受講者が3分でやる気になる/研修の冒頭で伝える3つのポイント

本日のテーマは「受講者を3分でやる気にさせる」ことについてです。
「3分でやる気になるなんて、本当に可能なのだろうか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、企業研修の現場では、この最初の数分間が非常に大きな意味を持ちます。

受講者が3分でやる気になる/研修の冒頭で伝える3つのポイント

多くの研修で見受けられるのは、参加者の中にどうしても後ろ向きな気持ちで来られている方がいるという現実です。例えば、「部長に言われたから仕方なく来た」とか、「年間スケジュールに組み込まれているから、仕事をしたいのに参加せざるを得なかった」といった理由で出席される方です。もちろん中には「学びたい」という前向きな姿勢の方もいらっしゃいますが、どうしても「仕方なく」という気持ちで参加している方が一定数いるのです。

そのような方々は自己紹介の場面やちょっとした会話からも雰囲気が伝わってきます。中には実際に「今日はよく分からないけれど来ました」と率直に口にされる方もいます。この状況をそのまま放置して研修を進めてしまうと、1日を通してモチベーションが上がらず、結果として研修の効果が半減してしまいます。受講者にとっても有意義な時間にならず、講師自身にとってもやりがいを感じにくくなるのです。

だからこそ大切なのは、冒頭の数分で受講者の気持ちを切り替えることです。自己紹介の後にアイスブレイクを取り入れ、受講者が「学んでみようかな」と自然に前向きになれるように仕掛けていく必要があります。

学生時代の学びから切り込む導入

そのための一つの方法として、まず「学生時代に学んだこと」の話題を切り口にするのが効果的です。たとえば、微分積分や円周率を覚えていても、実生活や仕事で直接役立っている人はほとんどいないでしょう。また、歴史の年号――かつて「いい国作ろう鎌倉幕府」と覚えたものが、今では「いい箱を作ろう」に変わっていることをご存知ですか?実は7年早まっているのです。しかし、それを知らなくても仕事には何の支障もありません。

つまり、学生時代に暗記した多くの知識は社会に出てから直接役立つことが少ないのです。反対に、私たちが自分で体験したこと、身につけたことは自然と自信を持って取り組むことができます。

例えば、道端で「すみません、ハンドボールの試合で人が足りないのですが」と声をかけられたら、「私はサイドをやっていましたから役に立てるかもしれません」と答えられるでしょう。しかし、もし「カバディに参加してください」と言われたらどうでしょうか。テレビで「カバディ、カバディ」と唱えている姿を見たことはあっても、ルールもやり方も分からないので断るしかありません。

このように、経験があるものには自信を持って取り組める一方、経験がないものには「苦手意識」が生まれます。実はプレゼンテーションやコミュニケーションに苦手意識を持つ方が多いのも同じ理由です。単に「学んでいないだけ」なのです。

きちんと学べば、誰でも話し方を改善できますし、コミュニケーションも磨くことができます。ビジネスマナーも同じです。学んだからこそ「相手に恥をかかせない」「不快にさせない」という配慮ができ、社会人としての成長を実感できます。こうした話を最初に共有することで、受講者は「自分も学べば成長できるのだ」と気づき、自然と前向きになっていきます。

3分でやる気にさせる3つのポイント

3分でやる気にさせる3つのポイント

ここで、実際に3分で受講者のやる気を引き出すための具体的な方法を3つ紹介します。

  • 研修の目的を明確に伝える

まず大切なのは、「なぜこの研修を受けるのか」をはっきりと示すことです。これまで学んでこなかったから苦手意識を持っていた、あるいは自信がなかった。だからこそ、研修を通じてその壁を取り除き、成長につなげられるのだということを伝えます。目的が見えれば、参加者は「やってみよう」と思えるようになります。

  • 研修を受けるメリットを具体的に示す

次に、「この研修を受けることであなたにどんなメリットがあるのか」を伝えます。
例えば話し方研修なら、「自分の意見をうまく伝えられず恥ずかしい思いをしたことはありませんか?」と問いかけます。その課題が研修を通じて解消できると伝えれば、学ぶ意欲は自然に高まります。

ビジネスマナーでも同様です。朝の挨拶一つとっても、笑顔で挨拶するのと、眠そうに投げやりに挨拶するのとでは、相手に与える印象が全く違います。「自分はどちらの人と働きたいですか?」と問いかければ、多くの人が答えに気づきます。笑顔の挨拶が信頼につながり、職場の雰囲気を良くするという具体的なメリットを伝えることで、受講者は「それならやってみよう」と思えるのです。

  • 講師自身がやる気に満ちていることを示す

最後に、最も重要なのは講師自身の姿勢です。講師がやる気に満ちていなければ、受講者にやる気を与えることはできません。大げさに「元気ですか!」と声を張り上げる必要はありませんが、表情や姿勢、声のトーン、アイコンタクトなどから「今日は全力で向き合っています」というメッセージを伝えることが大切です。

まとめ

まとめ

以上の3点を意識すれば、受講者を3分でやる気にさせることは十分に可能です。冒頭で「やる気がなさそうだな」と感じる参加者がいても、目的を示し、メリットを伝え、そして講師自身が前向きな姿勢を見せれば、必ず空気は変わります。

研修は最初の数分で大きく方向性が決まります。ぜひこの3つの方法を実践して、受講者の気持ちを高め、効果的で充実した研修を実現してください。