「うちの部下、全然報告・連絡・相談をしてこない…」
そんな悩みを抱える上司の方は少なくありません。仕事を円滑に進めるうえで「報連相(ほうれんそう)」は欠かせない要素です。しかし、実際には思ったように情報が上がってこなかったり、トラブルが発生してからようやく報告されたりするケースも多いものです。
なぜ部下は報連相をしないのでしょうか?
その原因は、決して「部下の能力不足」だけではありません。多くの場合、部下側の心理的要因と、上司側の対応や環境づくりの両方が関係しています。
本記事では、部下が報連相をしない3つの主な理由と、それに対して上司がどのように改善アプローチをすべきかを、具体的にご紹介します。
まず大前提として認識しておきたいのは、部下が報連相をしない原因は大きく2つのパターンに分かれるということです。
つまり、「なぜ報連相がないのか」という問いに対して、「部下が悪い」と決めつけてしまうのは危険です。組織はチームで成り立っており、上司のふるまいや職場環境も部下の行動に大きく影響します。

部下が報連相をしないもっとも大きな理由の一つが、「上司に話しかけづらい」という心理的ハードルです。
たとえば、こんなケースはないでしょうか?
このような状況では、部下は「こんなときに話しかけたら迷惑かもしれない」と感じてしまい、重要な情報でも伝えるのを躊躇してしまいます。
また、部下がミスをした際に、必要以上に叱責したり、感情的に反応したりすることも、報連相の妨げになります。部下は「また怒られるかも」「自分を守るためには黙っていた方がいい」と考えるようになり、結果として報告や相談を避けるようになるのです。
◎対策ポイント
報連相の質は、上司がどれだけ“心理的安全性”を職場に作れているかにも大きく左右されます。
報連相というと、どうしても「部下が上司に対してするもの」というイメージが強くなりがちですが、実は上司からの報連相も同じくらい重要です。
部下は常に上司の行動を見ています。「あの人は何を考えているのか分からない」「こちらから報告しても反応が薄い」と感じてしまうと、次第に報連相へのモチベーションが下がっていきます。
特に、上司が必要最低限のことしか話さないタイプだと、部下の側も「相談しても意味がない」と受け取ってしまいがちです。
また、「悪い情報だけ共有する」「失敗だけ報告される」という状態も、部下にとっては精神的に負担です。日々の小さな成功や、頑張りへのねぎらいといった“ポジティブな情報共有”も、報連相を活性化させるうえで欠かせません。
◎対策ポイント
上司が率先して報連相をすることで、部下にとっても「報告していいんだ」「受け入れてもらえる」という安心感が生まれます。
意外と見落とされがちなのが、「報連相が過剰になっている」パターンです。
上司が部下の仕事に対してあまりに細かく報告を求めたり、逐一チェックを入れたりすると、部下は「監視されている」と感じてしまいます。すると報連相は自主的なものではなくなり、「やらされている」「面倒だ」といったマイナスの感情が先行するようになります。
また、すべてを上司に報告しないと進まないような体制では、部下の自律性や判断力も育ちません。結果として、報連相の質が上がらず、組織としての機動力も低下してしまいます。
◎対策ポイント
報連相の本来の目的は「情報共有によって、ミスやトラブルを未然に防ぎ、組織としてより良い成果を出すこと」です。ただの報告義務や管理ツールとして使われてしまうと、その価値が失われてしまいます。

部下が報連相をしない理由には、さまざまな背景があります。そして、多くのケースにおいて、上司のふるまいや職場環境が大きく影響していることは否めません。
これらを見直すことで、部下とのコミュニケーションの質は大きく変わります。
報連相は、単なるテクニックではなく「信頼関係の積み重ね」で成り立つものです。上司と部下が互いに気持ちよくやり取りできる環境を作ることで、自然と報連相が活発になる「職場文化」が根づいていくでしょう。