接客や顧客対応の現場において、避けては通れないのが「クレーム対応」です。特に電話でのやり取りは、相手の表情が見えないため、対応者の言葉遣いや受け答えの姿勢がそのままお客様の印象につながります。
クレーム対応を誤れば、たとえ小さな不満であっても、大きなトラブルに発展する可能性があります。今回は実際のやり取りの例をもとに、「失敗しやすいパターン」と「そこから学ぶ改善のポイント」について解説していきます。

あるお客様から「購入したアイスが溶けていた」というクレームが電話で寄せられました。対応した従業員は、謝罪の言葉を繰り返しながらも、詳しい状況の確認を十分に行わないまま返金や交換の約束をしてしまいます。最終的に「レシートと現物を持参いただければ交換します」という流れで話は収束しましたが、やり取りの中でいくつかの課題が見受けられました。

次のケースでは「購入した餃子が凍っていて食べられなかった」という苦情です。対応者は、やはり状況を深く確認せず、すぐに「交換します」「届けます」と返答してしまいました。結果としてお客様の連絡先や住所を聞き取り、そのまま配送対応を約束する形になっています。

一見すると、どちらの対応も「謝罪をして交換や返金を提案したのだから問題ない」と思えるかもしれません。しかし実際には大きな落とし穴があります。
その場で判断できない場合は、
「社内で確認の上、改めてご連絡いたします」
と伝えるのが鉄則です。誠意を持って対応しつつも、会社としての統一見解を示すことで、後々のトラブルを防げます。
お客様の不満や怒りの背景には、「期待していた商品が期待通りでなかった」という失望があります。
「楽しみにされていたのに残念なお気持ちにさせてしまい、大変申し訳ございません」
といった共感の言葉を添えることで、相手の感情を和らげる効果があります。
「交換」「返金」「代替品の提供」などの対応は、必ず社内ルールや上司の判断に基づいて行うべきです。現場の一担当者が安易に約束してしまうと、後々「言った」「言わない」のトラブルになります。

クレーム対応は「お客様を怒らせないこと」だけが目的ではありません。大切なのは、事実を正しく確認し、会社として適切な判断を下すことです。
今回ご紹介した2つの事例は、どちらも「すぐに交換や返金を約束してしまった」という失敗例でした。お客様の声に耳を傾けることは重要ですが、それと同時に原因を丁寧に確認し、必要に応じて「確認して折り返します」と伝える冷静さも求められます。
クレームは会社にとって「改善点を知るチャンス」であり、同時に「信頼を築くチャンス」にもなります。失敗を繰り返さないために、日頃から正しい対応フローを共有し、現場で実践できるようにしておきましょう。