訪問先でお茶を飲むタイミングは?「どうぞ」と言われなかったらどうする?【ビジネスマナー】

訪問先でお茶を出されたとき、どう飲むのが正解?迷わないための訪問マナー

ビジネスシーンや打ち合わせでお客様先を訪問した際、「お茶が出されたけれど、いつ飲めばよいのか分からない」「最後まで飲み干してよいものなのか」「『どうぞ』と言われなかったらどう対応すべきか」――そんな小さな疑問に迷った経験はありませんか?

私自身、前職では営業職として数多くの訪問機会を経験しました。また現在は、研修講師として訪問時のマナーをお伝えしています。その中で、多くの方がこうした「お茶に関するマナー」に戸惑っていることに気づきました。

この記事では、訪問先でお茶を出された際のスマートな対応について、実体験を交えて分かりやすくご紹介します。読んでいただければ、訪問時の小さな迷いや不安がすっきり解消され、安心して振る舞えるようになります。ぜひ最後までお付き合いください。


お茶が出されるタイミングは主に2パターン

お茶が出されるタイミングは主に2パターン

訪問先でお茶が提供されるタイミングは、大きく分けて2つのパターンがあります。それぞれの場面において、適切な対応を知っておくことで、相手に好印象を与えることができます。

① 担当者を待っている間にお茶が出された場合

このケースでは、まだ担当者と面談が始まっておらず、受付や応接スペースで一人で待っているときに、お茶を出していただくことがあります。これは「お待ちいただく間、どうぞごゆっくりおくつろぎください」というおもてなしの気持ちの表れです。

このような場合は、出してくださった方の心遣いに感謝しながら、遠慮なくお茶をいただいて構いません。無言で飲むよりも、軽く一礼をして「ありがとうございます」と言葉を添えると、より丁寧な印象になります。

② 担当者と面談が始まり、お互いの分が出された場合

面談が始まり、テーブルにご自身の分と担当者の分、両方のお茶が並べられるケースもあります。この場合、相手の方が「どうぞ」と声をかけてくださるのを待ってから飲むのがマナーです。

その際には、ひと言「いただきます」と添えてから、静かに口をつけましょう。この一言があるだけで、相手に丁寧な印象を与えることができます。


お茶は飲み干してもよい?

「出されたお茶は最後まで飲み干すべきですか?」というご質問もよくいただきますが、結論から申し上げると、飲み干して問題ありません。むしろ、出してくださった方の気持ちを考えると、きちんと最後までいただくことで感謝の気持ちが伝わります。

私が事務職をしていた時代、お客様にお茶をお出しする機会がありました。中には一口も口をつけてくださらない方もいらっしゃいましたが、そのたびに、せっかくご用意したのに…と、少し寂しい気持ちになったものです。

ですので、私は今でも、お茶をいただいた際は、可能な限り飲み干すようにしています。


苦手な飲み物が出た場合は?

少し余談になりますが、私はコーヒーが苦手です。ある訪問時、コーヒーを出していただき、残してはいけないと思って頑張って飲み干したところ、なんとおかわりを出していただいたという苦い(?)経験があります。

このように、苦手な飲み物の場合は、飲むスピードや量に注意することも必要です。無理をせず、適度に口をつける程度にとどめるのがよいでしょう。


「どうぞ」と言われなかった場合の対応

これも多くの方が迷うポイントです。面談中にお茶が出されたけれど、「どうぞ」とは言われなかった…。そんな時、どうすればいいのでしょうか?

結論から言えば、「必ずこうしなければならない」という明確なルールはありません。マナーとは形式ではなく、相手への思いやりを形にするものです。その場の空気や相手の様子を見ながら柔軟に対応するのがポイントです。

私のおすすめは、「どうぞ」と言われず、しばらく時間が経った場合、自然なタイミングで軽く会釈をしながら「いただきます」と心の中で唱えつつ、静かにお茶をいただくという方法です。

逆に、「言われていないから」と一口も手をつけないと、出してくださった方に気を遣わせてしまうこともあります。相手の気持ちを想像して、丁寧に行動することが大切です。


ペットボトルのお茶が出た場合は?

ペットボトルのお茶が出た場合は?

最近では、衛生面の観点からペットボトル飲料を提供されるケースも増えてきました。ここでも「持ち帰ってよいのか」「その場で開けるべきか」などの疑問を持たれる方がいらっしゃいます。

基本的には、ペットボトルのお茶が出されたら、まず一口は開けて飲むのがマナーです。何も触れずにそのまま持ち帰るのは避けましょう。

500mlの大きめのサイズだと、面談中にすべて飲み切るのは難しいかもしれません。その場合は無理に飲み干そうとせず、「お茶、いただきます」とひと言添えてからカバンに入れて持ち帰るのがスマートです。

もちろん、荷物が多くて持ち帰れない場合は、無理に持ち帰る必要はありません。机の上に置いて帰ってもマナー違反にはなりませんので、状況に応じて判断してください。


まとめ:マナーとは「相手を思いやる心」

訪問先でのお茶に関するマナーは、実は一つひとつが「相手を思いやる心」を形にしたものです。形式にとらわれすぎるのではなく、「この場面でどうすれば相手が心地よく感じるか」という視点を持つことが、もっとも大切です。

まとめ:マナーとは「相手を思いやる心」
  • 担当者を待っている間にお茶が出されたら、感謝を込めていただきましょう。
  • 担当者と一緒にお茶が運ばれてきたら、「どうぞ」の声かけを待ち、ひと言添えて飲む。
  • お茶は飲み干してOK。出してくださった方への敬意を示す行動です。
  • 「どうぞ」と言われなかった場合でも、自然なタイミングで一礼して飲むのがスマート。
  • ペットボトルは一口飲んでから持ち帰りOK。ただし無理に持ち帰る必要はありません。

ビジネスマナーは、決して堅苦しいルールではありません。常に相手の立場を思いやり、相手が心地よく過ごせるように自分の行動を整える――それこそが、本当のマナーの在り方ではないでしょうか。