電話対応において「復唱」はとても重要なスキルのひとつです。復唱とは、相手の言葉を繰り返して確認することを指します。正しく使えば「こちらの話をしっかり理解してくれている」という安心感を相手に与えることができます。しかし、使い方を誤ると「ただのオウム返し」「話を遮られた」「機械的で冷たい」といった悪い印象を与えてしまいます。
本記事では、復唱の良い使い方と悪い使い方を具体例を交えながら解説し、実務で活かせるポイントを整理していきます。電話対応に自信を持ちたい方、ビジネスマナーをブラッシュアップしたい方に参考になる内容です。

ビジネスの電話は、メールやチャットと違い「記録が残らないコミュニケーション」です。そのため、言い間違いや聞き間違い、認識のズレが発生するリスクが高くなります。特に、数字や日付、専門用語が多く出てくる会話では、誤解がそのまま業務ミスにつながりかねません。
復唱を行うことで、以下のメリットがあります。
しかし、そのメリットを十分に活かすには「タイミング」と「言葉の選び方」が非常に重要です。

まずは、よくある「悪い復唱」の例を見てみましょう。
悪い例
受けて ○○事務所○○でございます
掛けて お忙しいところ恐れ入ります
受けて お忙しいところ恐れ入ります(間髪入れずに)
掛けて 私○○に伺った者なのですが
受けて 私○○に伺った者ですね
掛けて お世話になります
受けて お世話になります
掛けて ○○先生の
受けて ○○先生の
掛けて ○○購入の件でご連絡したのですが
受けて 購入の件でご連絡をいただいた
掛けて ご担当の方いらっしゃいますでしょうか
受けて ご担当の方いらっしゃいますよ、少々お待ちください。

悪い復唱の共通点は「相手の言葉を理解すること」よりも「ただ繰り返すこと」に意識が向いている点にあります。
次に「良い復唱」の例を見てみましょう。
良い例
受けて ありがとうございます、○○事務所○○でございます
掛けて お世話になっております、私、○○商事の○○と申します
受けて ○○商事の○○様ですね(オウム返し)いつもお世話になっております
掛けて 担当の○○さんにお願いしたいのですが
受けて はい、○○でございますね
掛けて こないだ出していただいた貸借対照表の資産の部の流動資産のところで不明点があるんですよ、それの不明点について教えてもらいたいなと思って
受けて かしこまりました、ご用件復唱いたします。貸借対照表の流動資産に関して不明点でお聞きになりたいことがあるということでございますね
掛けて その内容なんですが、もうちょっと詳しく話しますと前払費用のところなんですけど、前払費用がマイナスなんですよね
受けて はい、前払費用がマイナスになっているということでございますね
掛けて それが何でかなと思って
受けて その理由をお知りになりたいということでございますね、承知いたしました。では○○にお繋ぎいたしますので、このまま少々お待ちください
良い復唱の共通点は「理解を確認すること」と「相手への気配り」が両立している点にあります。

ここまでの良い例・悪い例を踏まえ、実務で意識すると良いポイントを整理します。
電話対応における復唱は、信頼を築くために欠かせないスキルです。ただし、やり方を誤れば逆効果になり、相手に不快感を与えてしまうこともあります。
復唱は単なるテクニックではなく「相手の言葉をしっかり受け止める姿勢」を示す手段です。相手に安心感と信頼感を与えるために、正しい復唱を意識してみましょう。