1on1ミーティングの目的と進め方

1on1ミーティングの目的と進め方|部下の成長と組織力向上を目指して

近年、日本の多くの企業でも導入されている「1on1(ワンオンワン)ミーティング」。これは、上司と部下が定期的に一対一で行う面談のことを指します。アメリカのシリコンバレーでは以前から日常的に行われているコミュニケーション手法であり、GoogleやFacebookといったグローバル企業での導入実績を背景に、日本でもYahoo! JAPANをはじめとした多数の企業が積極的に取り入れています。

本記事では、1on1ミーティングの基本的な目的、得られるメリット、具体的な進め方まで、丁寧にご紹介します。

1on1ミーティングとは何か?

1on1ミーティングとは何か?

1on1ミーティングとは、上司と部下が一対一で行う定期的な対話の場です。通常の業務報告や会議とは異なり、あくまで部下を中心としたミーティングであり、部下が自由に話せることが特徴です。

特徴的な4つのポイント

  1. 定期的に実施される
     週に1回、あるいは月に1回など、短いスパンで定期的に行われることが理想です。継続的なコミュニケーションによって、部下の小さな変化にも気づきやすくなります。
  2. 所要時間は30分程度
     一回のミーティングは約30分程度が基本です。長すぎず、短すぎず、集中して話すのに適した時間とされています。
  3. 話す内容に制限がない
     業務に関することに限らず、プライベートや健康状態、人間関係、キャリアの悩みなど、話題は自由です。部下が今気になっていること、話したいことを率直に話せる場であることが重要です。
  4. 上司は「聞き手」に徹する
     このミーティングでは、上司が話すのではなく「聞く」ことが求められます。部下が主役であり、上司は傾聴する姿勢を持つことが成功の鍵となります。

1on1ミーティングの主な目的

1on1ミーティングの主な目的

1on1ミーティングの最大の目的は、「部下の成長を促進すること」です。

業務の成功体験や失敗体験、現在直面している課題や悩み、今後挑戦してみたいことなど、部下自身の思いや考えを共有することで、上司は部下の状況をより深く理解できるようになります。

相互理解が深まることで、業務における適切な支援が可能となり、結果として部下の能力開発やモチベーション向上につながるのです。

1on1ミーティングのメリット

1on1ミーティングのメリット

1. 部下の成長スピードが加速する

部下が安心して話せる場があることで、普段は言い出しにくい悩みや課題も共有しやすくなります。これにより、上司は部下が何につまずいているのかを把握し、的確なフィードバックやアドバイスができるようになります。結果として、部下の成長速度が速まり、パフォーマンスの向上にもつながります。

2. 社内コミュニケーションの改善

定期的な1on1を通じて、上司と部下の信頼関係が深まります。信頼関係が醸成されることで、他のチームメンバーとのコミュニケーションも円滑になり、組織全体の風通しが良くなっていきます。

3. 離職率の低下と定着率の向上

コロナ禍以降、在宅勤務の増加などにより、上司と部下の関係が希薄になったと感じている企業は少なくありません。ある調査によれば、「上司が自分に関心を持ってくれない」「意見を尊重してくれない」といった理由から会社を離れる社員が、離職者全体の75%にも及ぶというデータがあります。

1on1ミーティングを通じて、部下の話に耳を傾け、意見を尊重する姿勢を見せることで、部下の会社や上司に対する信頼・愛着(エンゲージメント)が高まり、結果として離職率の低下、定着率の向上につながるのです。

よく扱われるテーマ例

1on1ミーティングでは、以下のようなテーマがよく話題にあがります。

  • 最近の仕事での成功体験・失敗体験
  • 現在抱えている仕事の悩み
  • 健康状態やメンタルの調子
  • プライベートでの出来事(希望があれば)
  • 職場の人間関係に関する相談
  • キャリアや将来の目標について
  • 目標に対する進捗状況
  • 組織やチームに対する疑問・改善点
  • 今後挑戦してみたいこと

部下が話しやすい雰囲気をつくることが、これらのテーマについて率直に話すための第一歩です。

1on1ミーティングの進め方(7ステップ)

効果的な1on1ミーティングを行うためには、以下のステップを意識すると良いでしょう。

1. 日時と場所の確定

まずは、定期的に時間を確保しましょう。オンラインでも対面でも構いませんが、集中できる静かな環境が理想です。

2. 事前準備

部下は、自分が話したいテーマやトピックを事前に整理し、必要であれば上司に共有します。上司も過去のミーティング内容を振り返りながら準備しておくと、より深い対話が可能になります。

3. アイスブレイク

いきなり本題に入るのではなく、軽い雑談や近況報告などで緊張を和らげましょう。リラックスした雰囲気が対話の質を高めます。

4. 面談の目的を伝える

「今日は〇〇の状況を聞かせてもらいたいと思っています」といったように、ミーティングの軸を明確にすることで、会話がぶれずに進みます。

5. 部下の話を傾聴する

最も重要なステップです。部下の話をさえぎらず、共感しながら聞くことを心がけましょう。必要に応じて問いかけを行い、話を深掘りします。

6. ミーティングのまとめ

最後に、話し合った内容を簡潔に整理し、「次回までにやること」や「フォローすべき課題」などを確認しておきます。

7. 記録に残す

ミーティングの内容は簡単に記録を残しておきましょう。記録があることで、次回以降のミーティングの質が向上しますし、振り返りや評価にも役立ちます。

おわりに

おわりに

1on1ミーティングは、単なる会話の場ではなく、部下の成長と組織の活性化を同時に実現できる非常に有効な仕組みです。上司が「聞く力」を発揮し、部下が「安心して話せる場」をつくることが、成功のカギとなります。

継続的に取り組むことで、信頼関係が強まり、業務上の成果だけでなく、職場の雰囲気そのものも向上していくでしょう。明日からでも始められる実践的な取り組みとして、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。