職場での報告・連絡・相談、あるいは会議やプレゼン、顧客対応など、ビジネスのあらゆる場面において「伝える力」は欠かせません。しかし、いくら丁寧に話しているつもりでも、「話がわかりにくい」「何を伝えたいのか分からない」と言われてしまう人も少なくありません。
そこで今回は、「伝え方が上手な人」が実践している3つのコツを紹介しながら、分かりやすく相手に伝えるためのポイントをお伝えします。話し方を少し工夫するだけで、あなたの伝える力は大きく向上します。

伝え方が上手な人に共通しているのは、「自分の言いたいこと」ではなく、「相手にどう伝わるか」に意識を向けている点です。伝わらない話し方をする人は、自分が理解している言葉や論理だけで話を進めてしまいがちです。しかし、それでは相手の理解が追いつかず、結果的に「伝わらない」コミュニケーションになってしまいます。
たとえば、あなたがいくら詳しい専門知識を持っていても、それを専門用語ばかりで説明してしまえば、相手は置いてきぼりになります。大切なのは、「相手が理解できる言葉」を選ぶことです。これが「共通言語で話す」ということです。

① カタカナビジネス用語
最近は「アサインする」「コンセンサスを得る」「ペンディングにする」など、カタカナ語を多用する傾向がありますが、すべての人が意味を理解しているわけではありません。カタカナ語は、かえって混乱を招くことがあります。
例:
NG:「このタスク、○○さんにアサインしておいてください」
OK:「この仕事、○○さんに担当してもらってください」
② 方言
親しみやすさはありますが、職場にはさまざまな地域出身の人がいます。意味が通じない、誤解される可能性もあるため、基本的には標準語を使うように心がけましょう。
③ 専門用語
特定の業界や部署内でしか通じない用語も、相手が知らない場合には避けるべきです。特に社外の人や新人社員に対して話すときは注意が必要です。
分かりやすく伝えるためには、「話す前の準備」がとても重要です。話す内容を自分自身がしっかり理解していなければ、当然ながら相手にも正確に伝わりません。
話す前に考えておくべきポイント
たとえば、上司に報告をする前、顧客に電話をかける前、あるいは商品説明をする前には、頭の中でシミュレーションをしておくと良いでしょう。話の組み立てを事前に考えるだけで、言葉に説得力が生まれますし、無駄な説明を省くこともできます。
話の順序も、伝わりやすさに大きく影響します。特に効果的なのが、「最初に全体像を伝え、そのあとに詳細を説明する」という方法です。これは「ホールパート法」とも呼ばれ、話す内容が複数あるときにとても有効な話法です。
ホールパート法の具体例
NGな伝え方(順序がバラバラ)
「これから準備を始めます。最初の10分で役割分担をして、最後の20分で確認します。買い出しは2名、セッティングは4名でお願いします。ということで、経営計画発表会の準備を2時間でお願いします。」
→いきなり細部の説明が入ってくるため、聞いている側は全体像がつかめず、混乱しやすくなります。
OKな伝え方(全体像→部分の順)
「これから、2時間以内に6名で経営計画発表会の準備を行います。2時間のうち、最初の10分は役割分担、最後の20分は全員で確認作業を行います。具体的には、2名が買い出し、4名が会場のセッティングを担当します。ということで、2時間後までに準備を完了させましょう。」
→最初に目的や全体の枠組みが提示されているため、聞く人は安心して話の詳細に耳を傾けることができます。

伝え方が上手な人は、「何を話すか」だけでなく「どう話すか」にも心を配っています。共通言語で話す、話す前に内容を整理する、全体から詳細へ順序立てて説明する――こうした小さな工夫の積み重ねが、相手に伝わる話し方へとつながります。
相手に伝えるというのは、ただ言葉を並べることではありません。相手が理解できるように、わかりやすく、噛み砕いて、順序よく伝える――それが本当の「伝える力」です。
今日から少しずつでも、「伝え方」に意識を向けてみませんか?
それだけで、職場での信頼や成果にもきっと良い変化が現れるはずです。