
今回は、商品(甘酒)のラベルデザインに関するお客様からのご意見を受けた際の、実際の電話応対事例をご紹介します。単なるクレーム処理ではなく、お客様の声を真摯に受け止めつつ、誠意を持って対応する重要性がよくわかるケースです。
ある日、甘酒を販売するある会社に一本の電話が入りました。
応対に出たのはクレーム担当の丸山氏。
お客様は、以前購入した甘酒の味を高く評価しながらも、ラベルデザインに不満があると話を切り出しました。
「味はおいしいんだけどね、ラベルが気に食わないんだよね。もっとポップで可愛らしく、原色を使ってキラキラした感じにできないかな?」
お客様は特に「プレゼントとして贈る際に映えるデザインが良い」という強い要望を持っており、現行ラベルを改善してほしいという趣旨でした。
丸山氏はすぐに「かしこまりました」と受け止め、具体的にどのようなデザインを希望されているのか詳細を尋ねます。
「具体的にどのあたりがお気に召さなかったのか教えていただけますか?」
お客様からは、「もっと写真映えする原色使い」「可愛らしい雰囲気」「プレゼント映えする派手さ」などのキーワードが出てきます。
この段階では結論を急がず、お客様が求めるイメージを言葉として引き出すことが最も重要です。

話は進み、お客様からは次のような要望も出されます。
「今家に未開封の甘酒があるんだけど、ラベルが気に入らないから、リニューアル後のものと交換してほしい。」
丸山氏は、リニューアル時期が未定であることを説明しつつ、サンプル提供の可能性を提示することで、お客様の気持ちをやわらげました。
お客様から「ちゃんとした会社ならすぐ対応できないのか」と詰め寄られた場面もありましたが、丸山氏は上司への確認を即座に行う行動に移ります。
結果としてリニューアルの具体的な時期は不明という回答になったものの、「デザイン検討は上で進める」と伝え、対応の意思を示しました。
この事例のユニークな点は、お客様が独自のアイデアを積極的に提示してきたことです。
これらの案は冗談半分とも取れる内容でしたが、丸山氏は否定せず受け止め、理由や背景を丁寧に確認する姿勢を崩しませんでした。
たとえばネズミ案については、「米とネズミの関係性」というお客様なりの発想を引き出しています。
リニューアル時に連絡をするため、お客様の氏名と連絡先を確認しようとしましたが、お客様は「恥ずかしい」と躊躇。
しかし「キャンペーンやサンプル送付」のメリットを提示し、最終的に苗字だけですが「筋肉マン」という名前を聞き出すことに成功しました。
今回の対応では、次のような顧客応対の基本ポイントがしっかり押さえられています。

この事例から学べるのは、クレームは単なる「問題処理」ではなく、顧客との関係構築のチャンスであるという点です。
お客様の要望を形にするのは容易ではありませんが、誠意ある聞き取りと対応は、企業イメージを大きく高めます。
まとめ
クレーム対応は、ただ謝罪して終わるのではなく、お客様の思いを引き出し、誠実に受け止め、可能な限りの行動を示すことが大切です。
今回の事例のように、時には予想外の提案やユーモラスなやり取りもありますが、それらを楽しみながらも真剣に向き合う姿勢が、結果的に顧客満足度を高めるのです。