
研修やセミナーの場では、講師が受講者に質問を投げかけたり、意見を求めたりする場面が多くあります。このとき、誰を最初に指名するかは、会場全体の空気を大きく左右します。特に、まだ受講者同士も打ち解けていない冒頭の時間帯や、少し緊張感が漂っている場面では、講師の一声がその後の雰囲気づくりのカギとなります。
結論から言えば、最初に指名するのは「元気で明るい人」が最適です。なぜそう言えるのか、その理由と具体的な効果、そして注意すべきポイントを順を追って解説します。
元気な人を指名すると、会場全体の空気が一気に和みます。
研修の場は、多くの人にとって非日常的な空間です。初めて顔を合わせる受講者同士が多ければ、当然ながら緊張感や遠慮が生まれます。そこで、最初に発言する人が明るく、声にハリがあり、表情も豊かな人であれば、そのエネルギーが会場全体に伝播します。
例えば、講師が質問を投げかけたとき、元気な人が笑顔で「はい!」と手を挙げて答えてくれると、他の受講者も「この場は安心して発言できそうだ」と感じやすくなります。これが、研修をスムーズに進めるための「空気づくり」の第一歩となるのです。
最初に発言した人の雰囲気は、その後の発言者の心理にも影響します。
もし第一声が暗く小さな声で、あまり自信のない様子だった場合、他の受講者は「私もこんなふうに話したらどう思われるだろう」と不安を感じ、発言を控えてしまうかもしれません。
逆に、最初の発言者が明るく堂々としていれば、「この研修では、少し砕けた雰囲気で話しても大丈夫なんだ」と安心感が広がります。特に、日本人は周囲の空気を重視する傾向が強く、「最初の人がどうだったか」を無意識に参考にします。そのため、明るい人を最初に指名することで、全員が発言しやすい流れを作れるのです。
講師の指名方法ひとつで、受講者の心理的な負担は大きく変わります。
人前で話すことが苦手な人や、まだ場に慣れていない人をいきなり指名すると、緊張で頭が真っ白になったり、言葉に詰まってしまったりすることがあります。こうした経験は、その受講者にとって「恥ずかしい思い出」となり、以後の研修参加意欲を下げかねません。
一方で、元気で人前に出ることをあまり負担に感じない人であれば、指名されても軽やかに応じられることが多く、失敗しても笑いに変えられる余裕があります。この「余裕」を持つ人を見極めて最初に指名することで、誰も傷つけず、会場全体の安心感を保つことができます。

では、研修開始直後にどうやって「元気な人」を見つければいいのでしょうか。
開始前の雑談や、アイスブレイク中の様子を観察するのが効果的です。
こうした特徴を持つ人は、比較的安心して指名できるケースが多いです。講師としては、開始数分間でこうした観察を行い、最初に指名する候補を頭の中で決めておくとスムーズです。
元気な人を選ぶだけでなく、指名の仕方にも工夫が必要です。唐突に名前を呼ぶのではなく、少し場を和ませてから指名すると、よりスムーズに発言を引き出せます。
例えば、
「今、一番いい笑顔をしてくださっている○○さん、お願いできますか?」
「先ほどからうなずきをたくさんくださっている○○さん、ぜひ一言お願いします」
このように、指名の理由を軽く添えることで、本人も周囲もポジティブに受け止めやすくなります。
最初に指名された人が明るく発言し、それが会場全体の笑いや共感を呼べば、それは研修の流れを大きく好転させます。受講者は「発言しても大丈夫」「この研修は安全な場だ」と感じ、主体的に参加するようになります。
逆に、最初の指名で場が固まってしまうと、その後の発言促しが難しくなります。だからこそ、講師は最初の一声にこだわり、元気な人を選ぶという配慮を欠かしてはなりません。

研修で受講者を指名する際、最初に選ぶのは「元気で明るい人」がベストです。
その理由は以下の3つです。
講師は、開始直後から受講者の様子を観察し、最初に指名する人を見極める力を磨くことが大切です。適切な人選と指名の仕方によって、研修全体の雰囲気は格段に良くなり、学びの効果も高まります。