「あなたの部下はミスをしたことがありますか?」
きっと多くの方が「はい」と答えるのではないでしょうか。
人材育成を担う立場として、部下のミスにどう対応するかは非常に重要です。上司の対応次第で、部下のモチベーションは大きく変わり、信頼関係にも影響します。
怒ってばかりでは部下の成長を妨げ、逆にミスを繰り返す悪循環にもなりかねません。
そこで今回は、「部下のミスを防ぐ」ための基本と具体的な対策について、次の流れで詳しくお話しします。

「ヒューマンエラー」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
簡単にいうと、「人間が起こすミスや失敗」のことを指します。
実際、今まで一度もミスや失敗をしたことがない人はいないでしょう。私自身も多くの失敗を経験してきましたし、これまで新人研修などで数多くの受講者の方に尋ねても、誰一人「ミスをしたことがない」と答えた方はいませんでした。
人間は完璧ではありません。どんなに経験豊富なベテランでも、ヒューマンエラーを完全にゼロにすることは不可能です。
まずはこの「人は必ずミスをするもの」という前提をしっかり受け入れることが、育成のスタート地点です。

部下がミスをしたとき、つい「なんでこんなことをしたんだ」「どうして間違えたんだ」と個人を責めてしまうことはありませんか?
しかし、個人を責めるだけでは何も解決しません。責められると、人は自己防衛本能が働き、ミスを隠すようになります。
報告が遅れたり、正直に話せなくなったりすることで、さらにミスが重なり、上司からまた怒られる…という悪循環に陥ります。
大切なのは「責任追及型」ではなく、「原因追及型」の考え方です。
ヒューマンエラーの原因には、大きく分けて次の3つがあります。
部下のミスを防ぐには、個人だけに原因を求めるのではなく、これらの要因を見直し、組織として対策を講じることが大切です。

ヒューマンエラーは、大きく分けて次の2つのタイプがあります。
これは、誰にでも起こりうる「つい忘れてしまった」「気づかなかった」というミスです。
さらに細かく分けると、記憶エラー・認知エラー・判断エラー・行動エラーなどがあります。
「エビングハウスの忘却曲線」によると、人は覚えたことを放置すると急速に忘れますが、復習を繰り返すことで記憶の定着が促されます。
こちらは「分かってはいるけど、面倒だから省略した」「多分大丈夫だろう」と、意識的に手を抜いてしまうミスです。
チェックリストも、項目が多すぎると確認自体が面倒になり形骸化します。
続けるためには「シンプルで使いやすい」ことが何より重要です。

最後に、今回の内容をまとめます。
✅ 人は必ずミスをするもの
→ 完璧を求めるのではなく、ミスを前提に考える
✅ 責任追及型ではなく原因追及型
→ 個人を責めるのではなく、原因を見つけて改善する
✅ うっかり型・あえて型の両面から対策
→ 復習・メモ・休息・手順の簡素化など
✅ 組織でミス防止策を立て、情報共有する
→ 部下を守り、チームとして成長する
部下のミスは「叱って終わり」にせず、原因を一緒に考え、改善策を組織で共有することが最も効果的です。
あなた自身も「自分も同じミスをするかもしれない」と考え、チーム全体で支え合いながら、より良い職場づくりを目指していきましょう!