発達障害における「ぐるぐる思考」のつらさと対処法

発達障害、特に自閉スペクトラム症(ASD)を持つ方々に見られる「ぐるぐる思考」は、同じことを何度も繰り返し考える特徴があります。これは、一つの物事に対して謙虚に反省する姿勢や真面目さが表れている側面もありますが、反対に、日常的な出来事や良い思い出までもネガティブに解釈してしまい、自責や自己否定に繋がることが多いです。この記事では、ぐるぐる思考によって引き起こされるつらさやその原因、また効果的な対処法について考えていきます。
1. ぐるぐる思考の影響とは?
まず、ぐるぐる思考がどのようにして苦しい状況を生み出してしまうのかを見ていきましょう。発達障害を持つ方にとって、特にぐるぐる思考は「マイナス思考に陥りやすい」「自己肯定感が低くなりやすい」「過去の出来事にとらわれて悩みが続きやすい」という3つの特徴があります。これにより、気持ちが重くなり、精神的な負担が大きくなることがあるのです。
2. マイナス思考に陥りやすい
ぐるぐる思考を持つ方は、通常の出来事やポジティブな出来事さえもネガティブに捉え、自己反省を繰り返すことがあります。例えば、友人の悩みを聞いて励ました後で、「自分の発言が軽率だったのでは?」と考え直し、自分を責めてしまうケースです。何気ない「大変だったね」といった言葉でさえも、後から「もっと真剣に聞くべきだった」と自己批判し、楽しさや安心感が後悔や不安に変わってしまいます。さらには、過去の似たような体験まで掘り返して反省することもあります。このようにして、良かったはずの思い出までも苦い記憶としてすり替わってしまうのです。
対策: 事実と解釈を分けて考える
このようなマイナス思考から抜け出すために、「事実」と「解釈」を分けて考える習慣を持つことが有効です。できごとはただの「事実」であり、その受け止め方が「解釈」に過ぎません。自分がどのように解釈しているのかを見つめ直すと、意外に自己批判や不安は解釈に起因していることが多いと気付くことができます。
3. 自己肯定感が低くなりやすい
ぐるぐる思考により、日常の良い出来事さえもネガティブに捉えてしまうと、自己肯定感の低下につながります。マイナスに意識が向きやすいという癖がつくことで、「自分はいつも失敗している」「自分にできることは何もない」と感じやすくなり、自信のなさや不安が積もってしまいます。この状態が続くと、挑戦を避けたり、新しいことへの意欲が失われたりと、負のスパイラルに陥ってしまうことも多いです。
対策: プラスの視点を意識する
この思考パターンから抜け出すには、意識的にプラス面に目を向ける習慣を持つことが重要です。毎晩、感謝できることやその日に良かったことをノートに書き出すなど、ポジティブな視点を取り入れる工夫をしましょう。この小さな習慣が、自己肯定感を少しずつ回復させるのに役立ちます。
4. 過去にとらわれて悩みが続く

ぐるぐる思考はまた、過去の失敗を何度も思い返してしまう特徴もあります。たとえば、志望校に落ちた経験がある方が、何かうまくいかないことがあるたびに「あの時もっと頑張っていれば」と過去を悔やむ場面です。こうした考えにとらわれてしまうと、未来への意欲が失われ、前に進む力を失ってしまうことがあります。
対策: 他者の視点を取り入れる
この悩みを軽減するためには、他者の視点を取り入れるのが効果的です。自分だけで考えていると、過去の失敗に縛られたままで、別の見方ができなくなってしまいがちです。信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうことで、自分では気づかなかった新しい視点やアドバイスをもらうことができるでしょう。自分の悩みを異なる角度から見ることで、未来に対する希望が見えてきます。
5. ASD特有の特性とぐるぐる思考の関係
ASDを持つ方には「シングルフォーカス」と呼ばれる特徴があり、多くの情報があっても特定の事柄に集中してしまう傾向があります。また、ASDの方に見られる「想像性」の特性により、一つの事柄を多角的に見ることが難しくなり、解決策が浮かばないときには他の視点を取り入れることが困難になることもあります。これにより、同じ悩みを何度も考え続けてしまう「ぐるぐる思考」が起きやすいのです。
6. まとめ:明るい未来に向けての一歩
ぐるぐる思考は、ASDの方が持つ特有の思考パターンですが、それにとらわれすぎず、少しずつ自分を楽にしていくことが重要です。事実と解釈を分ける、自分を肯定する習慣を持つ、他者の視点を取り入れるといった方法でぐるぐる思考を和らげることが可能です。
ぐるぐる思考に悩むときは、今ここでできる一歩を実践し、過去に縛られず、未来を見据えて少しずつ前向きになりましょう。
発達障害における「ぐるぐる思考」に悩む方へ、この記事が少しでも明るい気持ちに繋がるきっかけとなれば幸いです。