
クレーム対応は、ビジネスの現場で避けて通れない大切な業務です。お客様の不満や怒りに正面から向き合い、会社の信頼を守るためには、単なる謝罪だけではなく「状況を正しく整理し、誠意をもって対応する力」が求められます。しかし、このスキルは新人や若手社員にとっては大きな壁となることが多いものです。
今回は「入社2年目の社員」と「ベテラン社員」が同じようなクレームに直面したケースを比較し、それぞれの対応の特徴と改善ポイントを考えてみたいと思います。実際の通話例をもとに、クレーム対応における成長のヒントを探っていきましょう。
入社して2年目。まだ経験も浅く、電話対応に不安を抱えながらも必死に受け答えしている姿が見えます。今回のクレーム内容は「採用試験で不採用になった理由を今すぐ答えろ」という無理な要求。感情的なお客様に対し、入社2年目の社員は以下のような対応をしていました。
入社2年目の社員の対応から学べることは、「謝るだけではクレームは収まらない」という点です。たとえその場で解決できなくても、お客様の感情を認める言葉や次にどう動くかを明確に示す説明力が必要であることが浮き彫りになります。

一方、同じような状況に直面したベテラン社員の対応を見てみましょう。お客様は同様に怒鳴りながら「不採用の理由を今すぐ答えろ」と迫ってきますが、その応対には経験の違いが表れていました。
同じクレームでありながら、入社2年目の社員とベテラン社員の対応には明確な違いがありました。
| 観点 | 入社2年目社員 | ベテラン社員 |
|---|---|---|
| 謝罪 | 「申し訳ありません」を繰り返す | 謝罪+共感の言葉を交えて誠意を伝える |
| 会話の主導権 | 相手に押されて受け身になる | 落ち着いた声で会話をリード |
| 情報提供 | 「担当が不在」と繰り返すのみ | 「10分以内に確認します」と具体的な提案 |
| 信頼感 | 「何もできない人」という印象 | 「責任を持って対応してくれる人」という印象 |
この比較からわかるのは、「経験の差=安心感の差」であるということです。入社2年目の社員も一生懸命対応していましたが、具体的な代替策や責任を示す姿勢が不足していたため、相手に不信感を与えてしまいました。
最後に、今回の事例から導き出せるクレーム対応のポイントを整理しておきます。

クレーム対応は誰にとっても難しい業務ですが、経験を重ねることで確実に上達します。入社2年目の社員は誠意を込めて対応していましたが、謝罪の言葉に偏ってしまい、結果的に相手の不満を和らげられませんでした。一方、ベテラン社員は落ち着いたトーンと具体的な提案で会話をコントロールし、お客様に「任せられる」という安心感を与えていました。
大切なのは「謝罪すること」だけではなく、感情を受け止め、冷静に、そして次の行動を明示することです。これを意識するだけでも、クレーム対応の質は大きく変わります。
これからクレーム対応に臨む皆さんも、「謝る+寄り添う+行動を示す」という3つの軸を心に留めてみてください。