【クレーム対応】入社2年目の社員とベテラン社員でクレーム対応を比べてみた【電話対応】

はじめに

はじめに

クレーム対応は、ビジネスの現場で避けて通れない大切な業務です。お客様の不満や怒りに正面から向き合い、会社の信頼を守るためには、単なる謝罪だけではなく「状況を正しく整理し、誠意をもって対応する力」が求められます。しかし、このスキルは新人や若手社員にとっては大きな壁となることが多いものです。

今回は「入社2年目の社員」と「ベテラン社員」が同じようなクレームに直面したケースを比較し、それぞれの対応の特徴と改善ポイントを考えてみたいと思います。実際の通話例をもとに、クレーム対応における成長のヒントを探っていきましょう。

ケース①:入社2年目の社員のクレーム対応

入社して2年目。まだ経験も浅く、電話対応に不安を抱えながらも必死に受け答えしている姿が見えます。今回のクレーム内容は「採用試験で不採用になった理由を今すぐ答えろ」という無理な要求。感情的なお客様に対し、入社2年目の社員は以下のような対応をしていました。

通話の特徴

  • 開口一番から怒鳴られる相手に対して「申し訳ありません」を繰り返す。
  • 「採用担当でないと分かりかねます」と繰り返すことで、会話が堂々巡りになる。
  • 折り返し対応を提案するが「今すぐ」という要求に押されてしまう。
  • お客様の感情を受け止める言葉が少なく、「機械的な謝罪」に終始してしまう。

問題点

  1. 謝罪が形骸化している
    「申し訳ありません」を繰り返すばかりで、お客様の怒りの背景や気持ちに寄り添う姿勢が弱く、相手には「誠意が伝わらない」と受け止められがちです。
  2. 情報提供の不足
    「担当者が不在」という説明は正しいものの、具体的な対応策や代替案を提示できず、「何もできない人」という印象を与えてしまっています。
  3. 会話の主導権を握れていない
    相手のペースに飲まれ、「はい」「申し訳ありません」で受け流すだけになってしまい、結果的にお客様の苛立ちを増幅させています。

学べるポイント

入社2年目の社員の対応から学べることは、「謝るだけではクレームは収まらない」という点です。たとえその場で解決できなくても、お客様の感情を認める言葉次にどう動くかを明確に示す説明力が必要であることが浮き彫りになります。

ケース②:ベテラン社員のクレーム対応

ケース②:ベテラン社員のクレーム対応

一方、同じような状況に直面したベテラン社員の対応を見てみましょう。お客様は同様に怒鳴りながら「不採用の理由を今すぐ答えろ」と迫ってきますが、その応対には経験の違いが表れていました。

通話の特徴

  • 怒鳴り声に対しても落ち着いた声で「いかがなさいましたか」「ご用件を詳しく伺えますか」と会話を進める。
  • お客様の話を遮らず、丁寧に相槌を打ちながら受け止める。
  • 「理由は担当者でなければわかりません」と伝えつつ、「10分以内に担当者へ連絡を取り、折り返します」と具体的な対応時間を提示。
  • 自分の名前を名乗り、責任を持って対応する姿勢を示す。

強み

  1. 落ち着いたトーンで会話を制御
    相手が強い口調でも、感情的にならず、常に冷静に受け答えすることで、お客様の怒りをエスカレートさせずに受け止めています。
  2. 共感と傾聴の姿勢
    「そうだったのですね」「恐れ入ります」といった言葉を適切に使い、相手の気持ちを認めながら会話を進めています。
  3. 具体的な次の行動を提示
    「10分以内に担当者へ確認してご連絡いたします」と期限を示したことは大きな安心材料になります。相手に「放置されない」という印象を与えるのは重要なポイントです。
  4. 責任の所在を明確にする
    自分の名前を出し、「私から連絡します」と伝えることで、お客様は「誰に頼ればいいのか」がわかり、安心感を得やすくなります。

2人の対応を比較してみる

同じクレームでありながら、入社2年目の社員とベテラン社員の対応には明確な違いがありました。

観点入社2年目社員ベテラン社員
謝罪「申し訳ありません」を繰り返す謝罪+共感の言葉を交えて誠意を伝える
会話の主導権相手に押されて受け身になる落ち着いた声で会話をリード
情報提供「担当が不在」と繰り返すのみ「10分以内に確認します」と具体的な提案
信頼感「何もできない人」という印象「責任を持って対応してくれる人」という印象

この比較からわかるのは、「経験の差=安心感の差」であるということです。入社2年目の社員も一生懸命対応していましたが、具体的な代替策や責任を示す姿勢が不足していたため、相手に不信感を与えてしまいました。

クレーム対応の基本ポイント

最後に、今回の事例から導き出せるクレーム対応のポイントを整理しておきます。

  1. まずは感情を受け止める
    「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません」「さようでございますか」といった言葉で、相手の気持ちを認めることが大切です。
  2. 冷静さを保つ
    相手が声を荒げても、声を荒げ返さず、一定のトーンで会話することで状況を落ち着かせます。
  3. 次の行動を明示する
    「担当に確認します」だけではなく「〇分以内に確認して折り返します」と具体的に伝えると信頼感が増します。
  4. 責任の所在を明確にする
    自分の名前を伝え、「私が承りました」と言うことで、相手に安心感を与えられます。

まとめ

まとめ

クレーム対応は誰にとっても難しい業務ですが、経験を重ねることで確実に上達します。入社2年目の社員は誠意を込めて対応していましたが、謝罪の言葉に偏ってしまい、結果的に相手の不満を和らげられませんでした。一方、ベテラン社員は落ち着いたトーンと具体的な提案で会話をコントロールし、お客様に「任せられる」という安心感を与えていました。

大切なのは「謝罪すること」だけではなく、感情を受け止め、冷静に、そして次の行動を明示することです。これを意識するだけでも、クレーム対応の質は大きく変わります。

これからクレーム対応に臨む皆さんも、「謝る+寄り添う+行動を示す」という3つの軸を心に留めてみてください。