仕事で差がつく!正しい敬語とスマートな言い換え集
ビジネスの現場では、話す内容だけでなく、その言葉遣いが相手の印象を大きく左右します。特に敬語や丁寧語は、一見正しそうでも実は誤用されていることがあります。本記事では、うっかり使いがちな間違いと、より自然で正しい言い回しを紹介します。
1. 金額や受け取り時の言葉遣い
お金のやり取りで「〜からお預かりします」という表現は、日常的にはよく聞かれますが、正しくは「〜お預かりいたします」です。
- ✖ 5000円からお預かりいたします
- 〇 5000円お預かりいたします
同様に、「〜ちょうどお預かりします」も、「〜頂戴いたします」が自然です。
- ✖ 2160円ちょうどお預かりいたします
- 〇 2160円頂戴いたします
2. 確認や質問の表現
過去形の「よろしかったでしょうか」は敬語として不適切です。現在形を用いるのが基本です。
- ✖ こちらでよろしかったでしょうか
- 〇 こちらでよろしいでしょうか
注文や内容確認も同様です。
- ✖ ご注文は以上でよろしかったでしょうか
- 〇 ご注文は以上でよろしいでしょうか
3. 過剰な「〜の方(ほう)」の削除
日本語では「の方」を不要に付ける癖が出やすいですが、多くの場合は削った方が簡潔で洗練されます。
- ✖ 鈴木は本日東京の方に出張に行っております
- 〇 あいにく鈴木は本日出張しております
- ✖ 部長はただいま会議の方に出ております
- 〇 部長はただいま会議に出ております
4. 依頼・対応の申し出
自分が行うことを示す場合も「の方」は不要です。
- ✖ 私の方で代わりに対応します
- 〇 私が代わりに対応いたします
また、案内時の「伺う」は自分側の行動を意味するため、相手に求める場合は「お尋ねください」が適切です。
- ✖ あちらの窓口で伺ってください
- 〇 あちらの窓口でお尋ねください
5. あいさつ・呼びかけの言葉
呼称や敬称も注意が必要です。
- ✖ 山田社長様はいらっしゃいますか
- 〇 社長の山田さまはいらっしゃいますか
会社への敬称は、口頭では「御社」、文章では「貴社」を使い分けます。
6. 謝罪や否定の表現
- ✖ とんでもないです
- 〇 とんでもないことでございます
- ✖ すみません(カジュアル)
- 〇 申し訳ございません(ビジネス向き)
7. 休暇や勤務に関する言い回し
「休みを頂戴する」はやや不自然です。「休みを取る」「休ませていただく」が自然です。
- ✖ 佐々木は本日お休みを頂戴しております
- 〇 あいにく佐々木は本日休んでおります
また、「やらさせていただきます」は二重敬語のため、「やらせていただきます」または「対応いたします」が正しい形です。
8. 動詞の誤用
- ✖ 来れますか
- 〇 来られますか
- ◎ お越しいただけますか(より丁寧)
9. 判断や感想の表現
- ✖ 内容これで大丈夫と思います
- 〇 内容これで大丈夫だと思います
- ✖ その服、よくお似合いと思います
- 〇 その服、よくお似合いだと思います
10. 日常会話でのワンランク上の言い換え
「なるほど」
→ おっしゃるとおりです/確かにそうですね/ごもっともです
「大丈夫です」
→ 問題ございません/差支えありません/お気持ちだけいただきます(断る場合)
「わかりません」
→ 不勉強で申し訳ございません
「それでいいです」
→ 異存ありません/賛同します
「ぶっちゃけていうと」
→ 率直に言うと/単刀直入に言うと
11. ネガティブ表現の上品な言い換え
「やばい」
→ 大変だ/都合が悪い/危惧される
「忘れてました」
→ 失念しておりました
「確認してください」
→ ご確認のほど、よろしくお願いいたします
「教えてください」
→ ご教示ください/お知恵を拝借できますか
「すごい」
→ 非の打ちどころがないですね/お手のものですね
ビジネス敬語・言い換え練習問題
次の文章をより適切な敬語に言い換えてください。
【問題1】お金・金額の受け取り
- 「5000円からお預かりいたします」
- 「2160円ちょうどお預かりいたします」
【問題2】確認・質問
- 「こちらでよろしかったでしょうか」
- 「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」
【問題3】「の方」の削除
- 「鈴木は本日東京の方に出張に行っております」
- 「部長はただいま会議の方に出ております」
【問題4】依頼や案内
- 「私の方で代わりに対応します」
- 「あちらの窓口で伺ってください」
【問題5】あいさつ・呼びかけ
- 「お世話様です」
- 「山田社長様はいらっしゃいますか」
【問題6】謝罪・否定
- 「とんでもないです」
- 「すみません」
【問題7】休暇・勤務
- 「佐々木は本日お休みを頂戴しております」
- 「休日出勤の振り替えで明日は勤務を休まさせていただきます」
【問題8】動詞の正しい形
- 「明日10時に来れますか」
- 「その服、よくお似合いと思います」
【問題9】日常会話の言い換え
- 「なるほど」
- 「大丈夫です」
- 「わかりません」
- 「やばい」
【解答例】
- 「5000円お預かりいたします」
- 「2160円頂戴いたします」
- 「こちらでよろしいでしょうか」
- 「ご注文は以上でよろしいでしょうか」
- 「あいにく鈴木は本日出張しております」
- 「部長はただいま会議に出ております」
- 「私が代わりに対応いたします」
- 「あちらの窓口でお尋ねください」
- 「お世話になっております」
- 「社長の山田さまはいらっしゃいますか」
- 「とんでもないことでございます」
- 「申し訳ございません」
- 「あいにく佐々木は本日休んでおります」
- 「休日出勤の振り替えで明日は休みをいただきます」
- 「明日10時に来られますか」または「お越しいただけますか」
- 「その服、よくお似合いだと思います」
- 「おっしゃるとおりです」/「確かにそうですね」
- 「問題ございません」/「差支えありません」
- 「不勉強で申し訳ございません」
- 「大変だ」/「都合が悪い」/「危惧される」
おわりに
言葉は相手への敬意を示す道具です。正しい敬語や自然な言い回しは、相手に安心感と信頼感を与えます。日々の会話の中で少しずつ意識して使い分けることで、ビジネスの場面での印象が格段に良くなります。