話し上手になる!結論から話すトレーニング

相手が本当に知りたいことから伝える「結論ファースト」の技術

「話がわかりやすい人」とは、どんな人でしょうか。言葉選びが丁寧な人でしょうか?それとも、話にユーモアがある人でしょうか?実は、聞き手が「この人の話は理解しやすい」と感じる最大の要因は、話の順序や構成にあります。

とりわけビジネスシーンにおいて重要なのは、「結論から話す」ことです。これは「結論ファースト」とも呼ばれ、相手が最も知りたいことを最初に伝える話し方です。このスキルを身につけることで、上司や取引先、同僚とのコミュニケーションが格段にスムーズになります。

本記事では、「結論ファースト」の考え方や実践方法、具体例を交えて、話し上手になるためのトレーニング方法をご紹介します。

なぜ「結論から話す」ことが大切なのか?

なぜ「結論から話す」ことが大切なのか?

人は誰しも、会話の中で「自分が一番知りたいこと」を最優先に聞きたいと思っています。
たとえば上司から「企画書はどこまでできてる?」と聞かれたとき、上司が求めているのは「現時点での完成度」や「完成予定の見込み」です。これに対して、詳細な経緯や作業内容を先に話し出すと、聞き手は「で、結局どこまでできたの?」という疑問を持ったまま、話を聞くことになります。

こうした「もどかしさ」は、信頼や評価にまで影響することがあります。聞き手のニーズを把握し、先回りして「結論から」伝えることができる人は、相手に安心感や信頼を与えることができるのです。

「結論ファースト」の基本構造

では、「結論から話す」とは具体的にどのような構成なのでしょうか。基本のフレームワークは以下の通りです。

  1. 結論(最も知りたいこと)
  2. 理由・背景(なぜそうなのか)
  3. 補足情報や今後の予定(必要に応じて)

この順番で話すことで、聞き手はまず「概要」を把握でき、その後の説明も理解しやすくなります。では、実際の会話例を見てみましょう。

【会話例1】上司からの進捗確認

【会話例1】上司からの進捗確認

上司:「企画書はどこまでできてる?」

NG例:
「企画書は商品紹介の仕方にちょっと難航していて、今8ページできています。あと2ページ作って、それからレイアウトを整えて…」

このように話し出すと、結論が見えにくく、上司としては「で、完成はいつ?」という疑問を持ち続けることになります。

改善例(結論ファースト):
「企画書は現在80%ほど完成しており、明日の17時には仕上がります。」

このように、まず現状の進捗と完成予定を伝えることで、上司は安心して話を聞くことができます。続けて、「商品紹介ページに少し時間がかかっているため、残り2ページと全体のレイアウト調整を進めています」と補足すれば、より具体的な説明もスムーズに伝わります。

【会話例2】商談の結果報告

【会話例2】商談の結果報告

上司:「〇〇商事の商談はどうだった?」

NG例:
「〇〇商事様にはすでに同業者が2社入っていて、10年以上のお付き合いがあるようです。担当の方は現状に満足されていて、今のところ新しい会社との取引は考えていないと…」

こちらも、上司としては「契約の可能性はあるのか?」が一番知りたい情報です。

改善例(結論ファースト):
「〇〇商事様との契約は、現時点では難しそうです。理由は、10年以上付き合いのある同業者が2社すでに入り込んでおり、新しい取引先を増やす予定がないとのことでした。今後は2ヶ月に1度訪問し、関係構築に努めたいと考えています。」

このように、最初に「難しい」と伝えることで、話の焦点がすぐに明確になり、その後の行動方針にも自然とつなげることができます。

結論ファーストを習得するトレーニング方法

「結論から話す」のスキルは、練習によって確実に上達します。以下のような方法で、日々トレーニングしてみましょう。

1. 日常会話でも意識する

「今日はどうだった?」と聞かれたら、「楽しかったよ」「少し疲れたかな」などの結論を先に伝え、その後に具体的な出来事を話すようにします。仕事以外でも使うことで、自然に身につけることができます。

2. メモに書き出す

2. メモに書き出す

報告や会話の練習として、次のように紙やスマホに書き出してみましょう。

  • 相手が知りたい「一番のポイント」は何か?
  • それに対する「結論」は何か?
  • その理由や背景は?
  • 次の行動や予定は?

このプロセスを数回繰り返すだけでも、話す内容が整理され、頭の中がクリアになります。

3. プレゼンや報告書でも活用する

「結論ファースト」は会話だけでなく、メールや資料作成、プレゼンテーションでも非常に有効です。冒頭に結論を提示することで、相手の注意を引き、その後の説明がより説得力を持ちます。

結論:「話し上手」は「結論上手」

「話し上手になりたい」と思ったとき、多くの人は語彙力や話題の面白さを求めがちですが、実はそれよりも大切なのは「構成力」です。とくにビジネスの場では、「何が言いたいのか」「今どうなっているのか」を明確に伝えられる人が、信頼される話し手になります。

「相手が一番聞きたいことは何か?」という視点を常に持ち、それに対する「結論」から話し始める――。このシンプルな習慣を意識するだけで、あなたの話し方は劇的に変わっていきます。

今日からぜひ、「結論ファースト」のトレーニングを始めてみてください。あなたの伝える力が、きっと一段と磨かれるはずです。