【電話対応】怒っているクレーマーへ心構えと絶対にやってはいけないNG行動【クレーム対応】

企業活動においては、どれほど丁寧にサービスを提供しても、お客様からご不満やお叱りの声をいただく場面は避けられません。とりわけ、強い怒りの感情を伴うクレーム対応は、現場の担当者にとって大きな精神的負担となりがちです。しかし、その怒りの矛先は必ずしも対応者個人に向けられているわけではなく、会社や商品・サービスそのものに対する不満の表れであることを理解することが大切です。まずは「自分自身が攻撃されているわけではない」という前提を心に留めておくことで、冷静かつ客観的に対応する土台をつくることができます。

本稿では、怒っているお客様への適切な対応に必要な心構えを確認するとともに、絶対にやってはいけないNG行動について詳しく解説します。現場対応の参考としていただければ幸いです。

怒りの背景を正しく理解する

怒りの背景を正しく理解する

お客様が感情をあらわにされるとき、その多くは「自分の期待が裏切られた」と感じたことに起因します。たとえば「商品の品質が思っていたものと違った」「サービスの提供に時間がかかり過ぎた」「対応が不親切に思えた」といった体験です。この「期待と現実のギャップ」こそが怒りの根源であり、対応者個人を責めたいわけではありません。

したがって、まず大切なのは「自分が攻撃されている」と思い込まないことです。冷静さを保つことができれば、お客様の言葉の裏にある真意や要望を受け止めやすくなり、解決の糸口を探す余裕が生まれます。

絶対に避けるべきNG行動

絶対に避けるべきNG行動

怒っているお客様と接するとき、つい感情的になってしまうのは自然なことです。しかし、特定の行動はお客様の怒りをさらに増幅させ、事態を悪化させてしまいます。ここでは特に避けるべき三つの行動について整理します。

すぐに言い返すこと

怒りの感情が強い状態では、人は冷静に物事を判断することができません。思考の整理ができないまま言葉を発しているため、理屈ではなく感情が先行しています。

そのような相手に対して、こちらが正論を並べて反論してしまうとどうなるでしょうか。お客様は「話を遮られた」「理解してもらえない」と感じ、怒りが一層増幅します。たとえ事実としてこちらの言い分が正しかったとしても、結果的に火に油を注ぐことになります。

したがって、最初に心がけるべきは「お客様の話を最後まで聞く」ことです。途中で口を挟まず、相手の感情が一通り出尽くすまで待ち続ける忍耐が求められます。傾聴の姿勢はそれ自体が誠意の表れであり、信頼関係の第一歩となります。

(2)「D言葉」を使うこと

クレーム対応において特に注意すべき言葉遣いがあります。それが「D言葉」と呼ばれるものです。「でも」「だから」「ですから」「だって」など、いずれも「だ行」で始まる言葉が代表例です。

これらは一見すると説明の言葉に過ぎないように思えますが、相手に与える印象は否定的で冷たく聞こえてしまいます。たとえば「でも、それは違います」「だから、先ほど申し上げたでしょう」「ですから、そういうことです」「だって、そちらの誤解ですから」といったニュアンスを含んでしまうのです。お客様にとっては「自分の言い分を否定された」と受け取られ、怒りや不信感が強まります。

代わりに推奨されるのが「S言葉」です。「失礼しました」「承知しました」「そうなんですね」「そんなことがあったのですね」といった「さ行」で始まる表現は、相手の感情を受け止め、共感する姿勢を示します。言葉の選び方ひとつで、お客様の受け止め方は大きく変わります。

専門用語を使うこと

クレーム対応において、専門用語の使用は極力避けるべきです。理由は二つあります。第一に、一般のお客様には理解が難しいことが多い点です。日常的にその業界で働いている担当者にとっては当たり前の言葉でも、お客様にとっては意味不明な暗号のように感じられます。

第二に、怒っている状態のお客様は冷静に理解する余裕がありません。たとえ普段なら理解できる言葉であっても、感情に支配されているときには思考が働かず、説明が伝わらなくなってしまいます。理解できない言葉を投げかけられることは「置き去りにされた」「馬鹿にされている」と感じさせてしまい、逆効果になります。

どうしても専門用語を使う必要がある場合は、その直後に「つまり、こういう意味です」と噛み砕いた説明を添えることが必須です。相手の立場に立った丁寧な言い換えを心がけましょう。

それでも収まらない場合

以上の三つのポイントを守っても、すべてのケースで状況が改善するとは限りません。中には「土下座を強要される」「慰謝料を求められる」「長時間拘束される」「人格を否定する暴言を受ける」「暴力や脅迫を伴う」といった、通常の範囲を超える事例も存在します。

これらは単なるクレームではなく「カスタマーハラスメント」に該当します。対応者一人で抱え込むべきではなく、上司や専門部署に速やかにエスカレーションし、組織として対応する必要があります。この点については別の機会に詳しく取り上げたいと思います。

まとめ

まとめ

怒っているお客様に対応する際は、以下の点を忘れないようにしましょう。

  • お客様の怒りは会社や商品・サービスに向けられており、あなた個人を攻撃しているわけではない。
  • 絶対に避けるべき行動は次の三つ。
    1. すぐに言い返さない。最後まで話を聞くこと。
    2. D言葉を使わず、S言葉で受け止めること。
    3. 専門用語を避け、どうしても使う場合は必ず補足説明を加えること。

これらを心に留めて行動すれば、相手の怒りを必要以上に大きくせず、冷静に事態を収束へ導くことができます。クレーム対応は決して楽な業務ではありませんが、誠実な姿勢を積み重ねることで、かえってお客様の信頼を獲得するきっかけとなる場合もあります。ぜひ日常業務に活かし、実践の場で役立ててください。