
~脅迫型クレーマーへの冷静な向き合い方~
企業や店舗で働く中で、避けて通れないのが「クレーム対応」です。
その中でも特に厄介なのが、理不尽かつ威圧的な態度で要求を突きつけてくる「脅迫型クレーマー」。
今回の記事では、実際の事例をもとに、こうした相手にどう対応すべきかを解説します。
1. 実例:脅迫型クレームの現場
あるサプリメント販売会社に寄せられた1本の電話。
相手は「御社のサプリの価格が高すぎる」と強い口調で抗議を始めました。
お客様:「1か月分で8万円?他では1,000円で売ってるぞ!暴利じゃないのか!」
担当者:「大変申し訳ございません。原材料を厳選しておりまして…」
お客様:「申し訳じゃすまん!ネットに書き込むぞ、2ちゃんに投稿するからな!」
担当者:「ネットに書き込まれるということですね。それは困りました…」
会話は30分以上続き、お客様は何度も「ネットに晒す」「訴える」などの脅し文句を繰り返しました。
最終的に担当者は冷静に対応を続け、要求を飲むことなく通話を終了しています。
2. 脅迫型クレーマーとは
脅迫型クレーマーは、自分の要求を通すために「ネットへの書き込み」「消費者センターへの通報」「法的手段を取る」などの脅しを使います。
多くの場合、こうした脅しは実際に行動することよりも、相手を動揺させ譲歩を引き出すことが目的です。
特徴

威圧的な言葉遣い
同じ主張や脅し文句を繰り返す
要求が非現実的または過剰
感情的な高ぶりで冷静な対話が困難
3. 対応の基本方針
脅迫型クレームにおいて最も重要なのは、脅しに屈しないことです。
一度でも要求を受け入れてしまうと、クレーマーは「脅せば通る」と学習し、再び同様の行動に出る可能性が高まります。
以下、対応のポイントを2つご紹介します。
ポイント① 脅しに動じない

「ネットに書くぞ」「訴えるぞ」と言われると、つい「やめてください」と返してしまいそうになります。
しかし、これは絶対に避けるべきです。
その瞬間、相手は優位に立ち、要求を強化してきます。
冷静に事実を確認し、過剰な要求は会社として受け入れられない旨を丁寧に伝えましょう。
ここで感情的になったり、安易に謝罪や譲歩を重ねたりすることは危険です。
ポイント② オウム返しと「K言葉」でトーンダウンを待つ
脅迫型クレーマーの勢いを削ぐには、「オウム返し」と「K言葉」が有効です。
オウム返し:相手の発言をそのまま繰り返す
例:「ネットに書き込むぞ」→「ネットに書き込まれるということですね」
K言葉:「困りましたね」「苦しいです」「怖いです」といった受け止めの言葉
例:「それは困りました。ただ、お客様の行動をこちらで制限することはできません」
この2つを組み合わせると、相手は「脅しが通じない」ことを察し、肩透かしを食らいます。
結果として、勢いが削がれ、会話を終える方向へと進みやすくなります。
4. 実践例:会話の流れ
お客様:「ネットに書き込むぞ!」
担当者:「ネットに書き込まれるということですね。それは困りました。」
お客様:「困るなら何とかしろ!」
担当者:「私どもも困ってしまいます。ただ、価格については社の方針でして…」
このように「困りました」「それは…ですね」と受け止めつつ、譲歩しない回答を繰り返します。
5. 危険を感じた場合の対応
まれに、相手が「今から行く」「危害を加える」などの発言をする場合があります。
この場合は迷わず警察への相談を検討してください。
相手の言葉を確認する
例:「包丁を持っていらっしゃるということですね。それは怖いので警察に相談します」
上司へ速やかに報告
警察への通報をためらわない
自身や同僚の安全確保が最優先です。

脅迫型クレームは、精神的にも大きな負担を与えます。
しかし、対応の原則を理解し、冷静に受け止める姿勢を持てば、相手のペースに巻き込まれずに済みます。
脅しに屈しない
オウム返しとK言葉で感情の高ぶりを和らげる
危険な発言があれば警察へ相談する
この3つを守ることが、理不尽クレーム対応の鍵です。
この対応術は、電話応対だけでなく、店頭やメールでのやり取りにも応用できます。
一度冷静にシミュレーションし、社内で共有しておくことで、いざという時の安心感が大きく変わります。