皆さんは「重言(じゅうげん)」という言葉を耳にしたことがありますか?
日常生活ではあまり聞き慣れない言葉かもしれません。しかし、ビジネスシーンや文章作成の場面で、意外と多くの方が無意識のうちに使ってしまっているのが、この「重言」、いわゆる“重ね言葉”です。
本記事では、この重言について詳しくご紹介していきます。「重言って何?」という方にもわかりやすく、その意味やビジネスで特に注意したい事例を解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
文章力の向上や相手に伝わる表現を意識するうえで、きっと役立つ内容です。

「重言」とは、同じ意味を持つ言葉を重ねて使う表現のことを指します。
別名「二重表現」や「重複表現」とも呼ばれることもありますね。
例えば、「頭痛が痛い」という言葉を考えてみましょう。「頭痛」という言葉の中にはすでに「痛い」という意味が含まれていますので、「頭痛が痛い」と言うと、「痛い」が重なってしまっている状態になります。このような言葉の重なりが「重言」です。
実はこの重言、明確に「絶対使ってはいけない」というルールがあるわけではありません。しかし、公的な文章を書いたり、プロのライターや編集者として活動する方などは、この重言を意識して避けるようにしています。ネットや書籍などでも多くの例が紹介されているので、興味がある方は調べてみるのもおすすめです。
重言は、使ったからといって相手に大きな不快感を与えるものではありません。しかし、文章をより洗練されたものにしたいと考えるときには注意が必要です。
特にビジネスシーンでは、メールや資料、報告書など「書き言葉」で相手に伝える場面が多くあります。そうした場面で重言を多用してしまうと、「少し文章が冗長だな」「表現がくどいな」という印象を与えてしまうこともあります。
逆に言えば、重言を避けることで文章がすっきりし、読みやすくなります。仕事のコミュニケーションを円滑にするためにも、ぜひ意識してみましょう。

ここからは、実際にビジネスの現場や日常会話でよく使われがちな重言の事例をご紹介します。
「追い込み」自体に「最後に力を入れて頑張る」という意味が含まれていますので、「最後の追い込み」という表現は意味が重なっています。この場合はシンプルに「追い込みをする」で十分です。
例:
誤:「今日は月末だから最後の追い込みをするぞ!」
正:「今日は月末だから追い込みをするぞ!」
「返事」には「返す」という意味が含まれているので、「返事を返す」は重言になります。正しくは「返事をする」「返事をいたします」で大丈夫です。
例:
誤:「先日いただいたメールのお返事を返します」
正:「先日いただいたメールにお返事いたします」
「今」も「現在」もほぼ同じ意味を表していますので、どちらか一方で十分です。
例:
誤:「今現在、私はプレゼンテーションの準備をしております」
正:「現在、私はプレゼンテーションの準備をしております」
あるいは「今、プレゼンテーションの準備をしております」
こうした例をみると、普段何気なく使っている言葉の中にも、意味が重なってしまっているものが意外と多いことに気づきます。
重言を完全にゼロにする必要はありませんが、次のようなポイントを意識するだけで、より自然で伝わりやすい文章になります。

重言は、日本語の特性として昔からある表現方法であり、決して絶対に使ってはいけないというものではありません。話し言葉では自然に聞こえる場合も多く、相手を不快にさせるものでもありません。
しかし、ビジネスの文章や正式な文書、メールなどでは、重言を避けることでより読みやすく、伝わりやすい文章をつくることができます。「ちょっとくどいかな?」と思ったときには、意味が重なっていないかを確認し、シンプルに言い換えてみましょう。
日々のコミュニケーションや文章作成を通して、少しずつ意識することで自然と身についていくものです。ぜひ今日から試してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。