冬場や肌寒い季節、お客様のもとへ訪問する際にはコートを着て行くことが多くなります。しかし、いざ訪問先に着いてから「このコート、どこで脱いだらいいだろう?」「たたみ方や置き方って合っているのかな?」と戸惑った経験はありませんか?
実は、コートの扱い方にもきちんとしたビジネスマナーがあります。身だしなみと同様に、コートの取り扱いも相手への礼儀を示す重要な要素です。今回は、訪問時にスマートにふるまえるよう、コートの扱い方に関するマナーを4つのポイントに分けて解説します。相手に不快な印象を与えないよう、ぜひ覚えておきましょう。

まず、最初のポイントは、コートは建物に入る前に脱ぐことです。
コートは外出用の防寒着であり、外気にさらされる中で着るものです。表面には目に見えないホコリや花粉などが付着している可能性があるため、それらを室内に持ち込まないよう、建物に入る前に脱ぐことがマナーとされています。
具体的には、訪問先の会社のエントランスや玄関の前などで一度カバンを置き、コートを脱ぐようにしましょう。オフィスビルなどで共用のエントランスがある場合には、その場所で脱ぐのが適切です。
また、脱いだ後に軽くコートをポンポンとたたいてホコリを払うなどの配慮があると、さらに好印象です。こうしたちょっとした所作が、相手への心遣いとして伝わります。
次に、コートを脱いだ後の持ち方についてです。ポイントは、コートは裏返してたたみ、腕にかけて持つということ。
街中や職場で、コートを裏返しに持っている人を見て「えっ、これで合っているの?」と思ったことがあるかもしれません。実はこれは正しいマナーです。コートを裏返しにたたむ理由は大きく2つあります。
1つ目は、コートの表面に付着しているホコリや汚れを、室内に落とさないため。
2つ目は、表面を内側にすることで、他のものと接触して表面が汚れるのを防ぐためです。
コートのたたみ方も簡単に覚えられます。以下の4ステップで行いましょう。

この手順を覚えておけば、訪問先での動作もスムーズですし、清潔感や丁寧さを印象づけることができます。
訪問先の応接室や会議室で着席する際、コートの置き場に迷うこともあります。ここでのマナーは、コートはカバンの上に置くというものです。
机の上やイスの上、あるいは床に直に置くのはNGです。とくに床に直接置くのは、相手にだらしない印象を与える可能性があるため避けましょう。
カバンの上はスペースが限られているため、コートは三つ折りまたは四つ折りにして、できるだけコンパクトにしてから置くのがポイントです。
また、部屋にハンガーラックが設置されていることもあります。その場合は、相手から「どうぞ、お使いください」と勧められてから使うようにしましょう。許可なく勝手に使用すると、相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
ハンガーラックを使う際は「ありがとうございます」と一言添えて利用しましょう。また、帰り際には忘れずにコートを持ち帰ることも大切です。うっかり忘れてしまうこともあるので注意してください。

最後のポイントは、コートは建物の外に出てから着るということ。
訪問時の「行き」だけでなく、「帰り」も建物を出てからコートを着るようにするのがマナーです。建物内でコートを着るのは、相手の目の前で帰る準備をするような印象を与えるため、配慮が必要です。
ただし、相手から「寒いので、どうぞ中でお召しください」といった声掛けをいただいた場合には、そのご厚意をありがたく受け取りましょう。「いえ、外で着るのがマナーですので」と断るのは、かえって相手に気を遣わせてしまいます。
マナーとはカタチだけでなく、相手への思いやりが基本です。状況に応じた柔軟な対応ができると、より好印象につながります。

ここまで、ビジネスマナーとしてのコートの扱い方を4つのポイントに分けてご紹介してきました。内容をもう一度整理しましょう。
これらのマナーは、冬用のコートに限らず、春先のスプリングコートにも共通して言えることです。
「コートの扱いなんて些細なこと」と思う方もいるかもしれませんが、こうした小さな所作がビジネスの場では大切にされます。相手の会社の一員として訪問する以上、自分のふるまいが企業の印象にも影響するという自覚を持つことが大切です。
ぜひ、今回ご紹介したポイントを意識して、スマートな立ち居振る舞いを身につけていきましょう。