チック症/トウレット障害についてわかりやすく解説!

【知的障害・自閉症スペクトラム・発達障害に関連しやすい障害】

今回は、トゥレット障害というチック症の一種について説明します。
自閉症知的障害に見られるトゥレット障害の特徴を理解し、チック症状を和らげるための適切な
薬物療法や対処方法についても触れていきます。

トゥレット障害は幼児期、小児期、または青年期に発症するチック症の一種で、複数のチック症状
慢性的に続く状態です。平均発症年齢は約7歳で、女児に比べて男児の発症が3倍程度多く、調査によると児童1000人に対して0.5人〜1人程度の割合で見られます。

知的障害に関連するトゥレット障害の頻度に関する調査は少なく、ロングらの報告では16.6%です。
また、自閉症を伴うトゥレット障害の頻度も報告によって異なり、イギリスのバロン・コーエンの報告では6.5%となっています。重要な点は、一般人口に比べて知的障害や自閉症での頻度が著しく高いことです。

DSM-4-TR診断基準Aによると、トゥレット障害多彩運動性チック音声チックが特徴です。
一般的なチック症状には、まばたきや首の動き、肩すくめなどの単純運動チックや、咳や鼻を鳴らすなどの単純音声チックがあります。
特にトゥレット障害では、汚言症という他人を非難するような単語を発する症状が特徴的です。

トゥレット障害は慢性であり、しばしば青年期に悪化し成人期まで続きます。特に重篤な場合は、攻撃性や衝動性が増すことから、器物損壊や自傷、他害などの症状が見られ、精神科薬物治療が必要となることもあります。また、強迫性障害注意欠陥多動性障害を伴うことも珍しくありません。

トゥレット障害の診断基準には以下のものがあります

トゥレット障害の診断基準

A.多彩な運動性チック、および1つまたはそれ以上の音声チックの両方が、同時に存在するとは限らないが、疾患のある時期に存在したことがある。

B.チックの頻度は増減することがあるが、最初にチックが始まってから1年以上は持続している。

C.発症は18歳以前である。

D.この障害は物質(例:コカイン)の生理学的作用または他の医学的疾患(例:ハンチントン病、ウイルス性脳炎)によるものではない。

慢性運動性または音声チック障害の診断基準

A.1種類または多彩な運動チック、または音声チックが病期に存在したことがあるが、運動チック音声チックの両者がともにみられることはない。

B.チックの頻度は増減することがあるが、最初にチックが始まってから1年以上は持続している。

C.発症は18歳以前である。

D.この障害は物質(例:コカイン)の生理学的作用または他の医学的疾患(例:ハンチントン病、ウイルス性脳炎)によるものではない。

E.トゥレット症の基準を満たしたことがない。

一過性チック障害の診断基準

A.1種類または多彩な運動チックおよび/または音声チック

B.チックの持続は最初にチックが始まってから1年未満である。

C.発症は18歳以前である。

D.この障害は物質(例:コカイン)の生理学的作用または他の医学的疾患(例:ハンチントン病、ウイルス性脳炎)によるものではない。

E.トゥレット症または持続性(慢性)運動または音声チック症の基準を満たしたことがない。

トゥレット障害の症状は対人関係や社会的ストレスによって影響されます。
また、大脳基底核や前頭葉のドーパミンセロトニン神経系の障害も関与しています。

治療方法

トゥレット障害の治療には、以下の方法があります

薬物療法

  • 定型抗精神病薬:以前はハロペリドールピモジドが用いられていましたが、副作用のため
    現在はリスペリドンオランザピンが多く使用されています。

行動療法

  • ハビット・リバーサル法:次の3つの要素から構成されています。
    1. 症状を自覚:鏡などを使用して症状を自覚させます。
    2. チック症状を抑える運動:リラックスした運動を行います。
    3. 治療への取り組みを支持:患者の努力を褒めたり、支援したりします。

ストレスの少ない環境を維持することも重要です。

トゥレット障害の治療には心理的支援と薬物療法の継続が必要です。
副作用に注意しながら、患者を観察することが求められます。治療者の支援も不可欠です。

以上がトゥレット障害の概要と治療方法です。