
ビジネスにおいて、電話応対は企業の印象を大きく左右する重要なコミュニケーションの一つです。特に、注文を受ける場面では、相手の要望を正確に理解し、誠意ある言葉遣いで対応することが求められます。
しかし、日常的に使う言い回しのまま電話応対をしてしまうと、知らず知らずのうちに相手に素っ気ない印象を与えたり、信頼感を損ねることがあります。
ここでは、「感じの良い電話応対」をテーマに、良くない例と改善例を比較しながら、より丁寧で好感を持たれる対応について解説します。

まずは、あまり良い印象を与えない電話応対の一例を見てみましょう。
例:
担当者「お電話ありがとうございます。○○(会社名)の○○でございます。」
お客様「いつもお世話になっております。○○(会社名)の○○と申します。」
担当者「○○(会社名)の○○様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております。」
お客様「早速ですが、前回と同じ物を10個注文お願いします。」
担当者「了解しました。前回と同じ物を10個ご注文ということですね。」
お客様「はい。明日に届くようにできますか?」
担当者「了解しました。まずは、在庫があるか見てみます。在庫があるようでしたら明日届くようにしておきます。なかったら、また電話します。」
お客様「はい、お願いいたします。」
担当者「お待たせしました。先程の件ですが、在庫がありませんでした。本日注文をしますので、届き次第お届けします。」
一見すると、注文内容を確認し、対応しているため問題がないように感じられるかもしれません。
しかし、ここにはいくつかの課題があります。

この例が「ビジネスに適していない」とされる理由は、言葉遣いや配慮の不足にあります。

次に、感じの良い電話応対の例を見てみましょう。
例:
担当者「お電話ありがとうございます。○○(会社名)の○○でございます。」
お客様「お世話になっております。○○(会社名)の○○と申します。」
担当者「○○(会社名)の○○様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております。」
お客様「早速ですが、前回と同じ物を10個注文お願いします。」
担当者「ありがとうございます、承知いたしました。前回と同じ○○を10個ご注文いただけるということでよろしいでしょうか。」
お客様「はい、明日届くようにできますか。」
担当者「承知いたしました。まずは在庫状況を確認いたします。在庫があるようでしたら明日お届けできるように手配いたします。万が一在庫がない場合は、折り返しご連絡を差し上げてもよろしいでしょうか。」
お客様「はい。お願いいたします。」
担当者「お待たせいたしました。申し訳ございません、○○ですが、あいにく在庫を切らしております。本日手配を進めますので、最短で○日にお届けとなりますが、よろしいでしょうか。」
この対応が好印象を与える理由は以下の点にあります。

感じの良い電話応対をするためには、単に敬語を使うだけでなく、相手の立場を思いやる姿勢が欠かせません。
以下に、注文対応時に意識しておきたいポイントをまとめます。
(1)相手の要望を正確に把握する
注文を受ける際には、商品名、数量、希望納期などの条件を必ず復唱して確認します。
「○○を10個、明日着でご注文ということでよろしいでしょうか」と、確認を怠らないことが重要です。
(2)適切な敬語を使う
「了解しました」は日常会話ではよく使われますが、取引先や顧客への応対では避けた方が無難です。
「承知いたしました」「かしこまりました」を基本としましょう。
(3)クッション言葉を活用する
相手をお待たせする際や、難しい提案をする際には「恐れ入りますが」「少々お待ちいただけますでしょうか」といったクッション言葉を挟むと、印象が柔らかくなります。
(4)迅速かつ正確な対応
在庫確認や納期調整はスピーディに行い、相手を長時間待たせない工夫が必要です。やむを得ず時間がかかる場合は、「お調べいたしますので、数分お時間をいただいてもよろしいでしょうか」と伝えると良いでしょう。
電話応対の最も大切なポイントは、「相手が何を求めているかを常に考える」ことです。
お客様は、注文をスムーズに受け付けてもらい、希望する納期で確実に商品が届くことを期待しています。そのため、担当者は以下のような意識を持つと良いでしょう。
電話応対は、企業と顧客をつなぐ重要な接点です。特に注文受付の場面では、
「了解しました」を「承知いたしました」に変えるだけでも、印象は大きく変わります。
今一度、日頃の電話対応を見直し、より感じの良い言い回しを心がけてみてはいかがでしょうか。