研修時間タイムマネジメント法|時間通りに進む3つのポイント

研修を時間通りに終わらせるためのタイムマネジメント術

研修を時間通りに終わらせるためのタイムマネジメント術

研修やセミナーを担当する講師にとって、「時間通りに終わらせる」ことは意外なほど難しく、また受講者の満足度を大きく左右する重要な要素です。内容の質や講師の話術が高くても、予定時間を過ぎてしまうと受講者の印象は一気に悪化します。特に企業研修では、受講者が終了後に業務へ戻るケースが多く、時間を超過すればその後の予定に影響が出てしまいます。

本記事では、研修を時間通り、できれば予定より5分前に終わらせるための考え方と具体的な実践方法を整理します。

時間通りに終える重要性

時間通りに終える重要性

受講者は、研修の後にもやらなければならない仕事や予定を抱えています。終了予定時刻を数分過ぎただけでも、受講者は時計を気にし始め、心の中では「早く終わらないかな」と思い始めます。これは集中力やモチベーションを下げる要因にもなり、せっかくの内容も十分に吸収されないまま終了してしまう恐れがあります。

また、研修の評価項目には「時間管理」が含まれることが多く、予定通りに終えることは講師としての信頼にも直結します。逆に、5分前に終えられると受講者から感謝されることも多く、満足度が向上します。

時間通りに終えるための3つのポイント

1.A4用紙1枚は10分を目安に

1.A4用紙1枚は10分を目安に

テキストや資料のボリュームが多すぎると、「すべてのページをこなす」ことが目的化してしまい、内容の理解や受講者との対話が犠牲になりがちです。基本的な目安として、A4用紙1枚あたり10分程度で進行できる分量に抑えると、余裕を持った進行が可能になります。

さらに、ワークや演習を挟む場合は、その分の時間を上乗せします。例えば簡単なワークであれば15~20分、グループディスカッションのように意見交換を伴う場合は30分程度が目安です。テキストの設計段階から、こうしたワーク時間も含めて構成を組み立てることが重要です。

2.テキストに進行時間を明記する

タイムマネジメントの精度を上げるには、テキストに具体的な進行時間を書き込む方法が効果的です。例えば、ページ左上に「11:00~11:10」といった形で目安時間を入れておくと、講師が進行状況を随時確認できます。

導入部分では、自己紹介やグループワークの自己紹介、リーダーやタイムキーパーの選出などを行います。この段階でアイスブレークも含め、20~30分以内に収めるのが理想です。その後、本編のテキストに入ることで、全体の進行がスムーズになります。

3.5分前終了を前提に組み立てる

終了予定時刻の5分前に終えることを前提にスケジュールを組みましょう。研修終了後、受講者は感想文や報告書を書いたり、担当者の話を聞く時間が必要になる場合があります。そのため、講義部分を早めに終えることで、質問やまとめの時間を確保でき、全体がゆとりをもって進行します。

この「前倒し終了」は、実は受講者にとって非常に価値のある配慮です。予期せぬトラブルや質問の多さにも柔軟に対応でき、講師自身の安心感にもつながります。

準備段階でのタイムマネジメント

準備段階でのタイムマネジメント

時間通りに終えるためには、当日のアドリブ対応だけでなく、準備段階から綿密なタイムマネジメントが欠かせません。以下のようなステップで事前準備を進めると効果的です。

  1. 全体の流れを紙に書き出す
    開始から終了までの流れを細かく分け、各パートの所要時間を見積もります。
  2. 余裕時間の確保
    設定時間の合計が終了予定時刻を超えないようにし、さらに5〜10分程度の余裕を持たせます。
  3. 重要度の低い部分を特定
    時間が押した場合にカットできる部分を事前に決めておきます。これにより、当日の柔軟な調整が容易になります。
  4. 時計を常に確認できる環境を作る
    手元の時計や会場のタイマーなどで、時間の経過を常に意識できる状態にします。

まとめ

研修を時間通りに終えることは、講師としての評価だけでなく、受講者の満足度や学びの質にも直結します。そのためには、A4一枚10分の原則テキストへの進行時間明記5分前終了の設計という3つのポイントを押さえ、準備段階から意識的にタイムマネジメントを行うことが大切です。

講義の中身や話術ももちろん重要ですが、限られた時間の中で受講者に価値を届けるためには、「時間管理の技術」こそが講師の力量を左右する鍵と言えるでしょう。

以下に講師に向けたチェックリストとタイムテーブルテのテンプレートを記載します。ご参考にしていただけると幸いです。

講師向けチェックリスト

事前準備編

▢研修の目的とゴールを明確にしている
▢全体の時間配分を紙またはデジタルで作成している
▢各パートの所要時間を設定(A4一枚=約10分)
▢ワーク・ディスカッション時間を計算に含めた
▢余裕時間(5〜10分)を確保している
▢時間が押した場合に削る内容を決めている
▢テキスト左上に進行時間を書き込んでいる
▢必要な資料・配布物・備品を用意した
▢時計やタイマーの準備(見やすい位置に設置)

当日進行編

▢開始前に受講者の状況や表情を確認
▢冒頭で全体スケジュールを受講者に共有
▢各パートの終了時刻を意識して進行
▢時間が押した場合は事前に決めたカット部分を実施
▢終了予定5分前に講義をまとめに入る
▢終了後に質問や感想タイムを確保
▢全体を予定時間または5分前に終了

研修進行表フォーマット(例)

時間内容詳細備考
09:00〜09:10オープニング講師自己紹介、研修目的説明受講者自己紹介を含む場合は15分
09:10〜09:30アイスブレークグループ自己紹介、役割決めリーダー・タイムキーパー選出
09:30〜09:50講義①基本概念の説明A4 2ページ分
09:50〜10:10ワーク①ペアワークまたは個人演習15〜20分目安
10:10〜10:30講義②応用内容の解説質疑応答3分含む
10:30〜10:50グループディスカッションケーススタディ発表者選出あり
10:50〜11:05講義③まとめ・実務への応用5分前終了を意識
11:05〜11:10質疑応答・クロージング感想共有、次回案内アンケート記入時間確保

この進行表は、「A4一枚10分」「5分前終了」 の原則を反映させたテンプレートになっています。
講師はこの表を印刷して手元に置き、進行中にメモを加えることで、次回以降の改善点にも活かせます。