スーパーや量販店などで導入されているポイントカードは、顧客のリピートを促す大切な仕組みです。しかし、運用ルールがある以上、すべてのお客様の要望に応えることはできません。特に「後付けポイント」に関するクレームは現場でよく発生します。
今回の記事では、実際の通話例をもとに「ポイントカードを忘れてしまった」「期限が過ぎたから付けられなかった」といったケースでのクレーム対応を解説します。お客様の感情に寄り添いながらも、ルールを守りつつ、冷静に対応するためのポイントを見ていきましょう。

あるお客様が、スーパーで買い物をした際にポイントカードを忘れてしまい、専用レシートを受け取りました。しかし、そのレシートを半年後に持参したところ「有効期限切れで付与できない」と断られたことに不満を持ち、カスタマーセンターへ問い合わせをしてきました。
やり取りのポイントを整理すると、以下のような展開になっています。

お客様は最初から「期限を過ぎてもポイントをつけてほしい」という要求をしています。
ここでいきなり「システム上できません」と伝えてしまうと、「冷たい」「機械的」と受け止められ、反発が強くなります。
まずは、
「せっかくレシートを保管いただいたのに、今回ご期待に沿えず申し訳ございません」
と気持ちを受け止める言葉を入れることが大切です。
そのうえで、なぜ期限があるのか、なぜ対応できないのかを順を追って説明すると、相手の納得感が高まります。
通話例では「バーコードが擦れて読み取れなくなるから期限がある」と説明しています。
しかし、お客様は「じゃあ、読み取れればいいのでは?」と切り返しました。
このように「目的とルールの関係」を突っ込まれることはよくあります。
対応者は「システム上の仕様」「社内で統一しているルール」など、現実的な理由と合わせて説明する必要があります。
例えば、
「読み取れる場合もありますが、すべてのお客様に公平なサービスを提供するため、期限を一律で設けています」
と伝えると、個別対応ができない理由を理解してもらいやすくなります。
お客様は「今後紙のカードを復活させてほしい」と要望しました。
担当者は「予定はない」とだけ伝えましたが、これでは不満が残ります。
代替案としては、
「責任者に代われ」と言われるケースは多くあります。
この時に単に「不在なのでできません」と答えると、火に油を注いでしまうことがあります。
望ましい対応は、
「上席者に内容を申し伝え、折り返しご連絡させていただきます」
と約束することです。時間をいただく形であれば、相手もある程度納得しやすくなります。
通話例では「社内で共有します」と繰り返していますが、お客様から「意味がない」と言われてしまいました。
確かに、ただの決まり文句に聞こえると逆効果です。
そこで、
「いただいたご意見は、今後のサービス改善の検討材料として必ず担当部署に報告いたします」
と具体的に伝えると誠意が伝わりやすくなります。
このケースを通じて学べるポイントは次の3つです。

スーパーのポイントカードをめぐるクレームは、どの店舗でも起こり得る身近な事例です。お客様にとっては「たかがポイント、されどポイント」であり、日常の小さな不満が大きな感情的クレームにつながることもあります。
対応者に求められるのは、
これらを実践することで、お客様の不満を和らげるだけでなく、信頼関係の維持にもつながります。
クレーム対応は決して「相手を言い負かすこと」ではなく、「納得できる落としどころを一緒に探すこと」です。今回のケースを参考に、現場での対応力を高めていきましょう。