日々の生活や仕事、勉強において、「やる気を保ちたいのに、どうしても続かない」「始めた時はやる気満々だったのに、途中で失速してしまった」という経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
今回の記事では、「どうすればやる気を持続させることができるのか?」というテーマについて、科学的な観点から効果的な方法を3つご紹介いたします。いずれも今日からすぐに実践できる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
やる気を維持するために、まず真っ先に見直すべきなのが「睡眠」です。
実は、私たちが何かを継続するためには「意志の力」が欠かせません。そしてこの意志力の源が、脳の「前頭葉」と呼ばれる部位にあることが、近年の神経科学の研究で明らかになっています。前頭葉はおでこの奥にある脳の一部で、集中力や感情のコントロール、判断力なども司っています。
しかし、この前頭葉の働きを著しく低下させてしまう最大の要因が、「睡眠不足」なのです。
睡眠が不足して脳の覚醒度が下がると、前頭葉の機能が大きく落ち込み、それにともなって意志力も著しく低下します。その結果、始めたはずの習慣が続かなくなったり、やめたはずの悪習慣に再び手を出してしまう――こうした事態が頻繁に起こるのです。
では、どのくらいの睡眠時間が必要なのでしょうか。
アメリカ睡眠医学会によれば、成人に必要とされる最小限の睡眠時間は「7時間」とされています。6時間以下の睡眠は「短時間睡眠」と分類され、実際には多くの方にとって慢性的な睡眠不足にあたります。
理想的には7〜8時間、少なくとも7時間以上の睡眠を毎日確保することが、やる気を維持しやすい脳の状態を保つためには不可欠です。
忙しい日々の中でも、ぜひ睡眠時間を見直し、まずは“しっかり眠ること”から取り組んでみてください。

やる気と聞くと、どうしても「脳の中だけの問題」と思いがちですが、実は私たちの身体、特に筋肉はやる気や感情に密接に関係しています。
たとえば、背中の筋肉を思い出してみてください。背中を丸めて猫背になった状態で、「よし、やるぞ!」と気合いを入れても、どうにも気持ちが乗ってこないはずです。
一方で、背筋をしっかりと伸ばし、姿勢を正して深呼吸をしてみると、それだけで気分が少し上向きになる経験をしたことはありませんか?これは決して気のせいではなく、身体の姿勢が脳に影響を与えている明確な証拠なのです。
また、筋肉といえば「顔面の筋肉」も重要です。感情と表情には密接な関係があり、作り笑顔であっても、実際に口角を上げるだけで脳は「ポジティブな感情がある」と錯覚します。
有名な心理学の実験では、ストローをくわえてへの字口(不機嫌な顔)をさせたグループと、割り箸をくわえて口角が自然に上がるようにさせたグループで同じ漫画を読ませたところ、後者のグループの方が漫画を「より楽しく感じた」という結果が得られています。
つまり、笑顔という表情をつくることで、脳の中の感情やモチベーションの状態までも変えることができるのです。
気分が沈んだ時こそ、無理にでも姿勢を正し、顔に笑顔を浮かべてみてください。それだけで、やる気が回復するきっかけになるかもしれません。
3つ目のポイントは、「人を助けること」です。
やる気やモチベーションとは、突き詰めれば脳内で分泌される神経ホルモンや神経伝達物質の働きによって生まれます。特に、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、オキシトシンなどは、やる気の維持に深く関わっています。
そして注目すべきは、これらのホルモンは「誰かのために行動する」ときに特に多く分泌されるという点です。
たとえば、自分のために頑張ることも大切ですが、「家族のため」「友人のため」「社会のため」といったように、他者の存在を意識した目標設定をすることで、脳内ホルモンの分泌量が高まり、結果としてやる気が持続しやすくなるのです。
また、今の自分の行動が誰かのためになるとは思えない…という場合も心配いりません。
たとえ直接的な関係がなくても、ちょっとした親切を誰かに施すだけでも、やる気に必要なホルモンの分泌は促されます。
「落ちているゴミを拾う」「誰かに感謝を伝える」「困っている同僚を少し手伝う」――このような小さな行動でも十分です。そうした行動を通じて自分の脳を“やる気が出る状態”に導き、その後に本来の目的に立ち戻れば、自然と前向きな気持ちで取り組めるようになるでしょう。

今回は、「やる気を維持するための3つの方法」として、以下のポイントをご紹介しました。
どれも特別な道具や高いスキルを必要とせず、今日からすぐに始められるものばかりです。
「やる気が出ない」と感じた時、ぜひこれらの方法を思い出してみてください。自分自身の心と体を味方につけることで、きっとモチベーションを継続できるはずです。