
現代の職場では、指示を待つだけでなく、自ら考え行動できる人材がますます求められています。その中でも「主体性」は特に重要な資質とされ、多くの企業や教育現場で注目されています。この記事では、部下の「主体性」を引き出し、高めていくための考え方と具体的な方法について、教育担当者様向けに丁寧に解説いたします。
「主体性」とは、自らの意志によって物事に取り組み、行動していく姿勢のことです。経済産業省が提唱する「社会人基礎力」の中でも、「前に踏み出す力(アクション)」の一要素として「主体性」が位置付けられており、「物事に進んで取り組む力」と定義されています。
これは単に仕事に前向きであるということではありません。自ら課題を見つけ、目的や目標を定め、行動へと移していく内発的なエネルギーのことを指します。

混同されがちな概念に「自主性」があります。主体性と自主性には、「自ら動く」という共通点がありますが、両者の違いは「目的や目標を誰が決めるか」にあります。
たとえば、会社で地元の飲食店をPRする雑誌を創刊するプロジェクトがあったとします。
つまり、主体性は「目標をつくるところから始める」ことが特徴であり、それにはより高い自律性と意識の高さが求められるのです。

教育担当者や管理職のなかには、無意識のうちに部下の主体性を妨げてしまっているケースがあります。以下のような関わり方は、部下の「自ら考える力」や「自ら動く力」を削ぐ原因になりかねません。
こうした行動を意識的に見直すことが、部下の主体性を引き出す第一歩です。

部下のなかには、なかなか主体性を持てずにいる人もいます。以下のような特徴が見られる場合、教育担当者の支援がより重要になります。
このような状態の背景には、自己効力感の低さや、失敗体験による萎縮、安心できる環境の欠如などがある場合もあります。
部下の主体性を高めるためには、上司・教育担当者の接し方が大きな影響を与えます。焦らず、継続的に関わることが成功の鍵です。以下の3つの視点でアプローチしてみましょう。
部下が困っていると、ついアドバイスや答えを与えたくなります。しかし、それでは思考の機会を奪ってしまいます。
「この問題について、あなたはどう思う?」「まずは自分で考えてみて」と声をかけ、自分の頭で考える習慣を促しましょう。多少時間がかかっても、成長のためには必要なプロセスです。
「失敗しても大丈夫」「意見を言っても受け入れてもらえる」という心理的安全性がある職場では、部下は安心して行動することができます。逆に、否定されたり責められたりする経験が重なると、自ら動く意欲は失われていきます。
上司として、チャレンジを評価する、失敗を責めない、プロセスに目を向けてフィードバックするなど、「挑戦していい空気」をつくりましょう。
部下が安心して主体的に行動できるようになるためには、「何かあったときは自分が責任をとる」という上司の姿勢が非常に重要です。
たとえば、「最終判断は私がするから、思い切ってやってごらん」「失敗してもいいよ、それも経験だから」といった言葉は、部下にとって大きな支えになります。

主体性を育てるためには、時間も手間もかかります。しかし、教育担当者として最も重要なのは、「部下の成長を信じて待つ姿勢」です。
これらを継続的に実践していくことで、部下は少しずつ自分で目的を考え、判断し、行動できるようになっていきます。主体性は、指示よりも信頼の中で育つものです。ぜひ、部下の可能性を信じて、成長を支えていってください。