営業で本音を引き出す質問話法 一歩突っ込んだ会話で売上をあげる

皆さまこんにちは。本記事では、営業活動における「クライアントの本音を引き出す質問話法」についてご紹介いたします。

営業で本音を引き出す質問話法 一歩突っ込んだ会話で売上をあげる

人には「本音」と「建前」があります。特に営業の現場では、クライアントの本音を直接聞ける機会はそれほど多くありません。しかし、その「本音」こそが営業において非常に大切な財産となるのです。真のニーズや悩みを引き出すことで、それに沿った最適な提案ができ、結果として受注や売上アップにつながります。

私はかつて営業職として現場に立っておりましたが、現在は企業研修講師として営業研修を担当しています。多くの企業様において、営業スキルの向上支援をさせていただく中で、特にお伝えしているのが「質問話法」の基本です。

この記事をご覧いただくことで、「拡大質問」と「限定質問」の違いや使い分けを身につけ、より効果的にクライアントの本音を引き出すことができるようになります。営業成果の向上にもつながりますので、ぜひ最後までお読みください。

質問話法の前提 〜心構えが鍵を握る〜

本題に入る前に、質問話法を使う上で大切な「心構え」についてお話いたします。

営業担当者が「売上を上げるため」に質問を行うと、それが相手に伝わってしまい、尋問のような印象を与えてしまうことがあります。クライアントは敏感にその意図を感じ取り、「売り込まれそう」と警戒してしまい、心を閉ざしてしまうのです。

質問話法の本来の目的は、クライアントにとってより良い提案を行うための「情報収集」にあります。相手の課題やニーズを正しく理解しようという誠実な姿勢で会話に臨むことで、初めて信頼が生まれ、本音を語ってもらえるようになります。質問の背後にある「想い」が、実は非常に重要なのです。

拡大質問と限定質問とは?

営業の現場でクライアントの心を開くためには、「質問の種類と順番」が極めて重要です。ここでご紹介する「拡大質問」と「限定質問」は、その代表的な技法です。

■ 拡大質問

拡大質問とは、相手が自由に考えて自分の言葉で答えられる、オープンエンドな質問です。たとえば、

  • 「どのようなことをお探しですか?」
  • 「今のお悩みについて、詳しくお聞かせいただけますか?」
  • 「こちらについて、どのようにお感じになりましたか?」

など、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を用いた問いが該当します。

この質問により、クライアントが自分の考えや状況を自由に語ることができ、自然な会話が生まれます。信頼関係を築く第一歩として、とても効果的です。

■ 限定質問

一方、限定質問は「はい/いいえ」や、AかBかというように、選択肢の中から即座に答えられる質問です。たとえば、

  • 「平日と週末、どちらがご都合よろしいですか?」
  • 「ご予算は30万円程度でしょうか?」
  • 「こちらのデザインと、こちらのデザイン、どちらが好みに近いですか?」

などがそれにあたります。相手の選択を明確にし、意思を引き出すのに適しています。

ただし、注意が必要なのは、相手のニーズや状況を把握する前に限定質問を多用してしまうと、クライアントに「選択を迫られている」と感じさせ、会話が窮屈になってしまう点です。時に「押しつけ」と受け取られる可能性もあります。

拡大質問と限定質問の使い分け方

拡大質問と限定質問の使い分け方

質問話法において最も大切なのは、「拡大質問で始め、限定質問で深める」ことです。

まずは拡大質問を通じて、クライアントの考えやニーズを自由に引き出します。会話の自由度が高まることで、相手の警戒心が解かれ、信頼関係の土台が築かれます。

しかし、時には拡大質問に対して曖昧な答えや、言葉を濁される場面もあります。そんなときこそ、限定質問の出番です。一歩踏み込んで、相手の本音を探る「質問の切り替え」が鍵となります。

たとえば、テレビ番組などで見かける印象的なシーンがあります。タレントの明石家さんまさんが、ある女性アナウンサーに対し「これまでプロポーズされたのは何人くらい?」と尋ねた際、彼女が答えを濁したのを見て、「3人くらい?」とすかさず限定質問に切り替えました。すると相手は「もう少し多いですね」と自然に答え、その反応から大体の人数を推測することができました。

営業においてもこれは応用できます。たとえば、「ご予算はどのくらいをお考えですか?」という拡大質問に対して、「まだ決めていなくて…」という曖昧な返答が返ってきた際には、「15万円前後でお考えでしょうか?」という限定質問で踏み込むことで、相手は「もう少し安いものを希望しています」といった本音を語ってくれる可能性が高まります。

表情や声のトーン、沈黙などにも注意を払い、相手の非言語的な反応にも意識を向けると、より正確に本音を掴むことができます。

本音を引き出す営業スタイルとは?

営業は「伝える」ことではなく、「引き出す」ことが重要です。自分の話ばかりを一方的に続ける営業は、クライアントにとってストレスとなり、信頼を損ねる要因になります。

理想的な会話の比率は、営業が2〜3割、クライアントが7〜8割と言われています。クライアントの話をじっくりと聞き、その内容をもとに提案を組み立てることが、信頼と成果の両方につながるのです。

例えば、「スカートをお探しですか?」といきなり限定質問で話しかけられると、お客様は「売られそう」と身構えてしまいます。まずは「今日はどんな感じのお洋服をお探しですか?」といった拡大質問から入ることで、自然な流れの会話が生まれ、安心して話していただけるようになります。

まとめ 〜質問話法を武器に信頼と売上を築く〜

まとめ 〜質問話法を武器に信頼と売上を築く〜

質問話法は、単なるテクニックではありません。相手への誠実な関心と信頼関係を築こうとする姿勢があってこそ、その効果を最大限に発揮します。

拡大質問で相手の思いを引き出し、限定質問で深掘りする。その順番と使い分けを意識することで、クライアントの本音を自然に引き出すことができるようになります。そしてその本音こそが、最適な提案と売上アップへの道しるべとなるのです。

営業の場面に限らず、日常のコミュニケーションでも活用できるこの質問話法。ぜひ実践に取り入れてみてください。きっと、相手との距離がぐっと縮まるはずです。