参加型研修『ロールプレイング』の作り方|動作を習得して職場に活かす

近年、ビジネス研修や社内教育の場で「参加型研修」が注目を集めています。特にロールプレイング(Role Playing)は、座学だけでは得られない実践的なスキルを身につけられる手法として、多くの企業で取り入れられています。しかし、ただ「やってみましょう」と進めるだけでは、十分な効果を発揮できません。
本記事では、ロールプレイング研修を成功させるための「作り方」と「進め方のポイント」を、段階を追って丁寧に解説します。

1. まずはメリットを伝える

1. まずはメリットを伝える

ロールプレイングを行う前に、参加者に「なぜこれを行うのか」という目的やメリットをしっかり伝えることが大切です。これを省いてしまうと、「なんとなくやらされている感」が強まり、学習効果が下がってしまいます。

例えば、営業研修であれば

「このロールプレイングでは、実際のお客様対応を想定して練習します。安全な環境で失敗できるため、本番での対応力を高めることができます」

と説明します。これにより、参加者は「この時間は自分の成長に直結する」と理解し、積極的に取り組む姿勢になります。

ポイント

  • 「練習の場」であることを強調する
  • 失敗が許される安心感を与える
  • 本番で役立つ具体的な効果を示す

2. 場面を具体的に設定する

2. 場面を具体的に設定する

次に、ロールプレイングで扱う「シチュエーション」をできるだけ具体的に設定します。漠然とした設定では、現実味が薄くなり、参加者が本気になれません。

例えば、クレーム対応研修なら

  • 状況:「納品された商品が不良品だったとお客様から電話が来た」
  • 登場人物:お客様役(研修参加者の1人)、対応する社員役(別の参加者)
  • 条件:お客様は感情的になっており、最初は解決策を受け入れない

このように条件を細かく設定することで、参加者は臨場感を持って行動できます。また、役割分担を明確にすることで、参加者は自分の立場に集中しやすくなります。

ポイント

  • 実際の業務で起こり得る場面を選ぶ
  • 登場人物や条件を細かく設定する
  • 役割分担を明確にする

3. 実施とフィードバック

3. 実施とフィードバック

ロールプレイングの本番では、進行役(研修担当者)が流れを管理します。参加者同士のやり取りを止めずに最後まで行い、その後でフィードバックの時間をしっかり取ります。

フィードバックは、ただ「良かった」「悪かった」と評価するのではなく、具体的な行動に焦点を当てることが大切です。
例えば、

「お客様の話を最後まで遮らずに聞いていたのは良かったです」
「ただ、最後の提案はもっと具体的に数字を交えて説明すると説得力が増します」

このように、良かった点と改善点をバランス良く伝えることで、参加者は成長の方向性を明確にできます。

また、本人だけでなく、見学していた他の参加者にも意見を求めることで、より多角的な学びが得られます。

ポイント

  • 最後までやりきらせる
  • 行動ベースで具体的に評価する
  • 良い点も改善点も伝える
  • 他の参加者からの意見も取り入れる

4. 振り返りと次への活用

4. 振り返りと次への活用

ロールプレイングの最後には、参加者全員で振り返りの時間を持ちます。自分が演じた役割や行動を客観的に見つめ直すことで、次に活かすための学びが深まります。

振り返りの方法としては、次のような質問が有効です。

  • 今日のロールプレイングでうまくいったことは何か?
  • 課題や改善点は何か?
  • 次に同じ状況になったら、どのように対応したいか?

これらを一人ずつ発表させることで、他の参加者も異なる視点から学ぶことができます。さらに、振り返りの内容を記録しておくと、次回の研修や日常業務での参考になります。

まとめ|ロールプレイング研修を成功させる鍵

ロールプレイング研修は、参加者が「自分ごと」として学びを体験できる優れた手法です。しかし、効果を最大化するには次のポイントが重要です。

  1. メリットを事前にしっかり伝える
  2. 現実に近い具体的な場面設定をする
  3. 行動に焦点を当てたフィードバックを行う
  4. 振り返りで学びを定着させる

この流れを押さえることで、単なる演習ではなく、参加者の行動変容につながる研修を実現できます。
ロールプレイングは、机上の知識を「実践力」に変える架け橋です。ぜひ日常の研修に取り入れ、社員一人ひとりのスキルアップと組織全体の成長につなげてください。