクについて見ていきます。

1. 日中の生産性・集中力の低下

睡眠が足りないと、日中の集中力や判断力、記憶力が著しく低下します。朝起きても疲れが抜けていない、仕事中にぼんやりしてしまう、判断ミスが増えるといった状態が続くと、パフォーマンスが大きく下がります。

ADHDの方はもともと集中力の波が激しい傾向がありますので、睡眠不足が加わるとその傾向がさらに強まり、ミスや不注意が顕著になります。

2. 肥満・体調不良・メンタル不調のリスク

睡眠不足は体にさまざまなダメージを与えます。慢性的な疲労感や倦怠感、頭痛、イライラなど、体調面だけでなく精神面にも悪影響を及ぼします。

さらに、睡眠不足がホルモンバランスに影響を及ぼし、「食欲を抑えるホルモン(レプチン)」が減少し、「食欲を増進させるホルモン(グレリン)」が増加するといった現象が知られています。これにより、夜中の過食が進み、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まります。

3. 生活リズムの乱れと負のスパイラル

毎晩寝る時間が遅くなっていくと、朝起きるのも辛くなり、生活リズムが崩れていきます。すると、昼間に寝てしまい夜眠れないという悪循環に陥ってしまい、どんどんリズムを立て直すのが難しくなります。

生活リズムが崩れると、自律神経のバランスが乱れ、ストレス耐性も低下します。不安やイライラが増し、さらに不眠や睡眠障害につながるという「負のスパイラル」に陥ってしまう危険性があります。

発達障害の人におすすめしたいナイトルーティン4選

ここからは、発達障害の特性に配慮しつつ、実践しやすいナイトルーティンの対策を4つご紹介します。

1. 入眠時間にアラームを設定する

「寝る時間になったらアラームを鳴らす」というシンプルな習慣を取り入れるだけでも、生活リズムの乱れを防ぐことができます。スマホやPCの使用に夢中になってしまいやすい方にとって、時間を知らせてくれる仕組みはとても有効です。

特に、ADHDの方にとって「外部からのきっかけ」は重要です。眠る時間の30分前や15分前にアラームを設定しておくことで、寝支度のスイッチが入りやすくなります。

2. 湯船にゆっくり浸かる

就寝の1時間前にぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、体の表面温度が上昇し、その後徐々に体の内部温度が下がっていきます。この体温の変化が、自然な眠気を促してくれるのです。

また、湯船に入ることでリラックス効果が高まり、自律神経のバランスも整いやすくなります。入浴によって血流やリンパの流れも促進され、体の緊張が和らぎ、心地よい睡眠へと導いてくれます。

3. ストレッチや瞑想を取り入れる

就寝前に軽いストレッチや深呼吸をしながら瞑想する時間を持つことで、心と体の緊張を解くことができます。特に深い呼吸に意識を向けることで、副交感神経が優位になり、眠りにつきやすい状態になります。

ASDの人は過剰に緊張したまま夜を迎えることが多いため、ストレッチや呼吸法によって身体感覚を整える時間を持つことは非常に効果的です。

4. その日の出来事をノートに書く

4. その日の出来事をノートに書く

「書くこと」は頭の中を整理する良い方法です。モヤモヤやイライラ、不安などを書き出すことで、それらを客観視でき、頭がすっきりします。

「今日あったよかったこと」「明日の予定」「やってよかったこと」など、ポジティブな内容も一緒に書いておくと、自己肯定感の向上や安心感にもつながります。心の中の整理整頓が、穏やかな眠りを呼び寄せてくれます。

おわりに

発達障害の人にとって、夜の過ごし方はその人の体調や生活の安定に直結します。ついスマホをいじってしまったり、作業に没頭しすぎてしまったり、深夜に食べ過ぎてしまうこともありますが、それが積み重なると大きなストレスや健康リスクにつながります。

ご紹介したようなナイトルーティンを日常に取り入れていくことで、少しずつ生活のリズムを整えていくことができます。自分に合った「心地よい夜時間」を持つことで、翌日が変わっていくはずです。少しずつ、できることから始めてみてください。