【ASD】話し方・会話の特徴17選前編|大人の発達障害|ADHD|アスペルガー|自閉症

ASD(自閉症スペクトラム)における話し方の特徴と対策

 ASD(自閉症スペクトラム障害)や発達障害は、会話やコミュニケーションに特徴が出ることがあります。自分が話し方で周囲にどう見られているのか気にする方や、話し方の特徴から自分がASDであると気づかれることを心配する方もいるでしょう。本記事では、ASDの話し方の特徴を理解し、ASDの特性がある方が周囲とのコミュニケーションをより良いものにするための対策をご紹介します。

ASDとは何か

 ASDとは「自閉症スペクトラム障害」の略で、以前の診断名であるアスペルガー症候群や自閉症を含む広範な発達障害の一つです。従来はアスペルガー症候群や高機能自閉症といった診断名がありましたが、現在はASDとして一括して捉えられるようになっています。ASDには主に以下の三つの特性が見られることが一般的です。

  1. 社会性の特性 – 他者との関わり方が苦手で、独特の行動パターンを持つことが多いです。
  2. コミュニケーションの特性 – 言葉や非言語的な表現を理解したり使ったりするのが難しいことがあります。
  3. 想像力やこだわりの特性 – 特定の物事へのこだわりが強く、柔軟に対応することが難しい場合があります。

こうしたASDの特性が、話し方にも影響を及ぼし、周囲の人にとって「少し変わっている」と感じられることがあります。しかし、ASDの特徴がどのように表れるかは個人差が大きく、一概に「ASDらしい話し方」というものがあるわけではありません。ですので、以下の話し方の特徴は人によって当てはまることもあれば当てはまらないこともある、という前提で読んでいただければ幸いです。

ASDに見られる話し方の特徴7選

ASDに見られる話し方の特徴7選

 ここからは、ASDの方に見られる話し方の特徴を7つ挙げ、それぞれの特徴について具体例と共に解説します。

1. 表情や抑揚の変化が少ない

ASDの方は、話し方において表情や声の抑揚が少ないことがあります。たとえば、元気よく挨拶しているつもりでも、周囲から見ると表情が硬く見えることがあります。この特徴は、自分では意識していなくても無意識に出てしまうことが多く、周囲に「冷たい」「興味がない」と誤解されることがあります。

2. 曖昧な質問への回答に困る

ASDの方は、曖昧な質問に答えるのが難しいことがあります。たとえば「最近どう?」といった漠然とした質問に対して、「最近の範囲はいつから?」や「どう、とは何について?」と細かく考えてしまい、返答に困ることがあります。あらかじめ「最近はまあまあです」といった定型的な答えを準備しておくことで対応しやすくなることがあります。

3. 場面に応じた言葉遣いが難しい

場面に応じた適切な言葉遣いや敬語を使うのが苦手なASDの方もいます。たとえば、初対面の人にため口で話してしまったり、親しい人に対しても敬語を続けてしまうことがあります。また、敬語表現が混乱し、丁寧語・尊敬語・謙譲語が混ざってしまうことも少なくありません。この場合、自分にとって使いやすい言葉遣いを決めておくと会話がスムーズになることがあります。

4. 自分の気持ちや考えを把握しづらい

ASDの中には、感覚鈍麻や感覚過敏といった特徴があり、自分の感情や考えをうまく認識できないことがあります。「どう感じた?」「どう思う?」と聞かれても、自分の気持ちが分からず答えられない場合があります。このような場合は、あらかじめ自分の気持ちを言葉にする練習をしておくと、感情表現がしやすくなるかもしれません。

5. 失言してしまうことがある

ASDの方は、相手の気持ちや場の雰囲気を汲み取るのが難しいため、無意識に失礼なことを言ってしまう場合があります。たとえば、冗談で言ったつもりの一言が相手を傷つけてしまうこともあります。失言を防ぐためには、よく使う表現をチェックして、言い換えや柔らかい表現を意識することが有効です。

6. 空気を読まずに発言してしまう

空気を読むのが苦手なため、場の雰囲気にそぐわない発言をしてしまうことがあります。たとえば、社員研修の場で「挨拶は信頼関係を築くために大切です」と話しているときに、「私は信頼されたくないので挨拶しません」と発言してしまうこともあります。このような発言が誤解を招かないためには、ある程度、相手の意図を理解する練習をすることが助けになります。

7. 話すタイミングが分からない

ASDの方は、非言語コミュニケーション(表情や仕草など)を読み取るのが難しいため、話しかけていいタイミングが分からずに悩むことがあります。たとえば、職場で同僚が集中しているときに話しかけてしまう、あるいは逆に話しかけていいタイミングを逃してしまうことがあります。職場でのコミュニケーションは、あらかじめルールを決めておくとスムーズに行えます。

ASDの話し方に対する対策

ASDの特徴を理解することで、周囲とのコミュニケーションを改善することができます。以下は、ASDの方が自身の話し方の特徴に対して講じることのできるいくつかの対策です。

  • 練習とフィードバック:話し方や表情の練習をし、周囲からフィードバックを受けることで改善が期待できます。鏡の前で表情の練習をしたり、録音して声のトーンを確認すると効果的です。
  • あらかじめ用意した定型表現を活用:曖昧な質問に答えやすいように、「まあまあです」「良い感じです」といった定型的な答えを用意することで、緊張が和らぎます。
  • 言葉遣いの練習:敬語や丁寧な言葉遣いが苦手な場合は、あらかじめシチュエーション別に言葉遣いを練習しておくと良いでしょう。
  • 場面ごとの「空気の読み方」の確認:話すタイミングや空気を読むのが難しい場合は、信頼できる人に事前に「この場面ではこうした方が良い」といったアドバイスをもらうのも有効です。

まとめ

まとめ

 ASDの方に見られる話し方の特徴は、相手とのコミュニケーションにおいて誤解や摩擦を生むこともありますが、対策を立てることでスムーズにやりとりをすることができます。自分の特性を理解し、話し方の特徴を意識して工夫することで、日常の会話や仕事の場面でもより良い関係を築くことができるでしょう。