就職活動の中で誰もが避けたいもの――それは「面接で落とされること」ではないでしょうか。
しかし多くの学生が「なぜ落とされたのか」を明確に理解できないまま、次の選考に臨んでしまうのが現実です。ここでは、面接官の視点に立ちながら「落とされやすい人の特徴」と「突破のための考え方」を丁寧に解説していきます。

まず大前提として理解しなければならないのは、企業側の視点に立つことです。
「そんなことはわかっている」と思う方もいるかもしれません。しかし本当の意味で企業の立場を理解して面接に臨んでいる学生は意外と少ないのです。
そもそも、企業はなぜ採用活動をするのでしょうか。
「新しい風を入れたい」「若い考えを取り入れたい」――これらも一理あります。ですが一番大きな理由はもっと単純です。
それは、人を増やしたい、減らしたくないから。
企業は高い費用を払って求人を出し、多忙な中で担当者が時間を割いて説明会や面接を行います。こうして大切に集めた人材がもしすぐ辞めてしまったら、今までの投資や労力がすべて無駄になってしまうのです。
だからこそ、面接官は「この人はすぐ辞めてしまわないか」「内定を出しても辞退するのではないか」という点を常に見ています。

厚生労働省などの調査によれば、新卒で早期離職する理由の第一位は「入社してみたら思っていた仕事と違った」というものです。
つまり、仕事内容や会社の目的を理解していない学生ほど、すぐ辞めてしまうリスクが高いと判断されます。
たとえば、出版社に入社したいと思い応募した学生がいたとします。しかしその会社が力を入れていたのは紙の出版ではなく電子書籍事業であり、「紙の本で文化を守りたい」という志望動機とずれていたとしたら…。入社後にミスマッチを感じ、早期退職につながるのは容易に想像できます。
ですから、企業研究では最低限以下の2点を徹底的に調べておく必要があります。
この理解が浅いと、「何となく知名度があるから」「業種がかっこいいから」という曖昧な理由で受けに来たと見抜かれ、面接官からマイナス評価を受けてしまうのです。

企業研究と並んで重要なのが自己分析です。
自分が何に喜びを感じ、何が苦手で、どんな目的で働きたいのか。これを整理することで、企業の方向性と自分の軸が合っているかどうかを判断できます。
これらを言語化したうえで、面接では「自分が仕事を通じて実現したいこと」と「企業の目的」とを結び付けて語ることが求められます。ここで注意すべきは、自分の目的が独りよがりにならないこと。あくまで「企業や社会に貢献すること」を軸に据える必要があります。

面接は20〜30分程度が一般的ですが、場合によっては5分ほどで判断されることもあります。ではその短時間で何を見ているのか。
実は、「良い人物っぽく見えるかどうか」なのです。
もちろん会話の内容も大切ですが、それ以上に大きな影響を与えるのは見た目と声です。
面接官が「この人は仕事ができそう」と感じる要素は、次の6つに集約されます。
これらをすべて意識し続けるのは難しいですが、もっとも効果的に印象を変えるのが最初の挨拶です。
「よろしくお願いします」とぼそぼそ呟くのではなく、姿勢を正し、笑顔ではっきりと挨拶するだけで、面接官の目の色が変わります。特にリモート面接では声のトーンと表情が重要です。事前に録画して練習しておくと安心です。
多くの企業は採用ページで「求める人物像」を公開しています。しかし大半は抽象的で、「主体性」「チャレンジ精神」といった言葉にとどまっています。
ここで考えるべきは、
という点です。
例えば「チームワークを大切にする人」とあった場合、単に「私には協調性があります」と言っても説得力はありません。グループワークで独り勝ちを目指すのではなく、他人の強みを活かして成果を出す姿勢が本物のチームワークです。
また、会社説明会に登場する若手社員や先輩社員の言動も大きなヒントです。彼らは「会社が理想とする人物像」の体現者であり、その思考や姿勢を参考にすると、評価されやすい受け答えができるようになります。
ここまで「面接に受かるための方法」を解説してきましたが、忘れてはいけないのは自分を偽りすぎないことです。
もし企業研究や自己分析を進める中で、「自分の価値観とどうしても合わない」と感じるなら、その会社はあなたに向いていない可能性があります。面接は企業が学生を選ぶ場であると同時に、学生が企業を選ぶ場でもあります。
面接で落とされる人の多くは、
逆に言えば、
この4点を徹底すれば、面接官から「この人はすぐ辞めないだろう」「会社で活躍できそうだ」と思われる確率は格段に上がります。
就職活動はゴールではなくスタートです。自分に合った会社で長く活躍するために、ぜひ面接の場を「自分と企業の相性を確かめる場」として大切にしてください。