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このチャンネルでは、精神科医やカウンセラーが、私たちの生活に役立つメンタルヘルスの知識を丁寧にわかりやすくご紹介します。今回は、摂食障害という心の健康に関する重要なテーマについて、皆さんと一緒に考えていきましょう。

摂食障害とは
摂食障害には「神経性過食症」と「神経性やせ症」があります。これらはどちらも、食事や体重管理が極端になり、健康を脅かす状態を指します。たとえば、「神経性過食症」では、食欲のコントロールが難しくなり、過食の後に体重が増えるのを防ぐために嘔吐や下剤の乱用が行われることがあります。また、「神経性やせ症」は、体重が著しく減少してもなお「太ること」への強い恐怖心から、過食と嘔吐、または拒食を繰り返す状態です。このように、摂食障害はさまざまな不健康な食行動を伴う疾患です。
摂食障害の現状
日本では、摂食障害の患者数が年々増加しており、現在では約20万人とされています。特に思春期から30代の女性に多く見られますが、近年では男性にも広がっています。さらに、医療機関を受診しないケースも多く、摂食障害に苦しむ人が潜在的に増加していると考えられています。
摂食障害の原因と背景
多くの摂食障害は、ダイエットがきっかけで発症します。現代社会では「痩せていることが美しい」という価値観が広まっており、痩せるために無理な食事制限をすることで、食欲が制御できなくなる悪循環に陥るケースが少なくありません。過食嘔吐によって短期間で体重が減ることが喜びとなり、周囲からの「きれいになった」といった評価がさらなるモチベーションとなり、過食嘔吐の習慣が形成されてしまうのです。
また、性格的な要因も摂食障害に関与しています。完璧主義や負けず嫌い、感情コントロールが苦手な人は、摂食障害を発症しやすいと考えられています。これらの特徴を持つ人は、痩せることに対する執着が強くなりがちで、食事管理に執拗にこだわることが原因となるのです。
摂食障害と依存症の類似性
摂食障害の心理状態は、他の依存症とも似ている部分があります。過食行動はつらい気持ちの逃げ場として機能することが多く、食べることが一時的な心の安らぎになることもあります。しかし、過食による心の満足感は一時的であり、罪悪感が伴うことも多く、こうした悪循環が摂食障害を引き起こします。
摂食障害の治療方法
摂食障害の治療は、時間を要するものです。薬物治療では、完璧主義や脅迫的な考えを抑えるために、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる抗うつ剤が使われることがあります。日本で処方される主なSSRIには、レクサプロやジェイゾロフト、パキシルなどがありますが、すべての摂食障害に有効とは限りません。
加えて、認知行動療法(CBT)が治療の中心となっています。この治療法では、患者の体重や体形に対する歪んだ認識や、誤った食行動を修正することを目指します。平均的な治療期間は約5年とされ、再発や慢性化のリスクもあるため、長期的なサポートが不可欠です。

最後に
摂食障害はすぐに治るものではありませんが、焦らずゆっくりと、自分を大切にしながら治療に取り組むことが大切です。医師やカウンセラー、家族と一緒に、生活の質を高めていく努力を続けていきましょう。
以上が、今回のテーマ「摂食障害」に関する解説でした。