困った時の電話応対【取次ぎ編】ビジネスマナーガイド

はじめに

ビジネスにおいて電話応対は、単なる連絡手段ではなく、企業の印象を左右する大切なコミュニケーションスキルのひとつです。特に、電話の取次ぎ業務は新入社員や若手社員にとって最初に任される業務の一つであり、緊張や不安を感じやすいものです。「こんな時、どう言えばいいのだろう」と戸惑った経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実際の現場では、相手の声が聞き取りにくい、担当者が不在、名前が分からないなど、予期せぬトラブルが起こるものです。そんなときに慌てず、落ち着いて対応するためには、よくある場面を想定した準備と練習が必要です。

本記事では、電話応対でよく遭遇する7つの場面を取り上げ、それぞれの適切な対応例や注意点を詳しくご紹介します。これらのポイントを学び、実践することで、取次ぎ業務に自信を持ち、安心して電話応対ができるようになるでしょう。

1. 相手の名前が聞き取れなかったとき

1. 相手の名前が聞き取れなかったとき

電話を受けた際に、相手の名前がよく聞き取れないことはよくあります。しかし、曖昧なまま取次ぎをするのは禁物です。誤った情報を伝えてしまうと、後でトラブルや誤解を招く原因になります。

適切な対応例:
「失礼ですが、お名前をもう一度お伺いしてもよろしいでしょうか。」

「失礼ですが」というクッション言葉を使うことで、相手に配慮した印象を与えられます。相手の名前を正確に確認するのは、取次ぎをスムーズに行うためにとても大切なことです。

2. 相手の声が聞こえにくいとき

2. 相手の声が聞こえにくいとき

周囲の雑音や通信状況により、相手の声が聞こえにくいこともあります。その際は、相手を責めるような言い回しではなく、電話回線や環境の問題として伝えることがマナーです。

適切な対応例:
「申し訳ございません。お電話が少し遠いようでございます。」

「声が小さい」と直接伝えると、相手に不快感を与える可能性があります。一方、「お電話が遠い」と言うことで、相手の責任にせず、会話を続けやすくなります。ちょっとした言葉選びで印象は大きく変わるので、意識して使いたい表現です。

3. 名前を正確に聞き取れなかったときの工夫

3. 名前を正確に聞き取れなかったときの工夫

特に早口で話される方や、聞き慣れない名前の場合、正確に聞き取るのが難しいこともあります。このようなときは、再度丁寧に確認しましょう。

適切な対応例:
「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。」

ここで大切なのは、ゆっくりと落ち着いたトーンで話すことです。自分がゆっくり話すことで、相手も自然とゆっくり話してくれることが多いです。確認を怠らず、正確に伝えることが、結果的にお客様への信頼にもつながります。

4. 担当者が会議中のとき

4. 担当者が会議中のとき

電話をかけてきたお客様に対し、担当者が会議中で対応できない場合は、その旨を正直に伝えつつ、代替案を提案するのが望ましい対応です。

適切な対応例:
「恐れ入りますが、田中はただいま15時まで会議中でございます。よろしければ、ご用件を承りましょうか。」

担当者の不在理由と、対応可能な時間を具体的に伝えることで、お客様も次の行動を考えやすくなります。急ぎの内容であれば、メモを作成して担当者に渡す、または上司に相談するなど、柔軟に対応しましょう。

5. 担当者が休暇中のとき

5. 担当者が休暇中のとき

担当者が休暇中の場合は、誤解を招かない表現を選び、適切に対応することが大切です。

適切な対応例:
「恐れ入りますが、本日は田中は休みを取っております。よろしければ、ご用件を承りましょうか。」

「休みをいただいております」という表現は誤用なので注意しましょう。また、クレームなど緊急性の高い内容の場合は、一度保留にし、上司や先輩に相談して判断を仰ぐのが賢明です。

6. 担当者が退社しているとき

担当者がすでにその日の業務を終えて退社している場合、適切な敬語表現を使うことが重要です。

適切な対応例:
「申し訳ございません。田中はあいにく本日は失礼いたしました。」

「退社いたしました」という表現は、「会社を辞めた」と誤解される恐れがありますので避けましょう。また、翌日連絡を希望された場合は、「明日は9時から出社しております」と具体的に伝えると丁寧です。

7. 名前の漢字が分からないとき

7. 名前の漢字が分からないとき

お客様の名前の漢字表記が不明な場合は、必ず確認を行います。

適切な対応例:
「失礼ですが、『かわだ様』の『かわ』は、三本の川でしょうか、それともさんずいの河でしょうか。」

「失礼ですが」や「恐れ入りますが」というクッション言葉を添えることで、確認も丁寧に聞こえます。正確な漢字表記を把握することは、顧客データの管理や後の対応でも非常に重要です。

実践的にスキルを磨くために

実践的にスキルを磨くために

電話応対のスキルは、実際に経験を積むことで徐々に磨かれていきます。最初は戸惑うこともあるでしょうが、場数を踏むうちに自然と対応ができるようになります。

さらに、先輩や上司の電話応対を観察し、言葉遣いや対応の仕方を学ぶことも効果的です。また、電話応対の後に振り返りを行い、「もっとこう言えば良かった」と改善点を見つけることで、次回に活かすことができます。

まとめ

電話応対は「会社の顔」としての重要な役割を担っています。本記事でご紹介した7つの場面に備えて、適切な対応と言葉遣いを身につけることで、安心して業務に臨むことができるでしょう。

大切なのは、

  • 不明点は必ず確認する勇気を持つこと
  • 相手に配慮した言葉を選ぶこと
  • 状況に応じて臨機応変に対応すること
  • 正確な情報伝達を心がけること
  • 継続的に学び、改善する意識を持つこと

電話応対の一つひとつの積み重ねが、信頼されるビジネスパーソンへの第一歩です。これからも日々の業務の中で意識しながら取り組んでみてくださいね。