部下の「主体性」を高める方法【教育担当者様向け】

部下の「主体性」を高める方法|教育担当者様向けの実践的アプローチ

部下の「主体性」を高める方法|教育担当者様向けの実践的アプローチ

現代の職場では、指示を待つだけでなく、自ら考え行動できる人材がますます求められています。その中でも「主体性」は特に重要な資質とされ、多くの企業や教育現場で注目されています。この記事では、部下の「主体性」を引き出し、高めていくための考え方と具体的な方法について、教育担当者様向けに丁寧に解説いたします。

主体性とは何か

「主体性」とは、自らの意志によって物事に取り組み、行動していく姿勢のことです。経済産業省が提唱する「社会人基礎力」の中でも、「前に踏み出す力(アクション)」の一要素として「主体性」が位置付けられており、「物事に進んで取り組む力」と定義されています。

これは単に仕事に前向きであるということではありません。自ら課題を見つけ、目的や目標を定め、行動へと移していく内発的なエネルギーのことを指します。

「主体性」と「自主性」の違い

目的や目標を自ら設定

混同されがちな概念に「自主性」があります。主体性と自主性には、「自ら動く」という共通点がありますが、両者の違いは「目的や目標を誰が決めるか」にあります。

  • 主体性:目的や目標を自ら設定し、その達成に向けて行動する
  • 自主性:あらかじめ設定された目的や目標に対し、自ら方法を考えて行動する

具体例で違いを理解する

たとえば、会社で地元の飲食店をPRする雑誌を創刊するプロジェクトがあったとします。

  • 主体性のある部下は、「掲載件数を100件にしよう」と自分で目標を立て、達成のためには「毎日20件の飲食店を訪問する必要がある」と自らスケジュールを考えます。
  • 自主性のある部下は、上司から「100件掲載を目指す」と目標を与えられ、その目標達成のためには何が必要かを自ら考え、「毎日20件訪問しよう」と行動を起こします。

つまり、主体性は「目標をつくるところから始める」ことが特徴であり、それにはより高い自律性と意識の高さが求められるのです。

部下の主体性を奪ってしまうNG行動6選

部下の主体性を奪ってしまうNG行動6選

教育担当者や管理職のなかには、無意識のうちに部下の主体性を妨げてしまっているケースがあります。以下のような関わり方は、部下の「自ら考える力」や「自ら動く力」を削ぐ原因になりかねません。

  1. 何でも教えてしまい、部下に考えさせない
     親切心からつい教えてしまいがちですが、思考の機会を奪ってしまいます。
  2. 自分がやったほうが早いと仕事を任せない
     結果として部下の成長の場がなくなり、責任感も育ちません。
  3. 必要以上に細かく口を出してしまう
     上司が管理しすぎると、部下は「どうせ決めるのは上司」と感じてしまいます。
  4. 部下の意見や行動を否定から入る
     発言の意欲や行動の意欲がそがれてしまいます。
  5. 自分の考えを押し付けてしまう
     指示通りに動くことが習慣化し、主体性が発揮されにくくなります。
  6. 部下の失敗を責める
     失敗を恐れて何もしない、という状態につながります。

こうした行動を意識的に見直すことが、部下の主体性を引き出す第一歩です。

主体性のない部下に見られる特徴

主体性のない部下に見られる特徴

部下のなかには、なかなか主体性を持てずにいる人もいます。以下のような特徴が見られる場合、教育担当者の支援がより重要になります。

  • 仕事に対して受け身である
  • 指示がないと動かない
  • 失敗を恐れて挑戦しない
  • 仕事の目的や意味を理解していない

このような状態の背景には、自己効力感の低さや、失敗体験による萎縮、安心できる環境の欠如などがある場合もあります。

主体性を高めるための3つの方法

部下の主体性を高めるためには、上司・教育担当者の接し方が大きな影響を与えます。焦らず、継続的に関わることが成功の鍵です。以下の3つの視点でアプローチしてみましょう。

1. 自分で考える機会をつくる

部下が困っていると、ついアドバイスや答えを与えたくなります。しかし、それでは思考の機会を奪ってしまいます。

「この問題について、あなたはどう思う?」「まずは自分で考えてみて」と声をかけ、自分の頭で考える習慣を促しましょう。多少時間がかかっても、成長のためには必要なプロセスです。

2. チャレンジできる環境を整える

「失敗しても大丈夫」「意見を言っても受け入れてもらえる」という心理的安全性がある職場では、部下は安心して行動することができます。逆に、否定されたり責められたりする経験が重なると、自ら動く意欲は失われていきます。

上司として、チャレンジを評価する、失敗を責めない、プロセスに目を向けてフィードバックするなど、「挑戦していい空気」をつくりましょう。

3. 「責任は上司がとる」と明言する

部下が安心して主体的に行動できるようになるためには、「何かあったときは自分が責任をとる」という上司の姿勢が非常に重要です。

たとえば、「最終判断は私がするから、思い切ってやってごらん」「失敗してもいいよ、それも経験だから」といった言葉は、部下にとって大きな支えになります。

まとめ|信じて任せることが育成の近道

まとめ|信じて任せることが育成の近道

主体性を育てるためには、時間も手間もかかります。しかし、教育担当者として最も重要なのは、「部下の成長を信じて待つ姿勢」です。

  • 自分で考える力を信じて、考える機会を与える
  • チャレンジを応援し、失敗を受け入れる
  • 責任は自分が取るという姿勢で安心感を与える

これらを継続的に実践していくことで、部下は少しずつ自分で目的を考え、判断し、行動できるようになっていきます。主体性は、指示よりも信頼の中で育つものです。ぜひ、部下の可能性を信じて、成長を支えていってください。