【注意】発達障害はSNSで悪化します。【ADHDASD】

【注意喚起】発達障害の方にとってSNSは悪影響となることも ~安全に利用するためのポイント~

近年、SNSは私たちの生活に深く根ざし、日常的なコミュニケーションや情報収集の手段として広く活用されています。X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、TikTokなど、あらゆる世代に浸透し、便利さや楽しさを提供する一方で、その使い方によっては心の健康に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。

特に、発達障害(ADHDやASDなど)の特性を持つ方にとっては、SNSの利用が想定以上にストレスや不安の原因になることが少なくありません。本記事では、SNSが発達障害の方に与えうるリスクと、その上で安心して利用するための具体的な対策について解説します。

SNSが発達障害の方に与える3つの悪影響

1. メンタルヘルスの悪化

SNSは非常に多くの情報が飛び交う場であり、その中には誹謗中傷や心ないコメントも含まれます。特に発達障害をテーマとする投稿に対しては、無理解や偏見に基づく否定的な意見が寄せられることもあり、それを目にすることで強いダメージを受けることがあります。

たとえば、何気ないコメントがきっかけで「自分を否定された」と感じたり、「自分はここにいていいのか」と不安になる方もいます。こうしたストレスは、時間の経過とともに自己肯定感を低下させ、うつ症状へとつながるケースもあります。

実際、海外の研究では、SNSの利用頻度が高い人は、そうでない人に比べてうつ病の発症リスクが2.7倍に高まるという報告があります。これは特に、他人との比較に敏感だったり、感情のコントロールが難しい傾向を持つ方には重大な警鐘といえるでしょう。

2. 承認欲求とSNS依存

2. 承認欲求とSNS依存

「いいね」やフォロワーの数が“自分の価値”だと感じてしまう傾向は、多くのSNSユーザーに共通する課題ですが、特に発達障害のある方はこの“承認”に過敏に反応しやすい傾向があります。

たとえば、日常生活で他人に認められる経験が少なかった方が、SNS上の反応で一時的な満足感を得ると、その感覚が強化され、無意識に「もっと評価されたい」と感じるようになります。しかし、フォロワーが増えない、いいねが少ない、といった現実に直面すると、「自分は認められていない」と落ち込みや不安が増していくのです。

このような状態は、SNS依存とも結びつき、日常生活に支障をきたすこともあります。SNSの使用時間が長くなりすぎて睡眠不足に陥ったり、集中力が低下したりすることは、発達障害のある方にとって大きな負担となります。

3. 詐欺や個人情報の漏洩リスク

3. 詐欺や個人情報の漏洩リスク

近年、SNSを悪用した詐欺行為も増加しています。特にMeta社(旧Facebook)などで見られる「著名人になりすました投資詐欺広告」や、「恋愛感情を利用したロマンス詐欺」などが問題視されています。

ASDやADHDの方の中には、「他人の言葉をそのまま信じやすい」「判断が直感的になりやすい」といった傾向があるため、こうした詐欺に巻き込まれるリスクが高くなりやすいと考えられます。

また、個人情報の取り扱いにも注意が必要です。投稿の中でうっかり名前や住所、電話番号などの個人情報を公開してしまうと、トラブルの原因になります。「どこまでが公開していい情報か」という線引きが曖昧になりやすい方もいるため、あらかじめガイドラインを決めておくことが大切です。

SNSを安心して利用するための3つの対策

SNSを安心して利用するための3つの対策

対策①:利用時間を制限する

SNSとの距離をうまく取るために、使用時間の制限は非常に効果的です。ある海外研究では、SNSの平均利用時間が61分という中で、これを半分(約30分)に減らすだけでもメンタルヘルスが改善されたという報告があります。

具体的には、スマートフォンの「スクリーンタイム」機能や、アプリの使用時間を管理するタイマーアプリなどを活用するのがおすすめです。また、通知をオフにすることで、「常に気にしなければ」という意識から自分を解放し、必要な時だけアクセスするというメリハリをつけることができます。

対策②:フォローするアカウントを厳選する

SNSは、自分が何を“見るか”によって大きく影響が変わります。自分にとって不快な内容やストレスの原因となるアカウントは、ミュートやブロック機能を活用して見えないようにしましょう。

また、直接の知り合いでない人の投稿に過剰に反応したり、コメントを気にしすぎることでストレスが蓄積することもあります。そのため、面識のない人との接触は極力避けることが望ましいです。日頃から前向きな投稿をしているアカウントや、自分にとって安心感を与えてくれる人のみをフォロー対象とするのも良い方法です。

対策③:自分だけのガイドラインをつくる

SNSを安全に使い続けるためには、自分なりのルールや判断基準(ガイドライン)をあらかじめ明確にしておくことが大切です。

  • 名前・住所・電話番号などの個人が特定される情報は投稿しない
  • 顔写真の公開には慎重になる(価値観が分かれるため)
  • プライバシー設定を活用して、投稿の公開範囲を制限する
  • 他人の情報を載せる際には、必ず本人の許可を得る

このように「何をしていいか」「何をしてはいけないか」の境界を自分の中で整理することで、不安やトラブルを減らすことができます。線引きが難しいと感じるときは、信頼できる人に相談する。

おわりに

SNSはうまく使えば便利で楽しいツールですが、無自覚な使い方をしていると、メンタルヘルスや人間関係に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に発達障害のある方にとっては、自分の特性を理解し、それに合ったSNSとの付き合い方を考えることが重要です。

「無理して付き合わなくてもいい」「必要なときだけ見る」「心地よい範囲で使う」——そんな柔軟な姿勢で、安心してSNSを活用していけるよう、日々の使い方を見直してみてはいかがでしょうか。