「ビジネスマナーは知識ではなく実践だ」とよく言われます。
いくら本や研修で学んでも、実際の現場で咄嗟に正しく行動できなければ意味がありません。
そこで今回は新企画として、あえて事前に内容を知らせず、突然ビジネスマナーのシチュエーションを出題し、咄嗟にどう行動できるかをテストしてみました。実際の現場さながらの緊張感の中でこそ、日頃の習慣や理解が試されるものです。
さて、あなたはこのテストを受けたとき、果たして正しく対応できるでしょうか?本記事では、出題した具体的な場面と、理想的な対応方法を解説していきます。ぜひ一緒にシミュレーションしながら挑戦してみてください。
最初のシチュエーションは電話での一場面です。
あなたは取引先に向かう途中で、「今から行きます」と伝える必要があります。このとき、正しい敬語は何でしょうか?

答えは「今から参ります」または「今から伺います」です。
一見丁寧に聞こえる「ただいまより参ります」という表現は誤用です。「ただいま」は「今まさに」という意味を持ち、「これから移動する」というニュアンスには合いません。
普段何気なく使っている表現ほど、意外と正しく理解できていないことがあります。敬語は“知識”ではなく、“反射的に口から出せるか”が重要なのです。
次のシチュエーションは、取引先と話している最中に通信が乱れ、相手の声が突然聞こえなくなった場面です。思わず「もしもし?」と口にしていませんか?

ビジネス電話で「もしもし」は使いません。
正しくは「恐れ入ります、お声が途切れております」と状況を伝えましょう。数度呼びかけても応答がなければ「お声が聞こえなくなりましたので、一度お電話を切らせていただきます」と伝えてから静かに切ります。
こうした細やかな一言で、相手の印象は大きく変わります。咄嗟の対応力こそプロフェッショナルの証です。
来客をオフィスに案内するとき、エレベーターを使う場面は日常的にあります。ここで案内役が適切に振る舞えるかどうかで、会社全体の印象が左右されるといっても過言ではありません。
さて、あなたならどこに立ちますか?

案内役が最初に乗り込み、操作パネルの前に立ちます。
地位の高いお客様はその後方に、その次に高い立場の方は左横に立ち、時計回りに配置するのが基本です。もし最初の誘導で配置が乱れてしまった場合は、「失礼いたします」と声をかけて調整します。
この小さな所作ひとつで「気配りが行き届いた会社だ」と思ってもらえるかどうかが決まります。
初対面の相手と会う大切な場面。ところが、うっかり名刺入れを忘れてしまいました。あなたはどう切り抜けますか?

「忘れました」や「失念しました」は避けましょう。
代わりに「本日はあいにく名刺を切らしております」と伝えるのが正解です。そのうえで、口頭で名前と所属をしっかり伝え、後日改めて名刺をお届けすると誠意が伝わります。
失敗は誰にでもありますが、大切なのはその後のリカバリーです。場を整える言葉選びこそ、社会人の力量が問われる瞬間です。
最後のシチュエーションは、社内の廊下で来客と鉢合わせする場面です。多忙なとき、つい「軽く会釈」だけで通り過ぎていませんか?

正しい対応は、一度立ち止まり、体をお客様に向け、会釈程度の15度でお辞儀をすることです。その際「いつもお世話になっております」と挨拶に一言添えると、誠意がより伝わります。
こうした場面はほんの数秒ですが、積み重ねることで「感じの良い社員が多い会社だ」という印象を確実に残すことができます。

今回のテストを通じて実感したのは、ビジネスマナーは「知っているかどうか」よりも「身についているかどうか」が大切だということです。
突然の出題に慌ててしまった方もいたかもしれませんが、それこそが実際のビジネス現場です。予告なしに訪れるシーンで、自然に正しい行動ができるようになるには、日々の業務で意識して練習を積み重ねるしかありません。
また、個人の努力に加えて、組織としてマナーを重視する文化を作ることも大切です。定期的な研修やロールプレイを取り入れることで、社員全体のスキルを底上げすることができます。
今回の「咄嗟にできるかテスト」はいかがでしたか?
言葉遣い、電話応対、立ち居振る舞い、名刺交換、挨拶といった基本的なマナーは、実は日常の中で突然試される場面が多いものです。
完璧である必要はありません。しかし、常に「相手を思いやる」意識を持ち、習慣として身につけておくことで、どんな場面でも落ち着いて対応できるようになります。
ビジネスマナーは知識よりも実践。今日から少しずつ意識を変え、日々の行動に取り入れてみてください。そうすれば、次に突然テストされても自信を持って答えられるはずです。