新入社員の早期戦力化を目指すうえで、「個人目標の設定」は非常に重要です。明確な目標があることで、新人自身が自ら考え、成長に向けて行動する意欲を高めることができます。本記事では、新人教育において個人目標を設定する理由、指導すべきポイント、目標設定の注意点、そして成功するための具体的な方法を、教育担当者向けに丁寧に解説します。

まず、新入社員に個人目標を持たせる理由について確認しておきましょう。主な理由は次の二つです。
1. 成長の方向性が定まる
新入社員は業務にまだ不慣れであり、自分が何をすべきか、どこに向かって努力すればよいのかが分からない状態です。明確な個人目標を設定することで、日々の行動が目的に結びつきやすくなり、自己成長の道筋が見えやすくなります。
2. 未来志向でモチベーションが高まる
目標があると、自分が「今何をするべきか」が明確になります。未来を見据えた目標設定は、日々の業務を単なる作業ではなく、自身のキャリアに向けたステップとして捉える意識につながります。その結果、モチベーションも高まり、自律的に学ぼうとする姿勢が育ちやすくなります。

個人目標を効果的に活用するには、単に目標を与えるだけでなく、目標達成に向けた意識づけや行動の習慣化が必要です。以下の4点を意識して指導を行いましょう。
1. 正しい目標設定の仕方を教える
新入社員は、目標設定の経験が少ないため、漠然とした内容や非現実的な目標を立てがちです。まずは、目標は「具体的であること」「達成可能であること」が大切であることを伝えましょう。
2. 報告・連絡・相談(報連相)の大切さを教える
目標に向けて行動していく過程では、定期的に進捗を共有することが欠かせません。報連相は業務の基本であり、目標の達成度を可視化するためにも重要です。日々の振り返りや結果報告を通して、上司や先輩がサポートしやすくなります。
3. PDCAを回す習慣を身につける
目標は立てて終わりではなく、計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)のサイクルを意識して回すことが大切です。日々の行動を記録し、定期的に見直すことで、自分の課題や成果を客観的に把握する力が育ちます。
4. 目標達成に必要な行動と意識を定着させる
目標は結果だけでなく、そこに至るまでの「プロセス」も重視すべきです。努力した過程を評価することで、成果が出なかった場合でも学びが得られます。小さな成功体験を積み重ねることで、自信と成長意欲が育っていきます。
教育担当者として、新人のやる気を引き出す目標設定を支援するには、以下の3点に注意することが必要です。
1. 目標設定の「目的」を伝える
目標を設定する意味をしっかりと伝えることが第一歩です。単なる業務ノルマではなく、「自分の成長のために必要な目標」であると理解できれば、新人も前向きに取り組めるようになります。
2. 目標や方法を押しつけない
上司や先輩が一方的に目標を押し付けてしまうと、「やらされ感」が強まり、モチベーションが下がってしまいます。新人自身の意見を聞きながら、上司の期待とのバランスを取りつつ、納得感のある目標を一緒に作ることが重要です。
3. やる気を引き出す目標にする
目標は、「こうなってほしい(会社側の期待)」と「こうなりたい(本人の希望)」のすり合わせがカギとなります。本人が納得し、自らの成長イメージを描けるような目標であれば、日々の業務への取り組み方も変わってきます。

効果的な目標設定のためには、世界中で使われている「SMARTの法則」を活用することをおすすめします。

以下は、実際に使える目標設定の一例です。
このように、目標、行動、期限、評価を一体化させた計画を立てることで、新人も取り組みやすくなり、成果につながりやすくなります。
新入社員の目標設定は、単なる数値目標ではなく、成長を後押しするための「道しるべ」です。教育担当者は、正しい導きと伴走によって、目標設定を成長の原動力へと昇華させる役割を担っています。
一人ひとりの目標が明確になれば、組織全体としての一体感や成果も自然と高まります。ぜひ今回ご紹介した内容を、新人教育の現場で活用してみてください。