クレーム対応は、企業の信頼を左右する重要な業務の一つです。特に電話でのクレーム対応は、相手の表情や雰囲気が見えない分、言葉遣いや対応の一つ一つに細心の注意が求められます。中でも、一次対応の質はその後のトラブルの拡大や長期化を防ぐうえで極めて重要です。
本記事では、クレーム電話の一次対応で押さえるべき基本姿勢と、現場で役立つ具体的なトーク例をご紹介します。

クレームが発生したとき、多くの場合お客様は不安や不満を抱えて連絡をしてきます。そのため、最初の応対者の姿勢や言葉遣い一つで、お客様の感情は大きく変化します。
仮に最初の対応が不誠実だったり、無責任な印象を与えてしまうと、信頼の損失につながるだけでなく、「二次クレーム」としてより深刻な問題へと発展する可能性もあります。反対に、丁寧で誠実な初期対応をすることで、その場で解決しきれなくてもお客様に安心感を与えることができます。
一次対応者がすべき基本の対応ステップは以下の通りです。
1. 謝罪をする
まず何よりも、お客様のご不便や不快な思いに対して心から謝罪することが大切です。このとき、「何に対して謝っているのか」を明確に言葉にすることで、形だけではない誠意が伝わります。
例:
「ご不便をおかけし申し訳ございません。本日10時に伺う予定の担当者がまだ到着していないとのことでございますね。」
2. お話を丁寧に聴き、復唱する
お客様が話す内容はメモを取りながら、しっかりと聞きましょう。聞き取った内容は復唱し、間違いがないか確認することで、正確な対応につながります。
例:
「本日10時にパソコンの修理に伺う予定だったとのことですが、まだ担当者が来ていないというご連絡ですね。承知いたしました。」
3. 一旦電話を切って確認をする
その場で回答できない場合は、安易にあいまいな返答をせず、一度電話を切って確認を取ることが重要です。このとき、電話を切る前に自分の氏名を名乗り、折り返す時間の目安を伝えると、お客様も安心します。
例:
「担当者に確認して、こちらから折り返しお電話をいたします。恐縮ですが、10分ほどお時間をいただけますでしょうか。私、○○が承りました。」
4. 確認後、迅速に折り返し連絡をする
確認が取れたら、できる限り迅速にお客様に折り返します。その際も、まずはお詫びから入り、確認内容と今後の対応を明確に伝えることが大切です。

ここでは、実際の現場を想定した会話例を紹介します。具体的な言い回しや流れを参考にしてください。
【一次対応編】
担当者:
「お電話ありがとうございます。○○(会社名)の○○(名前)でございます。」
お客様:
「今日の10時にパソコンの修理をお願いしてたのに、担当者が来てないんだけど。どうなってるの?」
担当者:
「ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。本日10時にパソコン修理にお伺いする予定だったものの、まだ到着していないということでございますね。至急、担当者に確認のうえ、折り返しご連絡いたします。恐れ入りますが、10分ほどお待ちいただけますでしょうか。」
お客様:
「困ってるから、早く返事してほしいんだけど!」
担当者:
「承知いたしました。恐れ入りますが、会社名とお名前、ご連絡先をお伺いしてもよろしいでしょうか。」
お客様:
「○○(会社)の○○(名前)です。連絡先は〜です。」
担当者:
「ありがとうございます。復唱させていただきます。○○(会社)の○○様、ご連絡先は〜でお間違いないでしょうか?」
お客様:
「はい、そうです。」
担当者:
「かしこまりました。それでは、私○○が承りました。確認後、早急にご連絡いたします。失礼いたします。」
【折り返し対応編】
(折り返し電話)
対応者:
「お電話ありがとうございます。○○(会社)の○○でございます。」
お客様:
「お世話になります、○○(会社)の○○です。」
対応者:
「○○様、今お時間よろしいでしょうか?」
お客様:
「はい、いいですよ。」
対応者:
「ありがとうございます。先ほどのパソコン修理の件につきまして、誠に申し訳ございません。確認したところ、弊社の手違いにより予定が漏れていたことが判明いたしました。○○様のご都合がよろしければ、今から担当者を向かわせ、○時には到着できる見込みです。いかがでしょうか?」
クレーム電話の対応で最も大切なのは、「相手の立場に立って誠実に対応する」ことです。
これらを意識することで、お客様からの信頼を得ることができ、企業全体の印象改善にもつながります。
クレーム対応は決して避けたいものではなく、お客様の本音を知る貴重な機会でもあります。特に電話対応においては、一次対応の姿勢がその後の関係性を大きく左右します。
今回ご紹介した基本ステップとトーク例を参考に、現場での応対力を高め、トラブルの早期解決と信頼構築につなげていきましょう。