【ストレス】発達障害の人がリフレッシュできる運動3選【ADHD・ASD】

発達障害の方におすすめしたい運動3選

~運動が苦手でも無理なく取り組める方法とは~

発達障害のある方の中には、運動に対して苦手意識を持っている方が少なくありません。体育の授業が苦手だった、団体競技でついていけなかった、運動をする場面で劣等感を抱いた――こうした体験があると、大人になってからも運動から距離を置いてしまう傾向が見られます。

しかし、運動は身体的な健康を保つだけでなく、精神面にも大きなメリットがあります。特にストレスを感じやすい発達障害の方にとって、適切な運動は日々の生活の質を向上させる重要な要素となります。

本記事では、なぜ発達障害の方が運動を苦手と感じやすいのか、そしてどのような運動が取り組みやすく、効果的なのかを詳しくご紹介します。

発達障害の方が運動不足になりやすい理由

1. 協調運動が苦手

発達障害の方の中には、「体をうまく使うのが難しい」と感じている方がいます。特に、手と足を同時に別々の動きをさせるような「協調運動」が苦手な傾向が見られます。これは、**発達性協調運動障害(DCD)**と呼ばれる状態と関係している場合があります。

DCDは、運動能力に著しい困難を抱える発達の障害であり、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)と併存するケースも多く報告されています。

また、空間認知の苦手さも影響します。例えば、ボールがどこに飛んでくるかを瞬時に判断して体を動かすといった運動は、目で見た情報を脳で処理して身体に指令を出す力が必要ですが、この一連の処理が苦手な方もいます。結果として、日常生活の中のちょっとした運動すらハードルが高く感じられてしまうのです。

2. 体幹をうまく使えない

2. 体幹をうまく使えない

発達障害のある方には、「筋肉の緊張が低い」「姿勢を維持するのが難しい」といった体の使いにくさを感じている方もいます。これには体幹の弱さ固有受容覚(自分の体の位置や動きを把握する感覚)の未発達が関係していると考えられます。

体幹がしっかりしていないと、座っている姿勢が崩れやすくなったり、立っているだけでも疲れてしまうことがあります。姿勢が悪くなることで、肩こりや腰痛などの慢性的な不調にもつながり、さらに運動が億劫になる――こうした悪循環に陥りやすくなってしまいます。

3. 運動そのものが嫌い

子どもの頃に運動でつまずいた経験があると、大人になっても「運動=苦痛」というイメージが残ってしまうことがあります。たとえ体力があっても、自分が苦手と感じていることに取り組むのは強いストレスになるため、できるだけ避けたくなるのは自然なことです。

特に発達障害のある方は、感覚過敏や集団行動の苦手さなどの特性から、運動の場そのものがストレス源になることもあります。そのため、苦手意識を払拭するには、無理なく少しずつ「できる」「続けられる」と感じられる成功体験を積み重ねることが重要です。

運動がもたらすメリット

身体的な健康の維持・増進

適度な運動を継続することは、心肺機能の向上免疫力の強化に役立ちます。これにより、風邪をひきにくくなったり、疲れにくくなるといった効果が期待できます。また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にもつながります。

特に、座りっぱなしの生活が続くと、血流が悪くなり代謝も落ちてしまいます。意識して体を動かすことは、健康な体を作るための基本でもあるのです。

精神面の安定とポジティブな気分

精神面の安定とポジティブな気分

運動には、気分を安定させる効果もあります。これは「運動療法」という分野でも注目されており、実際にうつ症状や不安症状の緩和に役立つという研究もあります。

運動によって交感神経が活性化し、心のスイッチが前向きな方向へと切り替わります。また、運動によって「できた!」という実感を持てると、自己肯定感の向上にもつながります。ストレス解消や睡眠の質の改善といった副次的な効果もあるため、生活全体の質が底上げされるのです。

なお、スポーツが苦手な方は、競技性のない、誰とも比べずに取り組める運動から始めることが推奨されます。

発達障害の方におすすめの運動3選

では、実際にどのような運動が発達障害のある方に向いているのでしょうか。ここでは、初心者でも無理なく始められる3つの運動方法をご紹介します。

1. 日常生活に軽い運動を取り入れる

「運動」と意気込まずに、生活の中に自然に体を動かす時間を組み込むのがポイントです。たとえば、以下のような方法があります。

  • エレベーターではなく階段を使う
  • バスを1駅分歩く
  • 掃除をちょっと丁寧に行う
  • 歯磨き中に軽く足踏みする

こうした小さな積み重ねが運動の習慣化につながり、「自分にもできる」という自信を育む土台となります。

2. 呼吸を意識しながらゆっくり筋トレ

筋力トレーニングは、激しいものでなくても効果があります。特におすすめなのが、「スロートレーニング」と呼ばれる方法です。これは、軽い負荷でも動作をゆっくり行うことで、筋肉への刺激を高める方法です。

  • ゆっくりとしたスクワット(10〜30回程度)
  • 椅子を使ったゆっくりな腕立て伏せ
  • 呼吸を整えながらの腹筋運動

自重トレーニング(器具を使わない筋トレ)は、自分のペースでできるので、負担も少なく続けやすい点が魅力です。

3. 朝晩のストレッチ

ストレッチは、筋肉をほぐし血流を良くする効果があります。とくに朝の目覚めや夜の就寝前に取り入れることで、体と心が整いやすくなります。

  • 首・肩・背中をゆっくり回す
  • 太ももやふくらはぎを20秒ほど伸ばす
  • 深呼吸をしながらリラックス

このようなストレッチは副交感神経を優位にし、眠りの質を高めたり、ストレスを軽減する作用もあります。無理のない範囲で、気持ちよく体を動かすことを意識しましょう。

最後に

発達障害のある方にとって、運動は決して簡単なことではないかもしれません。しかし、運動には身体と心を整える力があります。「苦手だからやらない」ではなく、「自分に合った形で取り組む」というスタンスで、無理のない一歩を踏み出してみてください。

日常生活の中にほんの少しの運動を取り入れるだけで、思わぬ効果を実感できるかもしれません。競う必要も、誰かと比べる必要もありません。自分のペースで、心地よく、楽しめる運動をぜひ見つけてください。