職場や会議の場で、必ずといっていいほど出会うのが「否定ばかりする人」。
何か意見を出しても、まず返ってくるのは「それは無理だと思う」「でも…」という言葉。しかも、こうした否定的な発言をするのは、不思議と目上の立場の人や、経験年数の長い人に多い傾向があります。
もちろん、彼らの言葉には豊富な経験やリスク回避の意図が込められていることもあります。しかし、受け止め方によっては、場の雰囲気を重くし、発言しづらい空気を作ってしまう原因にもなります。
今回は、「否定ばかりする人」に振り回されず、建設的で前向きな話し合いを実現するための方法を、具体的に解説します。

会議の場で初めて新しいアイデアを提示すると、反対意見や否定的な反応が出るのは自然なことです。特に、目上の人や慎重派の人は、事前に情報がない状態で即決することを嫌います。
そこで有効なのが事前の根回しです。
こうすることで、「会議で初めて聞いたから即座に否定する」という流れを防ぎやすくなります。
また、事前に話しておくことで、当日の会議でその人があなたの案をサポートしてくれる可能性も高まります。

会議や話し合いの場では、感情的な否定や場を停滞させる発言を防ぐために、ルールを明確にしておくことが大切です。特に以下の3つは効果的です。
「それは違う」「できないと思う」だけでは何も進みません。
反論する際は、「こうしたらどうだろう」という代替案を必ず提示するようルール化しましょう。
たとえば、「この予算では難しいと思います」ではなく、「予算を半分に抑えるために、○○の部分を外注ではなく内製にしてはどうでしょうか?」という形です。
否定から入ると、相手のモチベーションは一気に下がります。まずは肯定から入る「イエス・アンド(Yes, and)」の姿勢が重要です。
例:
「その案は面白いですね。その上で、こういう点も加えるとさらに良くなると思います。」
会議で話がかぶったり、強い立場の人が一方的に話してしまうと、意見交換のバランスが崩れます。
**「発言は手を挙げて、指名されてから話す」**というルールを導入することで、発言の機会を平等に確保できます。

議論が長引いたり、感情的になってきたときは、会議の本来の目的に立ち返ることが大切です。
目的を明確に再確認することで、話題が脱線したり、否定の応酬で時間を浪費するのを防げます。
ときには「今回のゴールはA案かB案かを決めることです」と司会者が軌道修正する役割を果たすことも必要です。

会議の雰囲気を左右するのは、参加者一人ひとりの態度だけでなく、ファシリテーター(進行役)の力量にも大きく左右されます。
優れたファシリテーターは、単に時間を管理するだけでなく、
もし進行役が自分の場合、否定的な発言に対してはこう返すと効果的です。
「○○さんのご懸念は理解できます。その上で、どうすれば実現できるか、一緒に考えてみませんか?」
否定のエネルギーを「改善案を考える」方向に転換するのです。
現実的には、否定的な人を完全に変えることは難しいです。
しかし、接し方を工夫することで、こちらのストレスを減らすことはできます。
こうした姿勢を続けることで、少しずつ相手も「ただ否定するだけではなく、改善案を出す」流れに変わっていく可能性があります。
「否定ばかりする人」との会議は、最初はストレスが多く感じられるかもしれません。
しかし、根回しやルール作り、目的の共有、そしてファシリテーターの工夫によって、議論はより建設的になり、会議の成果も向上します。
否定的な発言は、裏を返せば「失敗したくない」「より良くしたい」という気持ちの表れでもあります。
そのエネルギーを前向きな方向に変えていくことが、職場全体の成長につながります。