クレーム内容を伝えずにクレーム対応をしてもらってみた【電話対応】

企業に勤めていると、時に「理不尽では?」と思えるようなクレームに直面することがあります。特に、内容があいまいなまま「責任を取れ」「お金を払え」と迫られるケースは、現場担当者にとって非常にストレスのかかる状況です。こうした場面で大切なのは、感情的にならず、冷静に手順を踏みながら対応することです。本記事では、あるケースを例に挙げながら、クレーム内容が曖昧な状況での適切な対応方法を考えていきます。

ケース概要:内容を明かさず補償を求められるクレーム

ケース概要:内容を明かさず補償を求められるクレーム

ある企業に「商品が原因で社員がケガをした」という電話が入りました。ところが、相手は具体的な状況や証拠を示さず、ただ「責任を取れ」「今すぐ金を払え」と強く要求してきます。こちらが状況を確認しようとしても「うるさい」「とにかく払え」と感情的な返答が返ってくる…。こうした場面は、いわゆる“悪質クレーム”の典型例といえるでしょう。

対応の基本姿勢

このようなとき、担当者が気をつけるべきポイントは大きく3つあります。

  1. 即答で約束をしない
    その場で「支払います」「責任を取ります」と安易に答えてしまうと、後々大きなトラブルにつながります。責任や補償の有無は、事実確認を行った上で、会社として判断すべき事項です。
  2. 冷静さを崩さない
    相手が強い言葉を使って揺さぶりをかけてきても、感情的に反応するのは逆効果です。怒鳴られても、あくまで丁寧な言葉遣いを保ちましょう。
  3. 確認を最優先にする
    商品の型番、購入日、保証書の有無、事故の状況など、事実を裏付ける情報を少しずつでも聞き出すことが重要です。証拠がなければ、責任の有無を判断することは不可能だからです。

実際の対応プロセス

実際の対応プロセス

① まず謝意を示す

たとえ事実が不明確でも、相手が「ケガをした」と訴えている以上、まずは「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と伝えます。ここで大切なのは、「事実を認める謝罪」ではなく「ご不快な思いをさせたことへの謝意」です。

② 状況確認を試みる

次に「どのような状況で起きたのか」「商品はお手元にあるか」「型番やレシートは確認できるか」と、具体的な情報を尋ねます。相手が答えたくない場合もありますが、こちらとしては確認がなければ対応できない旨を丁寧に繰り返し説明します。

③ 無理な約束はしない

相手が「今すぐ金を払え」と迫ってきても、その場で補償を約束することは避けなければなりません。担当者に決定権がないことを伝え、「社内で確認が必要である」と説明します。

④ 公的機関への言及に冷静に対応する

「消費者センターに連絡する」「裁判を起こす」といった発言も出てくる場合があります。このときも慌てる必要はありません。公的機関や裁判であれば、証拠をもとに事実関係が明らかになるため、むしろ冷静に受け止める姿勢を見せるのが得策です。

⑤ 記録を残す

クレームの内容は、可能な限り詳細に記録に残しましょう。発言の矛盾や変化は後で重要な判断材料になります。

NG対応例

一方で、やってはいけない対応も存在します。

  • 相手の勢いに押されて「すぐに補償します」と約束する
  • 感情的に「そんなはずはない」と否定してしまう
  • 「それはあなたの使い方が悪い」と決めつける

これらは状況をさらに悪化させ、会社の信頼にも傷をつけます。

まとめ

まとめ

クレームの中には、正当なものと悪質なものの両方があります。内容を明かさず「責任を取れ」と迫るケースは後者の可能性が高く、冷静な対応が欠かせません。

  • まずは丁寧に謝意を示す
  • 必ず事実確認を求める
  • その場で補償を約束しない
  • 記録を残し、必要に応じて公的機関の判断を仰ぐ

これらの原則を押さえることで、担当者自身を守ると同時に、会社のリスクを最小限に抑えることができます。