
職場に入って間もない新入社員の皆さんにとって、会社の代表としてお客様と直接やり取りする「電話対応」は、大きなプレッシャーの一つかもしれません。中でも「クレーム電話」は、緊張や不安がさらに高まる瞬間です。
「電話が鳴るだけでドキッとしてしまう」
「クレームを受けたらどうすればいいか分からない」
そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実際、ベテラン社員であってもクレーム対応には慎重さが求められます。新人のうちはなおさら、落ち着いて対応するのは難しいものです。
本記事では、そんな新入社員の皆さんに向けて、クレーム電話対応の「基本3ステップ」をわかりやすく解説します。事前にポイントを押さえておくことで、いざという時にも落ち着いて対応できるようになります。
クレーム電話を受けたとき、まず最初に大切なのは「お詫びの言葉」を誠意をもって伝えることです。
たとえ自分のミスでなかったとしても、お客様が不快な思いをされていること自体は事実です。「怒っているお客様にどう謝ったらいいかわからない」と思うかもしれませんが、第一声に心を込めて謝罪の言葉を述べることで、相手の怒りの温度を少し下げることができます。
たとえば、以下のような言い方があります。
ポイントは、相手の立場に立った言葉を選ぶこと。そして、同じフレーズを何度も繰り返しすぎないことも大切です。何度も「申し訳ありません、申し訳ありません」と言うばかりでは、かえって形式的に聞こえてしまい、「謝ればいいってものじゃない」と受け取られる可能性があります。
またNGな対応としては、最初から「私の担当ではないので…」と他人事のように受け止めること。お客様の不満をさらに悪化させてしまう原因になります。まずは企業の代表として、お客様の気持ちに寄り添ったお詫びをすることが第一歩です。
次に大切なのは、お客様の話を丁寧に「聴く」ことです。クレームの内容を正しく把握しない限り、的確な対応はできません。
お客様が怒っていたり、興奮していたりする場合でも、落ち着いて話を受け止める姿勢が大切です。このときは、すぐに反応せず、まずは相手の言葉に耳を傾けて、共感を示しましょう。
たとえば、
などのクッション言葉を挟みながら、相手の感情を受け止める言葉を添えると、よりスムーズにやり取りができます。
また、話を聞きながらメモを取ることも重要です。すべての言葉を書き取るのは難しいかもしれませんが、キーワードや印象に残るワードをメモしておくだけでも、後で情報を整理する際に役立ちます。
聞き漏らしたことがあれば、丁寧に確認しましょう。
といった表現で、相手に負担をかけないように情報を引き出します。
お客様の話を聞き終え、状況が明確になったら、次は「解決策の提示」です。
もし内容が単純で、自分の判断で解決できる内容であれば、その場で対応策を提案しましょう。しかし、新人のうちは判断がつかないことも多いはずです。そんなときは、安易に「できると思います」などと返事をしてしまわないように注意してください。
一度伝えた内容をあとから覆すことは非常に困難です。確信のないことは絶対に言わず、必ず確認してからお伝えするようにしましょう。
使えるフレーズの一例はこちらです:
「恐縮ですが、私では判断しかねますので、確認のうえ、すぐに折り返しお電話を差し上げます」
この一言で、丁寧さと誠実さを両立させることができます。
加えて、お電話の最後には再度、自分の名前を名乗ってください。お客様は最初に名乗った名前を覚えていないこともあります。
「私、〇〇と申します。失礼いたします」
このように改めて名乗ることで、責任を持って対応する姿勢が伝わり、信頼感にもつながります。
クレーム対応でやってはいけないのが、「保留音のまま上司に確認して、戻るまで時間がかかること」です。
お客様を保留にしたままにしておくと、相手は「放置された」と感じ、怒りが倍増する可能性があります。新人のうちは、上司への説明も時間がかかりがちですから、むしろ一度電話を切って、確認後すぐに折り返すほうがスムーズです。
目安としては、5分以内に折り返すことを意識しましょう。

簡単に、やりとりの流れの一例をご紹介します。
電話を取る側(新人):
「お電話ありがとうございます。〇〇商事の〇〇でございます」
お客様:
「〇〇工業の〇〇ですが、今日納品予定のコピー機がまだ届いてないんだけど」
新人:
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。本日、納品予定のコピー機がまだ届いていないということですね」
お客様:
「営業の〇〇さんには伝えてあるんだけど、業務が止まってるんだよ。本当に困ってる」
新人:
「ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。失礼ですが、本日は何時の納品予定でいらっしゃいましたか?」
お客様:
「15時って言われたけど、16時までには持ってきてよ」
新人:
「16時までですね。大変恐縮ですが、私では判断しかねるため、確認のうえ、すぐに折り返しお電話をさせていただきます。私、〇〇と申します。失礼いたします」
このように、誠実さと冷静さを忘れず対応しましょう。

クレーム対応の電話は、新人にとって特に不安なものかもしれません。しかし、以下の3ステップを意識するだけで、落ち着いて対応できる力が養われます。
この3つができれば、あなたはもう「クレーム対応 合格」です。電話の向こうのお客様は、ただ怒っているのではなく、「不安」「困りごと」「期待」が背景にあることを理解し、その気持ちに寄り添った対応を心がけていきましょう。
クレーム対応は、新人が社会人として大きく成長できる貴重な機会でもあります。恐れすぎず、丁寧に、冷静に、一歩ずつ経験を積んでいきましょう。