【接客業】出口までのお見送りは必要?|お客様に負担をかけずに出口までお見送りする方法

【接客業】出口までのお見送りは必要?|お客様に負担をかけずに出口までお見送りする方法

お客様にとって心地よい距離感を保つために

お客様にとって心地よい距離感を保つために

接客業に携わっている方であれば、「出口までのお見送り」という習慣に馴染みがあるでしょう。かつては丁寧なサービスの象徴とされ、お客様の感動を生む場面も少なくありませんでした。
しかし現代では、このお見送りが必ずしも喜ばれるとは限らず、むしろ「過剰」と感じられる場合もあります。本記事では、出口までのお見送りをやめる提案、そしてお店の方針でやめられない場合の自然な接客法についてお話しします。

1. 出口までのお見送り、本当に必要ですか?

まず、読者の皆さんにお聞きします。もしあなたが洋服を買いに行った際、店員から「出口までお持ちします」と言われたら、どう感じますか?
「ありがたい」と思う方もいれば、「少し苦手」と感じる方もいるでしょう。私個人としては、現代において出口までのお見送りは必ずしも有効ではないと考えています。

理由は大きく二つあります。

  1. 接客レベルの向上による希少性の低下
    かつては、出口までのお見送りが「特別感」を演出する一因でした。しかし今は、多くの店舗で接客の質が向上し、特別な印象を与える手段としては弱くなっています。
  2. 顧客ニーズとのズレ
    明確な統計はありませんが、実際にはお見送りを負担に感じるお客様も少なくありません。
    「ありがた迷惑」になってしまえば、せっかくのサービスも逆効果です。

2. サービスは足すだけでなく、引くことも必要

2. サービスは足すだけでなく、引くことも必要

接客の現場では、「あれもやろう」「これも加えよう」と、サービスを積み重ねる方向に意識が向きがちです。
しかし、時代や顧客層の変化に合わせて、あえてやめる判断も重要です。

例えば、出口までのお見送りが「嬉しい」と感じるお客様が全体の3割、「不要・苦手」と感じる方が7割だった場合、どちらに合わせるべきでしょうか。
大多数のお客様が心地よく過ごせる環境をつくるためには、不要と感じる人の意見にも目を向ける必要があります。

3. それでもやめられない場合の工夫

とはいえ、店舗の方針で出口までのお見送りが必須となっている場合、個人の判断で勝手にやめることはできません。
そんなときは、お客様に負担をかけない方法を取り入れましょう。

(1)「ここでいいです」と言われたら素直に引く

お客様から「ここで大丈夫です」と断られた場合、無理に出口まで同行するのは避けましょう。
「かしこまりました。本日はありがとうございました」と笑顔で感謝を伝えるほうが好印象です。
マニュアルに沿うことも大切ですが、最優先すべきはお客様の気持ちです。

(2)そもそも「出口までお持ちします」と言わない

断られるのは、多くの場合「出口までお持ちします」と明言してしまうからです。
それならば、言葉で宣言せず、自然に出口へ導く動線をつくればよいのです。

(3)自然に出口まで誘導する方法

たとえば、レジで商品を包み終えたら、お客様が荷物を受け取る前に笑顔で「お待たせいたしました」と声をかけ、出口の方向を軽く示します。
この間、数秒の沈黙が生じないよう、「旅行で着られるんですよね、楽しんできてください」や「今日は暑いようですのでお気をつけて」など、ちょっとした雑談を交えると、お客様も気楽に歩けます。

こうすることで、「お見送りされている」というよりも、自然な会話の流れで出口まで進むことができます。

4. 練習で自然さを磨く

4. 練習で自然さを磨く

自然なお見送りは、練習によって身につきます。
ロールプレイング研修では接客全体を通しで行うことが多いですが、お見送りシーンだけを切り取って繰り返すのも有効です。

  • レジから出口までの歩幅や距離感
  • 声のトーンや会話の切り出し方
  • 目線や姿勢

こうした細部を意識して繰り返せば、押し付け感のない、心地よいお見送りが可能になります。

5. まとめ

本記事でお伝えしたいことは、次の二つです。

  1. 時代に合わないサービスは思い切ってやめる勇気を持つこと
    サービスは足し算だけでなく引き算も必要。顧客ニーズを冷静に見極めましょう。
  2. やめられない場合は、お客様に負担をかけない形に変えること
    無理に出口まで同行するのではなく、自然な流れでお見送りする工夫を取り入れましょう。

お客様は一人ひとり異なる価値観を持っています。100人中100人が同じ接客に満足することはありません。だからこそ、形式ではなく「相手の心地よさ」を基準に考えることが、現代の接客には求められます。

出口までのお見送りは、その象徴的なテーマの一つです。
ぜひ現場での接客に取り入れ、サービスを「相手本位」に進化させていきましょう。