ビジネスマナー全体像と習得方法【育成担当者様 向け】

ビジネスマナー全体像と習得方法【育成担当者様 向け】

近年、職場におけるビジネスマナーの重要性が改めて見直されるようになってきました。特に新入社員や若手社員の育成において、ビジネスマナーは社会人としての基礎を築くうえで欠かせない要素です。

一方で、現場の育成担当者の方々からは「電話応対ができていない」「挨拶があいまい」「報連相がない」「言葉遣いが馴れ馴れしい」といった課題が多く寄せられています。こうした問題が現場で顕在化してしまうと、周囲との信頼関係に影響を及ぼし、業務の円滑な進行にも支障が出かねません。

そこで本記事では、ビジネスマナーの全体像とその習得方法について、育成担当者の皆さま向けにわかりやすく解説いたします。

ビジネスマナーに関する主な課題

ビジネスマナーに関する主な課題

まずは、職場でよく見られるビジネスマナーに関する課題を整理してみましょう。

  • 電話応対が不十分(声が小さい、言葉遣いが不適切、対応が遅いなど)
  • 挨拶ができていない(タイミング、声の大きさ、態度の問題)
  • 報告・連絡・相談(報連相)がない、または不十分
  • 言葉遣いがフランクすぎて上司や取引先に対して失礼にあたる

これらは単なる“マナー違反”というだけでなく、職場全体の信頼感や生産性に直接影響を与える要素です。

OJTによるその場での改善が効果的

これらの問題に対して、最も有効なのはOJT(On-the-Job Training)による即時フィードバックです。現場で実際の場面に遭遇したときに、何が良くなかったのか、どうすればよいのかをその場で指導することで、理解と定着が深まります。

例1:電話応対が苦手な場合

電話対応がうまくできていない社員に対しては、「3時間の電話応対研修」を設けることで、基礎を体系的に学ばせると同時に、ロールプレイングなどの実践を通じて自信をつけさせることができます。

例2:挨拶ができていない場合

挨拶が不十分である場合には、「1時間の挨拶研修」など短時間でもよいので、挨拶の意義、基本姿勢、タイミングなどを再確認させる時間を作ると、改善効果が高まります。

ビジネスマナー研修で重要なのは「学ぶ姿勢」

ビジネスマナー研修で重要なのは「学ぶ姿勢」

どれだけ研修プログラムを整えても、受講者自身が「自分ごと」として捉えていなければ、身につくまでには至りません。ビジネスマナーを「面倒くさいルール」として受け止めるのではなく、信頼を築くための道具と理解してもらうことが、育成の第一歩です。

そのためには、以下のようなビジネスマナーの全体像を整理し、段階的に習得していくことが効果的です。

ビジネスマナーの全体像と7つの要素

ビジネスマナーの全体像と7つの要素

1.身だしなみ

第一印象を左右する「見た目」は、ビジネスマナーの基本中の基本です。清潔感があるか、TPO(時・場所・場合)に合った服装かを確認し、相手に不快感を与えない装いを心がけましょう。見た目の乱れは、自己管理能力の低さと捉えられることもあります。

2.基本姿勢・動作

立ち方、座り方、歩き方、礼の仕方など、身体の動きにはその人の品格があらわれます。きびきびとした動作、背筋を伸ばした姿勢、丁寧なお辞儀などは、それだけで「この人は信頼できそうだ」と思わせる力があります。

3.言葉遣い

敬語の使い方、語尾の柔らかさ、相手への配慮が求められる場面は多々あります。「ご苦労さまです」ではなく「お疲れさまです」、「了解です」ではなく「かしこまりました」など、基本の言い換えを丁寧に学ぶことが必要です。

4.電話対応

声だけでやりとりする電話応対では、普段以上に丁寧さと正確さが求められます。正しい名乗り方、相手の名前の復唱、取次ぎの言葉、メモの取り方など、一連の流れを習得することで安心感を与えます。

5.訪問

社外への訪問時は、会社の“顔”としての振る舞いが求められます。訪問先での入室マナー、名刺交換の順序、コートの脱ぎ方・置き方など、細部にまで注意が必要です。事前の下調べも含めて、「準備ができているか」が問われます。

6.来客対応

逆に、来客を迎える側では、お茶の出し方、席への案内、応接マナーが重要になります。相手を気持ちよく迎えられるかどうかで、会社全体の印象が決まることもあります。笑顔と明るい声が基本です。

7.仕事の進め方(報連相)

ビジネスマナーとは対人マナーだけでなく、「報告・連絡・相談」を含めた仕事の基本行動も含まれます。進捗状況を適切に報告する、困ったときにすぐ相談する、関係者に正確な連絡を行うなど、信頼関係を構築するための重要なスキルです。

まとめ:育成担当者ができるサポートとは

まとめ:育成担当者ができるサポートとは

育成担当者として重要なのは、形式的なマナーを押しつけることではなく、「なぜそのマナーが必要なのか」を丁寧に伝え、本人が納得して行動できるように導くことです。

また、問題が起きたときだけでなく、良い行動が見られたときにもその場で褒めて伝えることで、ポジティブな学びにつながります。さらに、研修と現場の両方で繰り返し実践し、自然と身につくようにサポートすることが大切です。

ビジネスマナーは「一度学んで終わり」ではなく、日々の実践の中で磨かれていくものです。育成担当者として、社員一人ひとりの成長に寄り添い、社会人としての基盤を築く支援ができることは、企業全体の力につながります。

今一度、ビジネスマナーの基本に立ち返り、「伝える・見せる・共に学ぶ」姿勢で、育成に取り組んでいきましょう。