【第2弾】理不尽なクレーム対応を新入社員とベテラン社員で比べてみた【電話対応】

クレーム対応 新入社員とベテラン社員の電話対応を比べてみた

クレーム対応 新入社員とベテラン社員の電話対応を比べてみた

企業活動において避けられないのが「クレーム対応」です。商品やサービスに不満を持つ顧客からの連絡は、時に理不尽に感じられることもありますが、企業の信頼を守り、顧客満足度を高めるためには避けて通れない業務です。とりわけ、入社したばかりの新入社員にとっては大きな試練となり、ベテラン社員との対応力の差が顕著に現れる場面でもあります。

ここでは「新入社員」と「ベテラン社員」のそれぞれの電話対応のケースを見比べ、その違いから学べるポイントを整理していきましょう。

ケース1:新入社員・太田さんの場合

◆ケース1:新入社員・太田さんの場合

ある日、顧客から1本のクレーム電話が入りました。

「一か月ぐらい前に買った服を明日着る予定だったが、洗濯したら縮んでしまって着られなくなった。すぐに新しい商品に取り替えてほしい。」

対応したのは入社したばかりの太田さん。状況を聞いた太田さんは、とにかく「謝罪」を繰り返すことに終始してしまいます。

  • 「申し訳ありません」
  • 「すみません」
  • 「謝って済むことではない」という顧客の反応にさらに「申し訳ありません」

誠意を伝えようと必死に謝る太田さんですが、顧客の感情は収まらず、「誠意を見せろ」「上司を出せ」という要求へとエスカレートしていきます。さらに、顧客から「交通費や新幹線代も出せるのか」といった無理難題が突きつけられた際、太田さんは適切な言葉を見つけられず、言葉を濁してしまいました。

新入社員の対応の特徴

  1. 謝罪が中心で具体的な対応策を示せていない
  2. 顧客の要求を正しく整理できず、次の行動に迷う
  3. 会話の主導権を顧客に握られてしまい、翻弄される

太田さんの対応は、誠実さは感じられるものの「具体性に欠ける謝罪の連続」となり、結果的に顧客の不満を増幅させる形となってしまいました。

ケース2:ベテラン社員・丸山さんの場合

◆ケース2:ベテラン社員・丸山さんの場合

次に同じ内容のクレームにベテラン社員の丸山さんが対応したケースです。

顧客が「セーターが縮んでしまった」と訴えると、丸山さんはまず丁寧に話を受け止めます。

  • 「そうだったんですね。それは大変なことでございます」
  • 「お客様のお気持ちお察しいたします」

単に謝るだけでなく、「顧客の気持ちを理解する姿勢」を言葉でしっかり表現しているのが印象的です。

さらに、丸山さんは落ち着いて状況を整理し、必要な情報を丁寧にヒアリングしていきます。

  • 購入店舗やレシートの有無
  • 洗濯方法や使用した洗剤
  • 商品タグの確認

顧客から「余計なお世話だ」「不良品じゃないのか」と反発されても、感情的にならず冷静に説明を続けます。相手の主張を一旦受け止めながら、「弊社の検査体制」や「洗濯表示タグの存在」を案内し、自然に自社の立場も伝えています。

さらに顧客が「誠意を見せろ」と要求してきた場面でも、丸山さんは安易に約束せず、次のように確認を取ります。

  • 「誠意とおっしゃいますと、具体的にはどういったことをお考えでしょうか?」

顧客の抽象的な要求をそのまま受け止めるのではなく、「具体化」して把握しようと努めています。結果的に顧客は「新しいセーターと、何か気持ちを表すもの」と回答し、要求が整理されました。

ベテラン社員の対応の特徴

  1. 謝罪に加え、顧客の気持ちを汲む表現を使う
  2. 冷静に状況を整理し、必要な情報を聞き出す
  3. 顧客の抽象的な要求を具体化し、社内検討につなげる
  4. 最終的に「上司から折り返し連絡する」と、信頼回復の道筋を提示する

丸山さんは会話の流れを主導し、顧客の感情を受け止めながらも冷静に「対応の枠組み」を築いていました。

両者の違いと学べるポイント

◆両者の違いと学べるポイント

新入社員の太田さんと、ベテラン社員の丸山さん。両者の対応を比べると、次のような違いが浮き彫りになります。

1. 「謝罪」か「共感」か

太田さんは謝罪に終始しましたが、丸山さんは「お客様の気持ちを理解する」という共感の言葉を加えました。謝罪だけでは相手の不満は収まりませんが、「理解してくれた」という実感は顧客の気持ちを和らげる効果があります。

2. 情報収集の姿勢

新入社員は「要求に振り回される」傾向がありますが、ベテランは「必要な情報を聞き出す」ことを忘れません。情報が揃って初めて、社内で適切な判断や対応策を検討できます。

3. 要求の具体化

「誠意を見せろ」という曖昧な要求をそのまま受けると、後で大きなトラブルに発展しかねません。ベテランは相手に具体的に言葉にさせ、要求を可視化することで対応可能な範囲を見極めます。

4. 最後の「安心感」

顧客が「上司を出せ」と要求するのは「この人では解決できない」と感じた時です。丸山さんは上司不在を伝えつつも「折り返し必ず連絡する」と約束することで、顧客に安心感を与えました。

まとめ

クレーム対応は「謝罪の言葉をどれだけ繰り返すか」ではなく、「いかに顧客の気持ちを理解し、整理して、具体的な解決に導くか」が重要です。

  • 謝罪+共感で感情を和らげる
  • 必要な情報を丁寧に聞き出す
  • 曖昧な要求は具体化する
  • 最後に安心感を与える

これらはすぐにでも実践できる対応スキルです。新入社員はつい謝罪に頼りがちですが、経験を積むことで「顧客と対話し、解決の道を一緒に探す」姿勢を身につけられるでしょう。

クレーム対応は一見マイナスに思われがちですが、実は企業にとって「顧客との信頼関係を深めるチャンス」です。今回の事例を通じて、新人からベテランへと成長していくためのヒントを学び、自分自身の対応力向上に役立てていただければと思います。