現代のビジネスシーンにおいて、携帯電話はなくてはならないツールです。移動中でも外出先でも連絡が取れる利便性は大きい一方で、固定電話と異なり、相手の状況が見えにくく、配慮が求められる場面も少なくありません。
とくに携帯電話をビジネスで使用する場合には、「いつ」「どこで」「どのように」使うかによって、相手の印象が大きく左右されます。今回は、携帯電話を使う際に気を付けたい基本のビジネスマナーを16項目にまとめてご紹介します。社会人としての信頼を損なわないためにも、ぜひ一つひとつ意識して実践していきましょう。

ビジネスの場では、固定電話が基本です。会社宛ての連絡や初回のコンタクトなどは、まず会社の代表番号や代表メールを活用するのが原則。どうしても携帯電話にかける必要がある場合は、より一層の配慮が求められます。
相手が会議中や外出中かもしれない場合には、いきなり電話をかけず、まずはメールで連絡するという選択肢もあります。急ぎでなければ「メール→電話」の順番を意識することで、相手の時間を尊重する姿勢が伝わります。
自分が電話をかける場所も重要です。周囲の雑音が多い場所や、公共の場での通話は避けましょう。可能であれば、車内や静かな屋外、人がいない空間で通話するなど、話しやすい環境を整えてから電話をかけましょう。
一般的なビジネスタイムは、午前9時〜12時、午後1時〜5時です。飲食業界などでは14時〜17時が比較的手の空きやすい時間とされています。また、月曜日の朝や就業時間直前の電話は、避けるのが無難です。
携帯電話での通話は、音声の品質が低下することもあるため、伝える内容は明確かつ簡潔にまとめましょう。事前に話す内容を整理しておくと、時間のロスを防ぐことができます。

通話の冒頭で、「お世話になっております。〇〇会社の〇〇と申します」と名乗りましょう。相手に安心感を与えると同時に、ビジネスマナーとしての第一歩です。
「今、少しお時間よろしいでしょうか?」という一言を添えることで、相手に対する配慮を示すことができます。おおよその所要時間も伝えておくと、相手も予定を調整しやすくなります。
「もしもし」や「ねぇ」「うん」といったカジュアルな言葉は、ビジネスにはふさわしくありません。丁寧語・敬語を意識して、落ち着いた口調で話すことが信頼感につながります。
通話の終わりには、必ず「失礼いたします」などの言葉を添えて、相手が電話を切ったのを確認してから自分も切りましょう。先に切ると、相手に急かされたような印象を与えてしまうことがあります。
運転中や会議中など、電話に出るのが適切でない状況では、無理に出ず、落ち着いた場所に移動してから折り返すことが基本です。安全とマナーを優先しましょう。
ビジネスでの通話中には、重要な情報を聞き逃さないよう、メモ帳やスマートフォンのメモアプリを用意しておきましょう。「少々お待ちください、メモを取ります」と断りを入れると、より丁寧です。
着信に気づいたら、なるべく早く折り返すことが信頼につながります。1〜2時間以内が理想ですが、遅れてしまった場合には「遅くなりまして申し訳ありません」と一言添えると丁寧です。
電話に出てもらえなかった場合は、必ず留守番電話にメッセージを残しましょう。
例:「〇〇会社の〇〇と申します。△△の件でお電話いたしました。15時以降に再度ご連絡いたします。」
このように、相手が安心できるような情報を具体的に伝えることが大切です。
会議中や外出時は、携帯電話を必ずマナーモードに設定しておきましょう。バイブ音さえも気になる環境では、完全にサイレントにするなどの配慮を忘れずに。
就業時間中の私用通話やSNSの利用は、周囲にも悪い印象を与える原因になります。業務に集中している姿勢が、評価や信頼にも直結します。
個人情報保護の観点からも、他の社員の携帯番号を許可なく第三者に伝えることは厳禁です。
対応例:「申し訳ございません。社の規定により携帯電話の番号はお伝えいたしかねます。よろしければ、こちらから〇〇に連絡し、折り返しご連絡させていただきましょうか?」

携帯電話こそ、丁寧な心配りを
携帯電話は、手軽にどこでも利用できる便利なツールですが、その気軽さゆえに、ついビジネスの緊張感を忘れてしまいがちです。対応がカジュアルになりすぎると、思わぬところで相手に不快な印象を与えてしまうこともあります。
とくに外出先では気が緩みやすい場面も多いですが、どこにいても「今、誰と話しているのか」「どう伝えれば丁寧か」といった“相手軸”の意識を持つことが大切です。
常に相手の立場を尊重し、誠意ある応対を心がけることが、信頼されるビジネスパーソンへの一歩となるでしょう。携帯電話こそ、丁寧な対応が求められる──その意識を忘れずに、日々のやり取りに活かしていきたいものです。