
ビジネスシーンにおいて「報・連・相(報告・連絡・相談)」は、組織で円滑に業務を進めるための基本的なコミュニケーションの柱となります。今回はその中でも「報告」に焦点を当てて、特に新入社員や若手社員の皆さんが知っておくべきポイントをご紹介いたします。

報告とは、業務の進捗状況、結果、問題点、改善提案などを、業務を指示した上司や関係者に伝える行為を指します。単なる情報の伝達ではなく、上司やチーム全体に「今、何が起きているのか」「何が完了したのか」「何を判断してもらいたいのか」などを正確に知らせることが求められます。
報告が適切に行われることで、業務のミスを未然に防ぐことができ、的確な指示を受けることが可能となり、結果としてチーム全体の生産性向上にもつながります。

例:「企画書の作成が完了しました。ご確認をお願いいたします。」
例:「企画書の作成は現在50%の進捗です。明日の11時までに完成予定です。」
例:「以前ご相談した見積書について、お客様から正式に契約をいただきました。」
例:「納期が遅れたことで、お客様からクレームをいただきました。現在、対応策を検討しております。」
特に新入社員のうちは、「これは報告するべきだろうか」と判断に迷うこともあるかもしれません。そのような場合は、“迷ったら報告する”という姿勢を持ちましょう。報告を怠ることで後から問題が大きくなるよりも、早めに共有することが信頼につながります。
報告の質を高めるためには、5つのキーワード「かきくけこ」を意識することが重要です。それぞれの頭文字には、報告を円滑に進めるためのコツが込められています。
報告の第一歩は、「簡潔さ」と「分かりやすさ」です。
上司は日々多忙であり、詳細な情報よりもまずは要点を押さえた報告を求めています。
悪い例:あれこれと詳細を最初に話し、結局何が言いたいのか伝わらない。
良い例:「〇〇が完了しました。本日中に納品予定です。」など、一文で要点を伝える。
報告は「聞かれてから」ではなく「自ら進んで」行うのが理想です。
上司に尋ねられる前に報告を行うことで、主体性と信頼感が高まります。
特に緊急度の高い報告は、上司が忙しい場合でもタイミングを工夫して伝えるようにしましょう。
緊急時の報告例
「お忙しいところ恐れ入ります。至急のご報告がございます。」
「移動中に恐縮ですが、チャットに要点をお送りしましたのでご確認いただけますでしょうか。」
報告内容の中で、「事実」「意見」「推測」を明確に区別することは非常に大切です。
混同してしまうと、聞き手が状況を誤解し、誤った判断を下す恐れがあります。
悪い例(区別が不明確)
「お客様からパソコンが調子悪いと言われました。たぶん点検した方がいいと思います。」
良い例(区別が明確)
「本日、お客様から『パソコンの調子が悪い』とのご連絡がありました。(事実)
私の意見ですが、業務効率に影響が出る可能性があるため、明日点検に伺った方が良いかと考えています。(意見)」
ビジネスでは「結論ファースト」が鉄則です。
上司が最も知りたいのは“何が起こったか”という結果や結論です。その後に背景や補足を加えることで、報告がよりスムーズになります。
報告例
「昨日の営業会議に関するご報告です。結論から申し上げますと、顧客リストの作成が決定され、私が担当することになりました。具体的には…(補足説明)」
報告は、上司やチームメンバーと信頼関係を築く上で、大切なコミュニケーションのひとつです。
報告の後には、質問を受けたり、フィードバックを求めたりする姿勢を持ちましょう。
また、報告は組織内での意思疎通を円滑にする手段でもあります。上司だけでなく、関係部署やメンバー同士でも必要な報告を行うことが求められます。

「かきくけこ」で報告上手に
報告は、ただ情報を伝えるだけではなく、信頼を築き、チームの成果に貢献する大切なスキルです。「かきくけこ」の5つのポイントを意識して日々の業務に取り組むことで、上司や同僚との信頼関係が深まり、より良い職場環境の実現にもつながります。
新人のうちは失敗してしまうこともあるかもしれませんが、報告を重ねることで自然と「伝え方」のコツが身についていきます。恐れずに、丁寧に、誠実に報告を行うことを心がけましょう。