どうしてもすぐに対応できないときの電話対応を新入社員とベテラン社員で比較【電話対応】

― 新入社員とベテラン社員の比較から学ぶ ―

はじめに

ビジネスシーンにおいて電話対応は、企業の第一印象を左右する重要なコミュニケーション手段です。特に、相手から「すぐに対応してほしい」という要望があった場合には、担当者が不在であったり、即座に解決できない状況であったりと、現場ならではの難しさが生じます。ここでの応対次第で、相手の信頼を得ることも失うこともあるため、適切な言葉遣いや状況説明が求められます。

本記事では、同じ「すぐに対応できない」場面に直面したときに、新入社員とベテラン社員がどのように対応するかを比較し、その違いから学べるポイントを解説していきます。

新入社員の対応例

新入社員の対応例

ある新入社員が電話を受けたケースを見てみましょう。

  1. 電話の受け答え
    「お電話ありがとうございます。株式会社○○の○○でございます。」
    ここまでは教科書通りの丁寧な挨拶ができています。
  2. 相手からの要望
    取引先の加藤様から「送られてきた見積書の字が薄く、内容が確認できないので、今すぐ濃いものを送ってほしい」と依頼がありました。
  3. 対応のつまずき
  • 「メールというのは……」と、相手が言っていない「メール」の話を持ち出し、要望とズレた返答をしてしまいました。
  • 相手が「担当者に代わってほしい」と求めても、「担当者は不在」と繰り返すのみで、代替案を提示できませんでした。
  • 最終的に「話の分かる人はいない」と答えてしまい、相手は強い不満を残したまま電話を切る結果となりました。

課題点

  • 要望の正確な把握ができていない
  • 代替案やフォロー策が提示できていない
  • 相手の焦りや立場への共感が不足している

新入社員にありがちな失敗ですが、これは経験不足だけが原因ではなく、「相手の言葉を正確に聞き取り、整理し、適切に応える」スキルがまだ十分に身についていないことに起因します。

ベテラン社員の対応例

ベテラン社員の対応例

次に、同じ場面に遭遇したベテラン社員の対応を見てみましょう。

  1. 電話の受け答え
    「株式会社○○の○○でございます。」「加藤様ですね、いつもお世話になっております。」
    名前を復唱し、相手に安心感を与える一言を添えることで、信頼感を築いています。
  2. 要望への受け止め方
    「字が薄い見積書でご不便をおかけし、大変申し訳ございません。」と、まずは謝罪をしっかり述べています。その上で、
    「当社からはメールでお送りしましたか?それともFAXでしょうか?」と確認し、状況を正確に把握しようとしています。
  3. 社内確認と説明
  • 保留にし、上司や担当者に状況を確認。
  • 「半日ほどかかる」と伝えつつも、「お急ぎであることは理解している」と共感を示し、誠意を持って説明。
  1. 相手の苛立ちへの対応
    「補助金申請に必要だから今すぐ欲しい」と強い要望があっても、感情的にならず冷静に対応。
    「お気持ちお察しいたします」と共感を示し、「担当の山田からすぐ折り返しご連絡させていただきます」と具体的な対応策を提案しました。

良い点

  • 相手の要望を正確に把握する力
  • 共感と謝罪をバランスよく伝える姿勢
  • 代替案を提示し、次の行動を明確にする対応力
  • 冷静さを失わない安定感

結果として、相手の不満は残るものの「誠意ある対応をしてくれた」という印象を与えることができました。

新入社員とベテラン社員の違い

新入社員とベテラン社員の違い

同じ状況に直面しても、両者の対応には明確な違いが見られます。

  1. ヒアリング力
  • 新入社員:相手の要望を正確に理解できず、不要な話題(メール)を持ち出してしまった。
  • ベテラン社員:FAXかメールかを確認し、情報を整理した上で対応した。
  1. 状況説明と代替案
  • 新入社員:担当者不在を繰り返すのみで、代替案が出せなかった。
  • ベテラン社員:半日かかると事実を伝えつつ、折り返しの約束をするなど解決策を提示した。
  1. 感情面への配慮
  • 新入社員:相手の焦りや苛立ちに共感する言葉がなく、感情的な溝が広がった。
  • ベテラン社員:「お気持ちお察しいたします」と共感を表現し、相手の立場を理解していることを示した。
  1. 全体の印象
  • 新入社員:不慣れさから「頼りない印象」を与えてしまった。
  • ベテラン社員:冷静で誠実な態度により「信頼感」を与えることができた。

学べるポイント

今回の比較から、新入社員が意識すべきポイントを整理すると以下の通りです。

  1. 相手の要望を正確に聞き取る
    途中で自分の解釈を挟まず、相手の言葉をそのまま受け止める姿勢が大切です。
  2. 謝罪と共感を忘れない
    相手が困っているときは、まず「ご不便をおかけして申し訳ございません」と一言伝えるだけで印象が変わります。
  3. 代替案を提示する
    「担当者が不在です」で終わるのではなく、「戻り次第すぐにご連絡させます」「折り返しこちらからお電話いたします」と、次の行動を提示することで安心感を与えられます。
  4. 冷静さを保つ
    相手が感情的になっても、こちらは冷静に対応することで、会話のコントロールがしやすくなります。

まとめ

電話対応は、相手の要望にすぐ応えられるときよりも、「すぐに対応できないとき」にこそ力量が問われます。
新入社員は経験不足からつまずくこともありますが、ベテラン社員の対応例に学ぶことで、少しずつ改善していくことが可能です。

  • 正確なヒアリング
  • 謝罪と共感
  • 代替案の提示
  • 冷静な対応

これらを意識するだけでも、相手に与える印象は大きく変わります。

「できないことをできるとは言わない」「できないときは、どう解決に導くかを示す」――この姿勢こそが、信頼される電話対応の本質です。