企業間の取引において、「入金が確認できない」という事態は決して珍しいものではありません。多くの場合、請求書の紛失や単純な振込忘れといった些細な行き違いによるものであることがほとんどですが、それでも対応を間違えると相手との信頼関係にヒビが入ってしまう可能性もあります。
そこで今回は、入金催促の電話をかける際のビジネスマナーと実践的な話し方のコツを丁寧に解説します。トラブルを避けつつ、確実に対応してもらえるような連絡の仕方を身につけておきましょう。

まず初めに、入金が確認できない原因には大きく分けて「相手側の事情」と「自社側のミス」の2種類があります。
たとえば、以下のようなケースが挙げられます。
どちらに原因があるかによって、対応方法が変わります。まずは慌てて連絡をするのではなく、冷静に状況を整理しましょう。

入金確認の電話を入れる前に、まずは自社側に落ち度がなかったかをチェックしておくことが非常に重要です。以下のような項目を事前に確認しましょう。
この事前確認を怠ると、自社側のミスを相手に指摘されることになり、信頼関係の損失につながります。確認をしっかりと行った上で、必要に応じて連絡を入れましょう。

入金確認の電話は、どうしても「催促」という行為になるため、相手にプレッシャーを与えてしまう可能性があります。したがって、会話のトーンや言葉遣いには細心の注意を払う必要があります。
ポイントは「決して責めるような言い方をしないこと」。
あくまで「確認のため」「念のため」「ご事情を伺いたくて」といった謙虚な姿勢で対応しましょう。
電話の際には、声のトーンもやや落ち着かせ、冷静で穏やかな話し方を心がけると、相手も安心して対応してくれます。
ここでは、電話口でよく使いがちなNG表現と、それを丁寧に言い換えた例をご紹介します。
| NG表現 | 丁寧な言い換え例 |
| 「入金がありません」 | 「ご入金の確認がまだ取れておらず、念のためご連絡いたしました」 |
| 「請求書届いてましたか?」 | 「請求書が未着だったのではないかと思い、ご確認のお願いでご連絡いたしました」 |
| 「どうして入金が遅れてるんですか?」 | 「もし何かご事情がおありでしたら、差し支えない範囲でお聞かせいただけますか」 |
| 「いつまでに入金してくれますか?」 | 「恐れ入りますが、ご入金のご予定日をお教えいただけますでしょうか」 |
催促の言葉を「確認」や「ご案内」「ご相談」などの穏やかな言葉に変えるだけで、印象は大きく変わります。

ここで、実際に使える電話応対の例文をご紹介します。相手に失礼がなく、かつ要点がきちんと伝わる言い回しになっています。
電話対応例:
いつも大変お世話になっております。株式会社〇〇の△△でございます。
先日は○○商品をご購入いただきまして、誠にありがとうございました。
本日は、そのお支払いに関する件でご連絡させていただきました。
もし行き違いで既にお振込みいただいておりましたら、大変申し訳ございません。
実は、本日〇月〇日現在、○○商品のご入金の確認がまだ取れておりません。
お忙しいところ恐縮ではございますが、一度ご確認のうえ、ご入金予定日などをお教えいただけますでしょうか。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
このような丁寧な表現を使うことで、催促の電話でも相手に不快感を与えることなくスムーズに対応してもらえる確率が高まります。
入金が確認できたあとは、必ずお礼のご連絡を差し上げるようにしましょう。たとえ予定より遅れていたとしても、感謝の意をしっかりと伝えることが、今後の良好な関係づくりにつながります。
入金確認後のお礼例:
本日、○○商品のご入金を確認いたしました。お忙しい中、ご対応いただき誠にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
この一言があるかないかで、相手が受ける印象は大きく変わります。「きちんと確認してくれている」「礼儀正しい会社だ」という好印象を持ってもらうためにも、お礼の言葉は必須です。
入金催促の電話は、内容自体はシンプルですが、対応の仕方によって相手の印象が大きく左右される繊細な業務です。大切なのは、「相手を責めない」「確認を丁寧に行う」「感謝を忘れない」という三つのポイントです。
しっかりとしたビジネスマナーに基づいて、丁寧かつ謙虚に対応することで、むしろ信頼関係が深まることもあります。日々の業務の中でも、このような細やかな配慮ができる人こそが、真に信頼されるビジネスパーソンといえるでしょう。