「自分の第一印象って、相手にどう映っているのだろう?」
そんな疑問を、普段あまり意識する人は多くないかもしれません。しかし、営業や接客の場面で「初対面では感じが良かったのに、なぜか契約や取引につながらない」という経験がある方は、もしかすると第一印象の伝わり方に原因があるかもしれません。
第一印象は、その後の人間関係やビジネスの結果に大きく影響します。印象が良ければ、相手との距離が縮まり、円滑なやりとりにつながります。逆に、第一印象でマイナスのイメージを持たれてしまうと、その後の努力が届きにくくなることもあります。
ここでは、第一印象の重要性を理解するための心理学的な視点として、「メラビアンの法則」をご紹介します。これを正しく理解し、活用することで、誰でも第一印象をグッと良くすることができます。

1971年、カリフォルニア大学の心理学者アルバート・メラビアン博士が、人間同士のコミュニケーションに関する研究を行いました。
その目的は、「相手がどのように印象を受け取り、感情を読み取るのか」を数値として明らかにすることでした。
メラビアン博士は、人と人が接するとき、相手を判断する要素を大きく3つに分けました。
そして、「もしこの3つの要素が矛盾していたら、人はどの要素を優先的に信じるのか?」という実験を行ったのです。

たとえば、次のような場面を想像してみてください。
この場合、相手は「この人、本当は好きじゃないのでは?」と感じるはずです。
つまり、人は言葉そのものよりも、表情や声のトーンから感情を読み取る傾向があるということです。

メラビアン博士の研究結果は、次の割合でまとめられています。
この頭文字をとって「3Vの法則」とも呼ばれます。
つまり、感情や好意・敵意などの「気持ち」を相手に正しく伝えるには、93%が非言語情報(声と見た目)に依存しているという驚きの結果です。どれだけ内容が良くても、表情や声の出し方が合っていないと、相手には意図通りに伝わらないのです。
例えば、部下が遅刻を繰り返している場面を考えてみましょう。
この組み合わせだと、相手は「叱られている」という感覚を持ちにくくなります。
逆に、本当に改善を求めるなら、
といったように、3つの要素を一致させることが重要です。

コミュニケーションには、大きく分けて次の2種類があります。
メラビアンの法則に当てはめると、言語コミュニケーションはわずか7%、非言語コミュニケーションは93%を占めます。
つまり、言葉の選び方よりも、表情や態度を意識するほうが第一印象を良くする効果が高いのです。

第一印象は数秒で決まると言われています。特にビジネスシーンでは、初対面の名刺交換や自己紹介の瞬間が勝負です。ここで好印象を与えるためには、次のポイントを押さえましょう。
これらはすべて、言語情報と非言語情報の不一致から生じています。
第一印象を良くするには、「何を言うか」よりも「どう言うか」「どんな表情で言うか」が圧倒的に重要です。
メラビアンの法則は、コミュニケーションにおける非言語の影響力を示す有力な指針です。
ポイントは3つの要素――言語・聴覚・視覚――を一致させること。
たとえ短い挨拶や名刺交換でも、目を見て笑顔でハキハキと名乗るだけで、相手の心に残る印象は大きく変わります。
第一印象は一度きりです。次に誰かと初めて会うとき、この法則を思い出してみてください。きっとその出会いが、より良い人間関係やビジネスチャンスにつながるはずです。